神様の名で同性愛嫌悪暴力騒動
保守教会信徒・オボイ連合の騒動にクィアーパレードの参加者が涙
差別で隠れて1年、一度街頭に出ても警察の保護が必要な国
キム・ヨンウク記者 2014.06.08 00:26
クィアーパレードに参加したある同性愛者がついに我慢していた涙を流した。
クィアーパレードの一番前で先導していた台車の周辺に一緒に立っていた数人のスタッフも涙を拭った。
涙を止めたパレード参加者はすぐ笑いを見せたが、心境を尋ねる質問に
「ただちょっとくやしかったです」と笑いながら
「この国で暮らしたくありませんね」と短く話した。
彼らに悲しい涙が流させた人々は保守団体のオボイ連合の会員と保守キリスト教団体の教会の信者たちだった。
▲クィアーパレード先頭の台車を妨害する保守団体会員
▲修羅場になったパレード。一番前に保守教会の信者200-300人が横になり、衝突を防ぐために警察が中間にいる。
7日午後4時半から15回クィアー文化フェスティバル「愛は嫌悪より強い」パレードが5千余人を集めて新村一帯で進められた。
だが同性愛への嫌悪を示す保守キリスト教徒やオボイ連合など300人ほどの妨害により、20メートルも進まずに止まった。
特に保守教会の信者を主軸とする先鋒隊30人ほどがパレードを先導するパフォーマンス台車に飛びかかって水をかけ、台車の取っ手を捕まえて押した。
台車の上には二人の参加者がパフォーマンスをしており、あるスタッフが上がって保守団体会員の乱入を防いだ。
あっという間にパレードは修羅場になり、ある保守団体の会員は台車の下に入った。
申告された合法デモ行進を妨害したため、警察は強く制止したが、保守教会の信者は20数分間、猛烈な騒動を止めなかった。
彼らは20代から60-70代まで多様で、警察がポリスラインの外に出しても執拗に飛びかかった。
ある教会の信者は「神様を信じてください」というたすきをかけて
「同性愛反対」を叫んで他の教会の信者に車と直接ぶつかっている所に来るよう促した。
保守教会の信者が道をあけないため、パレードの参加者らは
「あなたは愛されるために生まれた人〜」で始める賛美歌を歌い、同性愛嫌悪をやめろと要求した。
警察が台車周辺の先鋒隊をポリスラインの外に追い出し、またパレードは10数メートル程前に進んだが、
今度は300人ほどの保守教会信者がスクラムを組んで横になって祈祷をしながら道路をふさいだ。
主催側によればこの日、保守団体は朝から合法的な集会申告場所のあちこちにあらかじめ横断幕を張るなどし、組織的な妨害を準備していたと知らされた。
今年のパレードは韓国では初めて、駐韓米国、フランス、ドイツ大使館が性少数者への支持の意味を込めてブースでのイベントとパレードに参加し、
保守団体の騒動は事実上、外交的な欠礼を犯した形になった。
「キリスト教があそこまでやってはいけない」
パレードを見ていた市民のキム某氏は
「私はどちら側でもないが、キリスト教があそこまでやってはだめだ。
反対はしてもいいが、ああしてパレードを妨害して暴れまわるのはひどい」と舌を打った。
あるパレードのスタッフは
「互いに考えは違っても、理解すべきことは理解すべきなのに、
結局衝突になって残念だ。怒りよりも残念だ」と話した。
パレードに参加したある外国人は祈りながら横になっている保守教会の信者の間に入り、
残念に思う気持ちでずっと「NO」と叫び続け、パレードの行列が通れるように訴えた。
地球地域行動ネットワークのナヨン事務局長は
「世界的に同性結婚が合法化され、韓国でも同性結婚が行われたため、(保守キリスト教団体らが)とても危機意識を感じているようで、暴力的に出てきたようだ」と説明した。
また「特に差別禁止法の制定から制度化が見えてきたことで、
向こう側は組織的にあちらで嫌悪を助長し始めた」とし
「最初から強い反対は予想していたが、暴力を使って卑劣にやっている。
これからあのような形の敵対心はさらに激しくなるだろう」と付け加えた。
ナヨン事務局長は続いて「外国でもパレードへの反対を組織するが、
このように物理的に妨害するのは珍しい」とし
「昨年、フィリピンのクィアーパレードに行ったが、
そこのキリスト教徒はプラカードを持って立っている程度で、
クィアーと挨拶もしてした。
こんなことはロシアにでも行かなければ見られない」と話した。
▲パレードに参加したある外国人は祈りながら横になっている保守教会の信者の間に入り、残念に思う気持ちでずっと「NO」と叫び続け、パレードの行列が通れるように訴えた。
パレード車両でマイクを持っていた同性愛者人権連帯のピョングォン活動家は
「私たちの社会は虹のように多様だ。
性少数者も韓国社会の一員として暮らしている」とし
「愛は嫌悪より強い」を共に叫んだ。
この日のパレードは結局、40-50メートルほどに達する警察のポリスラインに囲まれて進められたが、
パレード車両に上がった性少数者たちは「差別禁止法制定」などのプラカードを持って、多様な公演とパフォーマンスを見せた。
クィアーパレードは毎年6月に韓国だけでなく、世界の主な都市で開かれるイベントだ。
クィアーパレードの由来は、1969年6月にニューヨークのゲイバー「ストーンウォール」に警察が押しかけ、性少数者を犯罪者扱いして摘発をしたことで始まった。
怒った人々が激しくデモを行い、翌年からこの事件を記念して性少数者が自尊心を持って都心で堂々とデモ行進を始めたことが全世界に広がった。
この日のクィアー文化フェスティバルは午後2時の開幕イベントで始まった。
開幕イベントの舞台に参加した東京レインボープライド・パレードのスタッフは
「日本では4月27日に1万5千人が集まってパレードをした」とし
「今年、初めて韓国のイベントに参加したが、多くの人たちが集まっているので驚いた。
両国の同性愛者がもっと連帯して、同性愛者が幸せになれるように一緒に歩こう」と話した。
保守キリスト教徒たちは、開幕イベントの途中にもプラカードを持って同性愛嫌悪を助長した。
プラカードを持っていたある教会信者は、
「同性愛をすれば男が嫁に入ってくる。国がほろびる」とし
「今日のパレードのイベントを妨害するつもりはない。
ただ静かにプラカードを持って反対するつもりだ」と話したが、
すぐに偽りであることがわかった。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可( 仮訳 )に従います。
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Created on 2014-06-08 09:20:58 / Last modified on 2014-06-08 09:20:59 Copyright:
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