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集会を妨害した警察の逮捕を試みたクォン・ヨングク弁護士の拘束令状棄却

弁護士ら「集会統制で職権乱用した警察官の現行犯逮捕は適法」

キム・ヨンウク記者 2013.07.29 08:04

7月28日夜、ソウル市中区大漢門前で「警察による大漢門前(双竜車焼香所)集会統制の中止」を要求する集会をしている時に警察の集会妨害行為に抗議して逮捕されたクォン・ヨングク弁護士の拘束令状が棄却された。これにより大漢門双竜車焼香所前の集会とデモに対する警察の不法対応の議論はさらに高まりそうだ。

▲クォン・ヨングク弁護士連行翌日の27日、大漢門集会に約20人の弁護士が参加し、警察の不法を糾弾した。

民主弁護士会(民主社会のための弁護士の会)と労働界によれば、7月25日、南大門 警察署は、裁判所が適法性を確認した集会に200人ほどの兵力でポリスラインを 設置し、集会現場を取り囲んで通る市民からプラカードと横断幕を隠し、事実上 集会を遮断、封鎖した。これは警察の公務執行の不法性の議論に燃料を入れ 火をつけることになった。

「クォン弁護士、続く警察不法に対し、適法な自衛権を発動」

7月22日、ソウル行政法院が大漢門花壇前の集会を「公共の福利に重大な影響を 及ぼすと判断される根拠も資料もない」とし「南大門警察署は、本案訴訟の 判決があるまで、屋外集会制限通知処分の効力を停止する」と決めた。

裁判所の決定を受けたクォン・ヨングク弁護士と民主弁護士会労働委員会は、 24日から26日まで「集会統制のための花壇設置の違法性糾弾と集会の自由回復の ための市民講演ハンマダン」の集会申告を出し、24日に最初の集会を開いた。 しかしこの日の初の集会は、集会場所を占拠した警察兵力が撤収せず、集会が 中止になった。

集会二回目の25日の集会でも、集会参加者とクォン弁護士は警察に適法集会の 封鎖解除を要求し続けたが、警察は空間の保護を名目に退かなかった。

これに強く抗議したクォン弁護士は結局、現場指揮官のチェ・ソンヨン南大門署 警備課長が集会妨害を止めなかったため、集示法上の集会妨害現行犯として逮捕 を試みたが、逆にこの過程でクォン弁護士とリュ・ハギョン弁護士、パク・ソンシク 民主労総元副報道担当者が逮捕された。南大門署はクォン弁護士にだけに 特殊公務執行妨害致傷罪で拘束令状を申請した。

民主弁護士会は翌26日、南大門署署長と警備課長を集会妨害禁止と不法逮捕 監禁罪で検察に告訴し、すでに申告された三回目の大漢門集会に20人ほどの 弁護士が参加し、南大門署の不法行為を糾弾した。

特にチェ・ソンヨン警備課長は、大漢門焼香所前の集会に対し保安官役を自任 し「チェ・ソンヨンが大漢門では大統領」といわれるほど恣意的な法執行が 問題になってきた。

この日の集会で司会をした民主弁護士会のソン・ヨンソプ弁護士は「民主弁護士会 労働委は、合法の集会のためにすべての手段を講じた」とし「警察が集会を制約 しようとしたので裁判所による集会の正当性を確保し、国家人権委緊急救済申請 も受け取った。それなのに南大門署はまた警察兵力を投入して秩序維持線を置き、 合法な集会をしている弁護士と市民団体を動物園の猿のようにして市民と集会を 分離する行為をした」と指摘した。

ソン弁護士は「クォン弁護士はこれに抗議して秩序維持線を取り払い、適法な 自衛権を発動して、警備兵力の撤収を要求した」とし「集会の場所で参加者を 一般市民から隔離する目的で秩序維持線を使ってはいけない」と説明した。

