韓国:ロケット電気解雇労働者鉄塔高空籠城 | |||||||
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ロケット電気解雇労働者鉄塔高空籠城[組合員インタビュー]イ・ジュソク、チョン・ソンムン、オ・ミリョン、ユ・ジェフェ
オ・ドヨプ(作家)/ 2009年03月11日21時54分
今日(3月11日)午後2時20分頃、ロケット電気解雇労働者のユ・ジェフェ、イ・ ジュソク組合員の2人が旧全南道庁前の30メートル地点にある交通CCTV鉄塔に上 がった。二人の労働者は労使合意による新規採用中断と解雇者優先復職、労働 庁と光州市など関係当局のロケット解雇事態解決を要求している。オ・ドヨプ 作家はこれらの労働者が高空籠城に突入する前に光州で会って、インタビュー をした。- [編集者 注] ▲ロケット電気解雇労働者。左がイ・ジュソク、右がユ・ジェフェ氏。写真/金属労組光州全南本部 「生きたいから雇用を返してくれ。」 2009年3月11日午後2時30分、光州民主抗争の歴史が宿ったところ、いや今は取 り壊された旧全南道庁前の鉄塔に掲げた横断幕の文句です。遥かに高い鉄塔の 上に人がいます。とりわけ見覚えがある顔です。イ・ジュソク氏です。 一週間前の3月3日の午前に光州直轄市梁山洞ポンチョン工団ロケット電気前の コンテナ座り込み事務室で会った、とくに本当にという言葉を繰り返しながら はがゆさを打ち明けた彼が今鉄塔に上がりました。生きたいと。 去年の9月も彼は『生きたい』、『雇用を返してくれ』という横断幕を胸に抱い て鉄塔に上がりました。半年がたちイ・ジュソク氏はなぜ、また鉄塔に上がっ たのだろうか? それも同じ文句が書かれた横断幕を抱いて。 「昨年9月に鉄塔座り込みした時ですか? 6日間しました。本当に脚もしびれて 腰も本当に痛かったです。昼は本当に暑かったし、夜は寒くて、本当に寝られ ませんでした。恐ろしかったが本当に退くことができなくて、本当に最後にで きるのは本当にこれしかなくて上がりました。それで会社と合意書を作成して、 本当に今度は解決するだろう、信頼を本当に持って鉄塔から降りました。」 『信頼を本当に持って鉄塔から降りた』というイ・ジュソク氏がまた鉄塔に上 がった理由は、会社が約束した『合意書』が無用の物になったためです。 今年で四十になるイ・ジュソク氏は、2007年9月1日に整理解雇されました。当 時、ロケット電気のキム・ソンチャン代表理事とナム・キュヒョン労働組合委 員長は、〈整理解雇者優先採用に対する労使協議会合意書〉を作成して血の誓 いのような大きな角印をおしました。昨年9月に鉄塔座り込み中に作成された 〈合意書〉にも『ロケット電気とロケット電気解雇者は...... 解雇者復職な どすべての事案を誠実に議論することを約束』とすると署名しました。 共に鉄塔に上がったユ・ジェフェ氏は「ロケット電気で10年以上働いた人々を 使い捨てた廃乾電池扱いして、一日で街頭に追い出し、今度は合意書をまるで チリ紙のようにごみ箱に捨て、あつかましく解雇者は知らないかのように堂々 と新規採用をしています。これは会社経営が苦しくて構造調整をするほかはな いという会社側の主張が偽りだったことを言うのではないですか?」と鬱憤を晴 らします。 生きるために足を土に踏めず空に浮かぶ解雇者たち、膚に染みる冷たい激しい 風を受け、雇用を返してくれと叫ばなければならない解雇者たち。絶望が、さ らに下に降りられない絶望が抵抗をさせます。 ロケット電気は経営が困難なのでしょうか? 「ああ、経営が苦しくて新規採用をしますか。仕事がないのに人を選びますか? この頃工場に仕事がないというのにロケット電気は夜昼二交代で12時間ずつ工 場が稼動しています。土曜日曜も休みなく特別勤務をして。私たちを解雇して 新任理事を二人増やしました。理事年俸は私たち解雇者三人の賃金になります」。 昨年9月イ・ジュソク氏と鉄塔に上がり、座り込みをしたチョン・ソンムン氏の 言葉です。解雇の本当の理由は経営の困難ではないと話します。 「ロケット電気の作業環境は、ほとんど日帝時代の働きかただと思えば良いで す。外から見れば、最先端の乾電池を作っているように見えますが、それを作 る労働者は地獄です。若い人たちは工場の中をみると悲鳴をあげて翌日出てこ なくなります。なぜなら乾電池の中には黒い粉を多く使うでしょう。二酸化マ ンガンと黒鉛ですが、ところがその黒鉛の粉が工場に充満しています。天井を 棒で打てば黒い粉がふわっと落ちてきて、息ができないほど、とても悪い状態 です。炭鉱村でかかるという塵肺症にかからなかったのが幸いですよ。ここで 働くと皆死ぬと思うほど...... 日帝時代の水準と思えば良いです。煉炭工場 を想像して下さい。煉炭を五百個ほど砕いてその中で歩き回っていると。床に も積もっています。換気設備もないと思わなければなりません。天井の上にファ ンがありますが、その上があいていないので、このファンは作動しても無用の 物です。それでも何も言わず、十年以上働いた人を追い出したのです。