ソウル弁護士会「双竜車整理解雇者は優先復職の対象」

「経営陣が希望退職者の優先復職を主張するのは、整理解雇者の優先復職を阻止する目的」

ソウル地方弁護士会が2009年8月6日の(株)双竜自動車労使合意書により整理解雇者を復職させる過程で、希望退職者と差別してはいけないという法律意見書を出し、注目されている。

ソウル地方弁護士会がこうした法律意見書を出したのは2013年に入ってからで、 双竜自動車と全国金属労組双竜車支部が無給休職者と整理解雇者の復職を議論 する過程で、会社は希望退職者を優先的に復職させるという立場を明らかにし、 当時、8.6労使合意書の解釈についての議論が発生したためだ。

昨年7月から「双竜車事態特別調査団」を設けて100日間調査をしたソウル地方 弁護士会は、今回の解釈をめぐる議論について大韓民国の法律と判例、8.6合意書 作成の過程などを検討し、双竜車が今後整理解雇の過程で退職または解雇された 勤労者のうち誰を優先的に復職させるべきかについての法律意見を伝えるために 意見書を作成した。

ソウル地方弁護士会は意見書で「8.6労使合意書は、77日間の占拠ストライキの 結果、労使が折衝的に合意して妥結したもので、その適用対象者は2009年8月6日 にすでに整理解雇された勤労者」とし「当時の勤労基準法は整理解雇者の優先 復職を明示していたが、整理解雇者について別途明示されず、自発的に退職を 決めた希望退職者を無給休職者の直後に記載したのは、希望退職申込書提出の 有無によって別扱いしないという意思があったことを十分に推測判断できる」 と解釈した。

弁護士会は「この合意書で書かれた希望退職は、通常の意味の希望退職でなく、 無給休職などと同じように勤労関係が維持される者を除く、すべての者を意味 すると解釈するのが妥当だ」とし「もしそのような解釈しなければ、退職書を 提出しなかった整理解雇者はこの合意書の作成で、何の利益も得られない結果 になるが、整理解雇そのものに反対して77日間の占拠ストライキをした双竜車 支部がそんな不合理な合意をしたと考えることはできない」と指摘した。

弁護士会はまた「このように解釈しなければ、8.6合意書は勤労基準法に違反す る」とし「大きな不利益を受けた者をさらに不利に処遇するのは憲法上の比例 の原則と公平の原則にも符合しない」と付け加えた。

続いて弁護士会は「双竜車経営陣の希望退職者優先復職の主張は、ほとんどが 金属労組所属の組合員である整理解雇者の優先復職を阻止する目的によるもの と判断される」とし「弁護士会特別調査団の調査の過程で経営陣は『整理解雇 労働者のうち復職闘争をした金属労組所属組合員は交渉のパートナーではない』 と言い続けた点などが主な論拠として上げられる」と明らかにした。

したがって弁護士会は「勤労基準法と労使合意書、合意の背景を総合して考慮 すれば、整理解雇勤労者のうち希望退職申込書を提出した者も『新規人員所要 発生時採用対象者』に含まれると見るのが妥当だ」と明らかにした。

一方、殷秀美(ウン・スミ)民主党議員は、ソウル地方弁護士会が送付した法律 意見書を直接インドのマヒンドラ社のパワン・コエンカ社長に送り、8.6合意書 による整理解雇者の優先復職を含む失職者全員の復職を強く要求する計画だ。

殷秀美民主党議員は「国政調査などの真相究明が政府と国会の責任だとすれば、 整理解雇者などの失職者の復職はマヒンドラと双竜自動車が約束を履行する責任 がある」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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