集会で集示法(集会および示威に関する法律)の講演をしたイ・ホジュン西江大 法学専門大学院教授は、「チェ・ソンヨン警備課長は秩序維持のために、自分 たちが集会を制限すると表現し、裁判所の決定文の公共の福利とは違うと主張 したが、公共の福利は公共の安寧と秩序維持を含む概念だ。理屈にあった話を してほしい」とし「チェ・ソンヨン警備課長は、専門家が見れば話にもならな い論理を言い張り、対話が通じない。今も私たちの後の警察が立っている空間 は、私たちが集会をすることができる空間なのに、その空間を警察が侵奪して いる。集示法違反であり、集会妨害犯罪行為だ」と非難した。

イ・ホジュン教授は「警察は、クォン・ヨングク弁護士が公務執行妨害妨害を したと言ってしょっぴいたが、公務執行妨害は適法な公務執行の時にしか罪が 成立しない」とし「これは公務執行ではない。公権力が適法性の要件を備えない 場合、組織暴力団の暴力と何も違わない。だから正当な抵抗をした」と説明した。

イ・ホジュン教授は「集示法は、申告範囲を顕著に離脱する場合も公共の安寧 秩序に危険がもたらされた場合に限ってのみ制限できるようになっている」 とし「集会とは本来、とても流動的だ。申告した数よりとても多くの市民が 集まるかもしれない。市民が多くなって、集会場所に立っているとイエロー ライン(秩序維持線)を越えることもあるが、集示法はこれを不法とは規定して いない。それなのにチェ・ソンヨン課長は、イエローラインを越えれば無条件 に不法だという」と非難した。

チュ・ボンヒ民主労総副委員長は「龍山惨事の時、あれほど民衆と労働者を困 らせた人間がチェ・ソンヨン警備課長」とし「南大門署にきても双竜車焼香所 の撤去で一番先頭に立ち、民主主義を踏みにじっている」と非難した。

▲チェ・ソンヨン南大門署警備課長

「弁護士の実践活動まで拘束しようとする極端な抑圧社会なのか」

インターネットでも、警察の不法な集会遮断行為に非難が続いた。民主弁護士会 のイ・ドグ弁護士は、自分のFaceBookに「2人以上の人々が持つ共同の意思を不特定 多数の人々に知らせ、伝播するのが集会」とし「集会は動く表現の自由だが、 集会参加者と一般市民を遮断してしまえば集会になるか?」と指摘した。

イ・ドグ弁護士は「裁判所の決定を受け、適法に主催した集会を多くの警察力 を動員し、一般市民から遮断すれば、これは集会を妨害する行為」として、 「刑法上の職権乱用罪に該当する犯罪であり、現場で警察官を現行犯で逮捕し たのは極めて適法な行為」と説明した。

クォン・ヨングク弁護士の拘束令状実質審査に弁護人として参加したキム・ソ ンス弁護士は、自分のFaceBookに法廷で述べた意見を書き込んだ。キム・ソン ス弁護士は「すべての被疑事実はクォン・ヨングク弁護士が集会やデモに参加 し、発言したり主催したということ」とし「その集会やデモは不当に解雇され、 生存権のために長期闘争をしている労働者を支援したり、民生を無視して社会 の公共性を侵害する政策に反対する意志を表現したり、民主主義の基礎の集会・ デモの自由を含む表現の自由に対する公権力の侵害に抗議するもので、責任あ る民主市民なら当然参加すべき集会であり、また当然享受すべき基本権行使の 領域に属するものだ」と指摘した。

キム弁護士は「なぜ韓国社会はクォン・ヨングク弁護士の実践活動さえも包容 せず、監獄に閉じ込めようとするような極端な抑圧社会になってしまったのか」 とし「昨今の状況は、また維新の時期へ、野蛮の時代へと後退している様相で、 情報機関と警察が前に出ていることもそうだが、クォン・ヨングク弁護士への 令状請求はその象徴的な兆候だと言える」と強調した。

キム弁護士は「クォン・ヨングク弁護士への令状発布を決めるこの裁判は韓国 社会の民主主義と司法の水準を計る試金石になるだろう」とし「もしクォン・ ヨングク弁護士の令状が発行されたら、歴史は今日を韓国の民主主義と司法が 民主化以後、公式に死亡を宣告された日として記憶するだろうし、韓国社会を そんな社会でするのはあまりにも悲しい」と訴えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-07-29 19:41:23 / Last modified on 2013-07-29 19:41:23 Copyright: Default

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