労働時間を短縮するといったのに過労死基準時間に?

［環境労働委公聴会］「労働部が『1週間は7日』と認めれば終わること」
「政府は現行より時間を延長する法案を持ってきた」...大統領選挙公約破棄で議論

キム・ヨンウク記者 2014.04.09 19:15

4月9日、国会環境労働委員会で開かれた勤労時間短縮に関する公聴会で、雇用労働部の誤った行政解釈により世界最長の労働体制を作ってきたという叱責があふれた。

特に、労使政小委(労使政社会的議論促進のための小委員会)支援団の案と、経営界・政府が要求する内容はともに現行の法律基準の年2600時間よりさらに長い勤労時間案を提示したと批判され、労働時間短縮の共感も問題になった。また提示された案は過労死認定基準の水準の労働時間にするものだという批判もあがった。

今回の法改正の議論は、労働部による勤労時間の基準になる「1週間」の定義を「週末の休日を除く5日」と行政解釈を大法院が「週末の休日を含む7日」に直す可能性が高まったためだ。

これにより労使政小委支援団、財界、政府皆労働部は、行政解釈から除いていた休日勤労を延長勤労に入れる基本的な趣旨には共感するといった。しかし企業の負担をあげて、これに対する弾力的勤労時間制などの例外規定と処罰免除などを主張したことで争点になった。裁判所の趣旨には共感するが、直ちに勤労時間を減らすことはできないので、延期してもっと例外をくれということだ。

労働界、「1週間は7日、残業時間限度12時間を20時間に逆行させられない」

労使政小委員会支援団代表として、勤労時間短縮関連法改正案第1案と第2案を説明したソウル大法学専門大学院のイ・チョルス教授は「休日勤労を延長勤労に入れるという趣旨を明確にしようという点は、第1案と第2案に共通だが、第1案は6か月で週8時間まで追加延長勤労を許容するもの」と明らかにした。イ・チョルス教授はまた「第1案は弾力的勤労時間制の単位期間を、現行の2週間ないし3か月から、1か月および6か月に延長し、勤労時間特例業種の整備も含んでいる」と説明した。

イ教授は「第2案も趣旨は第1案と同じだが、休日延長勤労加算賃金の重複割り増し問題の解釈上、議論をなくすために法律に明示しようという提案」とし「ただし、休日延長勤労が法で定められた以上になった場合には処罰規定があるが、これを免除することにより暫定的に問題解決を提案する方式」と説明した。第2案も第1案と同じように、勤労時間特例業種を再調整し、弾力的勤労時間制の拡大を主な内容としている。

イ教授は「追加延長勤労時間の上限をどう設定するのかの問題を検討しなければならず、この制度は非常に暫定的で一回的なもので、法が一定の手続きを定めなければならないと見られる」とし「支援団は現実的な事情を考慮して、こうした暫定措置が必要だという点で意見が一致する」と明らかにした。

しかし陳述人になった韓国労総のイ・ジョンシク事務局長は「2010年の労使政委員会は、2020年までに実労働時間をOECD平均水準の1800時間に短縮するという合意を尊重しなければならない」とし「したがって段階的・漸進的な施行や柔軟性の拡大措置は、労働時間短縮に逆行するもので、法的安全性を侵害する恐れがある」と第1案、第2案ともに反対意思を明らかにした。

イ・ジョンシク事務局長は「休日労働の残業時間限度を含むという判決と常識は、尊重しなければならない。 1週間は7日であり、残業時間限度12時間を20時間へと逆行させることはできない」と反発した。

民主労総政策研究院のキム・テヒョン院長も「2020年まで労働時間を1800時間とするという原則の下に延長勤労を制限し、包括賃金に対する法的規制などが必要だ」とし「第1案と第2案の内容は、4年間違法を延長させる立場であり受け入れられない」と明らかにした。

キム院長は「第1案は追加延長12時間に続いて特別勤労時間制度として6か月間に週8時間延長勤労を許容する案であり、むしろ休日勤労をそのまま延長するもので受け入れられず、むしろ特例業種の廃止で延長勤労を制限し、十分な休憩時間を保障すべきだ」と強調した。