解雇し た本当の理由は何か分かりますか? 同僚にこんな状況、改善したいという事項 を書いた宣伝の紙を作って配ったという理由です。経営上の理由とか人事考課 点を付けて解雇をしたと言いますが、解雇された11人全員がチラシを配った人 なんです。」 オ・ミリョン氏も『標的で』だったと言います。 「自動化ラインで働きました。ラインで十二時間ずつ二交代で仕事をします。 まだ子供が小さいので早く家に帰ることもあるでしょう。休日や延長勤務を続 けなければならないから子供に何かあっても帰れません。その上、育児休職を 使ったと罰点を付け、解雇したりもします。私も2004年に育児休職を使ったこ とで解雇され、復職しましたが、今回また解雇されたのです。その時解雇され てまた復職し、労働者の取り分は自分の手で探さなければいつでも解雇される、 そんな気がしました。また育児休職を使ったという正当な理由のために、私で なくても他の同僚が解雇されることを防がなければならない。そうして問題を 指摘して、労働者が知るべき内容を知らせるチラシを作り、同僚に配ってあげ たのに...... してもいいはずです。それを理由に解雇なんてひどくありませ んか?」 今鉄塔にいるイ・ジュソク氏も『本当にチラシを配って本当に解雇するのが正 しいか?』と問いました。 ロケット電気を2007年9月に解雇された人は11人。地方労働委で救済申請を受け た二人は復職し、あとの9人は558日間道路で『生きたい』という熱望を持って 『雇用を返してくれ』と叫んでいます。 彼らの希望がいかに切実かは解雇者ピョン・ヘギョン氏を見ればわかります。 ピョン・ヘギョン氏は3月中旬にお母さんになります。お母さんは腹の中の子供 の名を『復職ちゃん』にしました。出産が目の前なのに、共に復職で闘う同僚 は20メートルの鉄塔に上がったので、ピョン・ヘギョン氏の心情は残念でつら いです。『復職ちゃん』が生まれれば君の名前がなぜ復職だったのかを堂々と 話せるお母さんになりたいのですが。 558日と言えば、解雇者には死のトンネルを通りすぎる時間です。解雇者の戦い は終わりが分からず、またどれほど長いトンネルを歩いていかなければならな いかも分からないのですから...... それで復職すれば勝利なのでしょうか? これまでの傷が消えるのでしょうか? 鉄塔に上がる前にユ・ジェフェ氏がこんな話をしました。 「初めての子は娘ですが、今小学校5学年ですね。塾にやれなかったが、ぜひピ アノを習いたいと切実に望み、ピアノ塾にやりました。ところが私が解雇者に なると、娘が塾をもうやめると言うのです。お父さんがお金も稼げないのに、 塾に通えないということでしょう。その話を聞くと狂いそうです。気兼なく、 悩みなく、思う存分遊び回るべき子供がお父さんが解雇され、一瞬にして成熟 したようで、これは正常な成熟ではないでしょう。二番目の子供は食べたいも のに使えと言っても少ししか使いません。することができなくてもちょっぴり 使うのが...... 娘もそうでなければ、私の気持がこんなにはり裂けそうにはな らないのに。結局娘は塾も通えなくなりました。みんなだめなお父さんのため に......」 今、鉄塔の上でユ・ジェフェ氏は塾をもうやめるといった娘の声が聞こえるで しょう。高空から見る星が娘の目のように見えるでしょう。誇らしいお父さん になろうと、他の人のように塾一つくらいは行かせられるお父さんになろうと 二十メートルの上空で、世の中に私もお父さんになりたいと叫んでいるのかも 知れません。 何年か前には賃金交渉が終わって法定最低賃金が決定されたのに、上がった賃 金が最低賃金に達しなかったと言います。苦心して賃金交渉をするより国で最 低賃金を決定することを望むほうが良いという笑い話をする所がロケット電気 労働者の現実です。劣悪な、いや『日帝時代』のような所で働いた労働者たち が現実を変えようとストライキをしたわけでもなく、チラシを配っただけなの に解雇だなんて...... 500日以上野宿し、髪を刈り、断食し、高空籠城して...... 「約束を破った会社は正常なのに、一緒に約束した合意書を守れと叫んだ解雇 者には借金と罰金だけです。高空籠城したと、集会したと、告訴告発に罰金が かさみ、いっそ殺せと言いたいです。本当に人々が暮す土地で暮せずに鉄塔に 上がりました。解雇者も生きたいのです。同じ人になりたいのです。」 この夜が明ければ、九人の解雇者、そしてロケット電気で働く労働者が人間ら しく楽しく働ける日になれば良いです。高空籠城が二日になって三日にならな ければ良いです。明日の朝には鉄塔の下で、いやロケット電気工場の中でユ・ ジェフェ氏とイ・ジュソク氏に会えればと思います。頼むから、頼むから........ 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2009-03-17 15:34:02 / Last modified on 2009-03-17 15:34:03 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |