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ソウル市ニュータウン新政策1年...相変わらず強制撤去

ニュータウン44個所解除の成果の反面、強制退去禁止対策は不十分

ソン・ジフン記者 2013.01.29 18:55

竜山惨事4周年を迎え、ソウル市のニュータウン-再開発政策がまた問題になっ ている。特に竜山惨事以後も良くならない強制退去と撤去に対する対策作りは 生ぬるいと指摘される。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は、昨年1月、 『ソウル市ニュータウン整備事業新政策構想』(以下 新政策)を発表し、大規模 な開発の論理と事業性だけを追って強引に進められるニュータウン再開発整備 事業を収拾し、共同体と住居権を中心とする都市再生政策に転換すると明らか にした。しかし、新政策の発表後もニュータウンと強引な開発による被害者の 事情は変わらない。

ソウル市議会の人中心ソウルフォーラムと土地公共性ネットワーク、竜山惨事 真相究明委員会は1月29日午後、ソウル市議会で『ソウル市ニュータウン再開発 政策評価討論会』を開き、再開発政策撤去被害者の証言を聴取し、政策代案を 樹立する討論を進めた。

討論会にはノンマ(屑物)共同体と北アヒョンニュータウン、鐘閣地下商店街、 霊廟1区域などニュータウン-再開発地域の撤去民が参加し、ニュータウン事業 と、それによる強制撤去の被害の状況を語った。北アヒョンニュータウン地域 撤去民のイ・ソニョン氏は「強制撤去後に関係公務員から一番よく聞いた言葉 は『法がないので仕方がない』、『私たちの所管ではない』という言葉」とし 「ソウル市の新政策1年を評価すれば零点」と述べた。彼は続いて「朴元淳市長 は、在任期間中に強制撤去はしないと話したが、最近も北アヒョン洞と塩里洞 で強制撤去が強行されている」と述べ「ソウル市が条例を作って解決の意志を 見せろ」と要求した。

ノンマ共同体のイ・オクタン氏も、ソウル市はまともな強制退去対策を出して いないと指摘した。イ・オクタン氏は「11月に強制退去させられた後、ソウル 市は一か月後に30万ウォンを冬期対策として支援しただけで、何の対策もない」 と指摘した。また、ソウル市資産管理チームがノンマ共同体の住民には耐えら れない金額の賃貸料を提示している事実に言及し、実質的な対策が至急だと知 らせた。

竜山惨事真相究明委員会のイ・ウォノ事務局長も、ソウル市の新政策が入居者 の再定着対策と強制退去/撤去禁止の対策など、社会的弱者に対する人権保障策 としては不十分だという指摘を提起した。イ・ウォノ局長は「新政策は社会的 弱者の権利を強化するために『住居権』を保障する条例を作り、入居者再定着 システムを構築して、悪天候・冬期の撤去禁止規定を用意すると言うが、相変 らず宣言的な水準に留まっている」と主張した。

実際に『冬期および悪天候退去禁止』の約束は、1990年の高建(コ・ゴン)元市 長の任期中にも宣言された。呉世勲(オ・セフン)前市長も2008年に「冬期には 強制退去をしない」と宣言した。しかしこうした約束にもかかわらず、呉世勲 前市長の任期だった2009年に竜山惨事が発生した。呉前市長は当時「強制退去 は法による合法的な手続き」とし、強制撤去の正当性を主張した。

イ・ウォノ事務局長は「今回の新政策でも、社会的弱者の人権保障の具体的な 実現計画と内容がなければ前任の市長と同じ『リップサービス』住居政策に留 まる」という憂慮を提起した。

住居権実現のための国民連合のユ・ヨンウ常任理事は「行政の支援および役割 を強化しなければならない」と指摘した。「再開発と強制退去の対策には基礎 地方自治体の公務員の行政処理が最も重要だが、現在のところ円滑にいってい ない」という指摘だ。実際にノンマ共同体は、ソウル市と江南区間の立場の差 が事態をさらに拡張している。

イ・ウォノ事務局長は、ソウル市が積極的な態度をとれと要請した。「ソウル 市が政治的に決断して、法制度の改正を先導すべき」だという。イ事務局長は 2002年にソウル市がニュータウン政策を施行した時、関連法案もない状態で、 上位法と摩擦を起こしながらも政策を押し通した事例に言及し「当時は住民を 殺す押し通しだったが、今は住民を救うための押し通しが必要だ」と話した。 強制退去/撤去を禁じる法制度はないが、ソウル市は法の制定に先導的な役割を 果たせという主張だ。

ソウル市庁を代表して討論会に参加したソウル市住居再生課のキム・スンウォ ン課長は「冬季に強制的に追い出される人が出ないように、市も努力を続けて いる」と明らかにした。キム課長は「強制退去を防ぐために協議体を構成して 毎週多くの人員を動員し、モニターしている」と話した。彼は「実際に冬季に 強制撤去が強行されたという知らせが前より減っている」と成果を打ち出した。

しかしキム・スンウォン課長は同時に「法制度が整っていないために発生する 限界」も認めた。彼は「国会で多くの議員が強制退去禁止法など、撤去に関連 する法案の立案に努力しているが、まだ制定されていない」とし「市民社会は もちろん、ソウル市も法制定に努力をしなければならない」と明らかにした。

討論会では、この他にもソウル市の新しい政策が集中する『ニュータウン出口 戦略』への全般的な評価が行われた。討論会の参加者は概して「ニュータウン 出口戦略の方向性には同意するが、実行の過程と実践力に生ぬるい部分がある」 と指摘した。

討論の問題提起をしたキム・チョロ弁護士は、「ニュータウン実態調査が推進 主体(組合)がない整備予定区域に偏っていて、一部の自治区がソウル市と違い 消極的だったり非協調的な態度を取っている」という問題を指摘した。

ユ・ヨンウ理事も「新政策の概念と哲学を市民に伝えて説得し、住民が自発的 に政策に参加させるようにする過程が必要だ」と話した。

キム・スンウォン課長は「新政策を始めてから266個所の現場を調査し、そのう ち44の区域のニュータウンを解除した」とし、新政策の成果を明らかにした。 キム・スンウォン課長は続いて「指摘された通り、埋没費用負担の問題で推進 主体がある現場の調査は不十分だったが、12月に市議会で条例を制定した後、 本格的に推進主体が存在する現場の実態調査に着手した」と話した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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