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マスコミの「労組孤立」3ステップ

[言論動向] 民主労総ゼネストと全教組年次休暇闘争を伝える言論の目

チョスビン記者/ 2006年11月22日15時34分

民主労総と全国教職員労働組合は、22日にゼネストと年次休暇闘争を行う。全 教組はこの日の1時からソウル市庁前広場で「教員評価制と差別成果給制阻止」 を掲げて7〜8千名が参加する大規模な年次休暇闘争を行う。民主労総は、15日 の警告ストライキに続き、労使関係ロードマップと韓米FTA阻止などの四大要求 事項を掲げた。これに伴い民主労総は、現代自動車をはじめ組合員30万人が 22日の一日、8時間の全面ストと共に午後3時からソウル市庁前広場でゼネスト 決意大会を開催する。

今は政治ストライキだと反対するのか

全教組の年次休暇闘争と民主労総のゼネストに対する言論の反応は「まともな 精神状態なのか」、「うんざりする事情だ」、「いったい何か考えがあるのか」 等、言葉は違っても内容はほとんど同じだ。今回のゼネストは、自分の利害も 関わっていない政治問題でゼネストを決意した無能な人間たちという描写だ。 経済的損失は基本だが、車両でデモ隊を襲った事件の原因が交通渋滞だったよ うに、言論にも「交通渋滞」は腹いせの原動力になっている。

韓国経済21日社説〈民労総またゼネストまともな精神状態なのか〉「情けない 事情だ。今回のストライキは賃金引き上げや勤労条件改善などとは何の関連も ない政治ストライキで、不法ストライキという点でさらにそうだ」

世界日報21日社説〈時代に逆行する民主労総全教組〉「政治的問題を掲げて暇 さえ出来ればストライキの旗を掲げる問題集団に転落した」

韓国日報21日社説〈民労総・全教組、ストライキもうそろそろほどほどにしろ〉 「扇動的で政治的なスローガンを捨てて合理的で労働現場中心的な労使共存の 道を摸索...」

いつかは利害関係がかかったストライキを労組利己主義と言って世論を煽り、 今は全大衆の利害がかかる韓米FTAなどの政治的事案を掲げてするストライキ は政治ストライキと言って反対している。まさに韓米FTAと労使関係ロードマッ プなどの問題が、労働者の権利と影響を見ない主張だという指摘はともかく、 言論の主張は「ストライキ」が労働者の権利ではあるが、とにかく「ストライ キ」はするなという強引な論理を繰り広げている。

「学習権」とは何だろう?

全教組の年次休暇闘争については「学生の学習権」が問題になっている。「学 習権」論難の争点は、教師の不在による学習権の侵害だ。保守言論はさらに強 く、反米・親北朝鮮的な全教組の理念教育は受け入れられないと主張し、まっ たく全教組そのものを否定したり、全教組組合員は教室から出て行けと強弁す る。ここまでくると読者は首をひねる。「学習権」の社会的議論はなく、これ についての意見も入り乱れているはずで、言論の中でも合意されていない「学 習権」に対する概念を過度に乱用して「教師の有無」程度に制限しているとい う印象は拭いがたい。特に今回の年次休暇闘争では、かなり以前から計画され ており、教師たちは自分らの権利である「年休」を利用して、授業に支障がな いように調整するように自治的な運営を試みているのに、それについての理解 もないという点は、知っていながら知らないふりをしているのか、本当に知ら ないのかを問わざるをえない。

東亜日報は21日の社説〈全教組年次休暇闘争は法の通りに処理せよ〉で「休み の土曜日や日曜日を脇に置いて、平日に集会日を決めたことから国民と政府を 相手に圧迫を加えるという意図」とし「教師が席を外した学校ではきちんと授 業ができるわけがない。重大な学習権の侵害」と指摘する。

ソウル新聞は22日の社説〈年次休暇闘争教師厳罰を見守る〉で「教師たちが一 日の年休を出して学校を空ければ、全国でその数字と同じ教室で学生は教師の いない時間を送らなければならない」とし「仮にも教育者であり、教育現場を 空けることをたいしたことではないと思う彼らの内心がどうなのか推し量れな い」と主張した。

中央日報は同日の社説〈全教組年次休暇闘争厳重に、対応せよ>を出して、 「年休は教員の権利だが、年次休暇闘争は正当な方法ではない」とし「なぜ子 供たちが反米・親北朝鮮的な全教組の理念教育を受けなければならないのか」 と組織の否定につなげる。

一方、今回の年次休暇闘争に対して、主導者だけでなく単純加担者も厳正措置 すると発表した教育部と年次休暇闘争を強行した全教組の衝突が避けられない という言論報道が出てくる中で、教育部は「一線の学校教師が大量に年休を出 さないものと展望、各学校の全教組分会長程度だけが年次休暇闘争に参加する と見られるので授業には支障がないだろう」と伝えた。全教組も「授業に大き な支障はないだろう」と明らかにしている。

「言論、労働組合活動も率いる」

マスコミ各社は国民の情緒を越えて、頻繁なストライキで組合員の無関心が充 満していたと述べ、ゼネストと年次休暇闘争の組織率は低調だと予告した。韓 国日報は社説で「頻繁な闘争で組合員が無関心になった反面、政治ストライキ という非難は強い」と主張、釜山日報は22日の社説〈民労総ゼネスト・全教組 年次休暇闘争再考せよ〉で「『政治性ストライキ』と過激な闘争への国民と組 合員の情緒が冷たいという現実を民労総は直視しなければならない」と繰り返す。

代表的な保守新聞である中央日報は「全教組はますます萎縮している。組合員 は減り、今年教育委員選挙でも惨敗した」とし「全教組の草創期の『正しい教 育運動』という精神が消え、誤った理念と集団利己主義で埋め尽くされた集団 に変質したため」と指摘した。

あい変わらず国民感情にあわないという話も出る。組合員の情緒も冷たくなっ ていると付け加える。労組の組織率が77年で最低値という根拠による主張だ。 続いて労働者が強硬路線に背を向けているという意味だと指摘する。しかし、 組合員の組織率がますます低下しているという言論の指摘にもかかわらず、今 回のゼネストと年次休暇闘争の規模は例年に比べて大きく違っていない。

22日ゼネストに突入した民主労総ホームページ

民主労総は30万人が決意し、実際に21万人がゼネストに参加している。民主労 総のイ・スミ総務部長は「97年以後の10年で最も多数が参加している」とし、 「一言で根拠のない主張」だと明言した。

全教組は、平日であるという点と、教育部の厳正措置を考慮しても、今回の年 次休暇闘争の規模では変わっていない。言論の嵐にもかかわらず、イ・ミンス ク全教組報道官の拘束により臨時代行をしているイ・チョロ全教組報道官は 「全教組の組織目標は最大1万人から7千人で、以前と比べて実際の規模も減っ ていない」とし、「教育部の懲戒の圧力と言論の扇情的な報道にもかかわらず、 今日の年次休暇闘争は成功的と判断している」と述べている。

イ・チョロ報道官はこれに付け加えて「マスコミ各社は事態の真実を明確に反 映しなければならない」とし「客観的真実を報道すべき言論は、論評などで歪 曲し、ラッパ手のように真実と違う誘導をして自分たちが望む方向で労働組合 活動までを率いていこうとしている」と指摘した。

全教組ホームページ

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-11-23 05:06:05 / Last modified on 2006-11-23 05:06:06 Copyright: Default

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