裁判所「竜山惨事負傷者、健康保険の対象ではない」

「国民保険公団保険給付返還処分は適法」

竜山惨事で負傷した被害者には国民健康保険公団が保険給付を支払わなくても 良いという裁判所の判決が出された。ソウル行政法院は3月6日、2009年の竜山 惨事の時に負傷したチョン某氏など3人が保険給付返還処分を取り消すことを求 め、国民健康保険公団を相手とする訴訟で原告敗訴を判決した。

ソウル行政法院は「原告の負傷を警察の公務執行せいにはできない」とし、 「原告に不当利得金を返還させた公団の処分は適法だった」と判決した。国民 健康保険法は、故意または重大な過失による犯罪行為で発生した負傷には保険 給付を制限すると規定している。裁判所は「座込者の極端な抵抗にも鎮圧方法 の適切性が維持されたと見られる」と判決した。

国民健康保険公団は昨年5月、「警察の正当な公務執行に対する犯罪行為が負傷 の主な原因だった」とし、支払われた保険給付334万9000ウォンの返還を要求し た。チョン氏など3人と竜山惨事真相究明委は、同年7月、行政訴訟で「警察の 鎮圧作戦による負傷を保険金制限の理由とは言えない」と主張したが敗訴した。

今回敗訴した3人の他にも惨事で重傷を負った2人にも国民健康保険公団が保険 金の返還を要求するものと見られる。これら2人の保険金返還について、国民健 康保険公団は「公式に決定していない」が「今回の裁判の結果と判決文を検討 して、重傷者2人に対する返還についても決める」と明らかにした。

竜山惨事真相究明委は同日、声明を通じて「被害者を加害者に変身させたばか りか、今では治療費まで返せという政府と、これを確定する裁判所の判決は、 幼稚という以上に、竜山に対する事後報復」と主張し「直ちに控訴する」意向 を明らかにした。

真相究明委は警察の指揮責任者はもちろん、警察は誰も起訴されずに、警察の 過剰鎮圧への裁判が一度も開かれなかった事実を指摘し「『警察鎮圧が正当だっ た』と判断したことは認められない」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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