労働部、「大統領選挙公約、国政課題は1800時間ではなく1800時間代」

だが労働部のイム・ムソン勤労改善政策官は「休日勤労を延長勤労に入れるが、最低2年ほどの準備期間を付与しなければならない」とし、短縮日程も企業規模別に段階的に施行することを主張した。また企業負担緩和のための柔軟勤労時間制と弾力的勤労時間制の単位期間の拡大の必要性を強調した。

イム・ムソン政策官はまた、野党議員と労働界が大統領公約や国政課題に1800時間短縮が含まれているという事実を想起させたことについて「公約や国政課題は1800時間代になっている。ぴったり1800時間にしようということではない」と反論した。

このように政府の立場として、労働時間短縮延期、企業負担緩和を中心として提示されたことについて、野党議員は強く叱責した。

新政治連合の殷秀美(ウン・スミ)議員は「1週間が7日だということは、すべての市民が皆知っている。 1週間が5日だったことはない」とし「1週7日法によれば、現在わが国の勤労時間に関する法的範囲は年2600時間の範囲だが、雇用部がこれを混乱させている」と指摘した。

殷秀美議員は「雇用部が突然1週間は5日だという行政解釈をして、2600時間法を2700時間、その上2800時間法、さらに3000時間法と解釈される余地を作った」とし「雇用部がこうした行政解釈をしておきながら、裁判所が2600時間と判決して行政解釈を変えろと言ったので、雇用部は一言の謝罪もなく2700-2800時間法を国会に押しこんだ」と説明した。

殷秀美、「労働権と健康権を後退させる立法」

殷議員は「政府与党の案、あるいは経営界の案は、2700時間や2800時間法を作れという要求だ。最高裁の判例でも2600時間なのに、これをどう受け入れるのか」とし「実勤労時間を1800時間に減らそうという議論について、少なくとも短縮する法律を持ってこなければならない。少なくとも2300時間法、2400時間法、こういうのを持ってこなければならない」と要求した。

続いて「2700-2800時間の立法を受け入れるとすれば、これは韓国の労働立法の歴史で初めて国会が働く市民の労働権と生活圏、健康権を後退させる立法をするという宣言だ。労働の歴史の大事件だと思う」とし「裁判所の判例に立脚した1週間は7日だ。現行の2600時間から、一時間も延ばしてはならない」と批判した。

沈サンジョン、「過労死基準は発病12週間の間で1週間平均60時間なのに...」

正義党の沈(シム)サンジョン議員もイム・ムソン政策官に「延長勤労に休日勤労を入れることに同意すれば、以前の行政解釈が間違っていたことを認めるのか」と尋ねた。イム政策官は「行政解釈に関して問題になっていることは申し訳ない」が「ただし大法院判決が出ていない状態で、解釈方向の修正は慎重な検討が必要だ」と話した。

沈議員は続いて「労働時間基準が40時間だが、今の議論は52時間か60時間かで話をしている」とし「過労死基準が発病12週間の間で1週間平均60時間なのに、6か月の範囲内で60時間を許容しようというのは過労死を許容するということ」と非難した。

労使の合意で8時間延長勤労を許容する案についても「労組組織率が10%に過ぎない現実で、企業が延長をしようと言うのなら、労組がない所は拒否できない」と指摘した。

新政治連合の金炅侠(キム・ギョンヒョプ)議員は「1800時間に減らすと言っていた朴槿恵(パク・クネ)大統領の大統領選挙公約集には段階的な実施条件がなく、昨年6月の雇用率70%ロードマップにも延長勤労に休日勤労を入れるといっていた。ところが房河男(パン・ハナム)長官が今年2月に一方的な談話で段階的延期を発表した」とし「大統領公約の違反事項で、雇用率70%ロードマップからも完全に逸脱した内容で長官が一方的に談話を出すのは長官の越権なのか。青瓦台と労働部が合っていないのか」と批判した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created byStaff. Created on 2014-04-10 23:06:47 / Last modified on 2014-04-10 23:06:47 Copyright: Default