韓国:労働部の強引な宣伝、統計庁の資料で実態が暴露 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(報告) ・レイバーネットTV(12/11) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班 ・ブッククラブ(2025/1/11) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第97回(2024/12/10) ●〔週刊 本の発見〕第371回(2024/12/26) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/12/19) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第15回(2024/12/24) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第96回(2024/12/5) ●「美術館めぐり」第6回(2024/12/23) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
労働部の強引な宣伝、統計庁の資料で実態が暴露 「2004年雇用創出労使政社会協約」の惨めな結果が如実に表れた ユンテゴン記者peyo@inbo.net 労働部、「賃金の安定で雇用安定の雰囲気が広がる」報道資料配布 1月16日、労働部は「賃金の安定で雇用安定の雰囲気が広がる」と題した報道資料を発表した。この報道資料で労働部は △2004年平均協約賃金引上げ率は5.2%で、2000年以後最も低い賃金引上げ率 △事業場4か所中1か所が賃金削減または凍結 △高齢勤労者中心の賃金調整で雇用保障及び雇用創出を企図する‘賃金ピーク制’の導入事業場が増加 △年俸制・成果配分制導入事業場が増加した として、これを根拠に「勤労条件格差緩和と賃金安定の必要性に対する共感を広げることがある程度実を結んだ一年」と主張した。 労働部の主張、一日後に政府統計資料でひっくり返る しかし「賃金の安定で雇用安定の雰囲気が広がる」という労働部の主張と正反対の統計資料が17日に出された。 統計庁によれば、1年未満の転職失業者(過去に就職経験があり仕事を止めて1年未満の失業者)数が2004年に月平均63万1千人で、2003年の58万9千人より4万2千人、7.1%増加したという。 これは賃金凍結または削減(労働部表現では賃金安定)が雇用安定の雰囲気を広げたという労働部の主張を正面からひっくり返すものだ。 労働部は、大企業の組織事業場を中心に前年対比賃金引上げ率の下落幅が大きく、賃金凍結と削減比率が増え、金融界・言論界などを中心に賃金調整を通して中高齢者雇用安定を図る賃金ピーク制を導入する企業が広がるなど、社会全体的に賃金が安定したと発表した。 また、これを経営難克服に賛同し賃金安定による雇用創出、経営難克服の努力増大と解釈した。 しかし統計庁は休廃業・名誉退職・整理解雇・経営悪化による失職者が前年比で11.3%多い22万7千人で、このうち名誉退職、整理解雇、早期退職に該当する失職者は前年比で10.7%増え3万1千人だと明かした。 賃金増加率鈍化と雇用不安は正比例 結局、賃金増加率の鈍化、凍結、削減などと雇用不安は共に増えていると解釈できる。 また、名誉退職、整理解雇、経営悪化等の名目による雇用不安加重が組織労働者にも大きな圧力として作用し、賃金増加率を鈍化させたことをうかがわせる部分だ。 また労働部は賃金ピーク制の導入努力が、公共、金融、言論界などに持続的に拡散し、高齢勤労者中心の賃金調整で雇用保障と雇用創出を図ったと主張したが、50代の転職失業者(過去に就職経験があって仕事を放棄して1年未満の失業者)は、2003年の5万6千人に比べて12.5%、7千人多い6万3千人を記録して、60歳以上の転職失業者数も前年比で25%急増しているという統計が明らかになった。 結局、賃金引上げ幅が大きく下がり、賃金凍結・削減事業場も増えたという事実を除けば、労働部の説明は一つも噛み合う部分がないわけだ。 2004年の新規雇用、質も大きく悪化 この外に2004年間に創出された雇用の質も非常に劣悪だと表れた。 景気の悪化で中壮年の女性と老年層が大挙して労働市場に進出したが、彼られらに与えられる雇用は低賃金、非正規職であることがわかり、新規就業者中、一時休職者と週35時間以下の労働に従事する就業者が18万人で、全体就業者増加数41万8千人の43%に達した。 2004年女性就業者数は936万4千人で、前年比で25万6千人増え、就業者全体の増加分の41万8千人の61.2%を占めた。 女性の社会参加が活発になっていると見られる部分だが、中を見れば実像は全く違う。 まず、女性就業者全体の増加分のうち75%にあたる19万2千人が30代から50代に集中している。 雇用の質としては飲食、宿泊業種で7万6千人を新規採用し、そのうち何と95%近くを女性で満たした。 また、看病人、理容美容、銭湯などの個人サービス業新規就業者17万4千人の中でも女性が13万1千人に達した。 結局、女性の雇用は25万6千件増加したとはいえ、そのうち20万7千件、81%が飲食業、宿泊業、個人サービス業など、法の保護が受け難い低賃金の雇用というわけだ。 65歳以上の雇用が増えたことも特記するに値する。 2003年の65歳以上の就業者数が114万1千人であったのに比べて、2004年には124万3千人で8.9%、10万2千人増加した。 韓国の社会で65歳以上の新規就業者が普通どんな雇用先を得られるのかは言うまでもない。 「雇用なき成長」ではなく「成長なき雇用」の中身は 雇用の質がどうであれ、2004年に韓国社会全体の雇用数は2255万7千で、2003年の2213万9千と比べて41万8千増えたと集計された。 これは当初、政府が目標にしていた40万を上回る数字だ。 しかしこの中で職業別に見れば、単純労務職の数字が12万増加し、年齢で見ると65歳以上の数字が10万2千増加している。 また飲食業、宿泊業の場合、売上げが急落しているのにもかかわらず、むしろ雇用は増加している。 「雇用なき成長」という言葉が流行しているが、飲食業、宿泊業種は「成長なき雇用」が発生したわけだ。 これは、急増した失業者がやむを得ず食堂等の零細自営業創業に大挙追いやられているという現実がそのまま表れている部分だ。 労使政協約の結果が赤裸々に表れて 労働部は「賃金の安定で雇用安定の雰囲気が広がる」という報道資料を発表して、2004年の年初に締結した労使政「雇用創出社会協約」で勤労条件の格差緩和と賃金安定の必要性に対する共感の拡散を持たらし、ある程度の実を結んだと主張した。 韓国労総、経済人総連、労働部、労使政委が昨年2月締結したこの協約は、企業は投資拡大により雇用を創出し、人為的な雇用調整を自制して社会的責任と役割を尽くし、労組は生産性向上に積極的に協力して今後2年間の賃金安定に協力し、政府は雇用創出を政府政策の最優先課題として設定するという内容が含まれた。 98年の外国為替危機克服のための協約締結以後初めての、雇用創出のための協約としては初めて締結されたと、去る415総選挙前に騒然と宣伝されたこの協約が締結されてから一年になる。 そして労働部は去る16日、この協約により「賃金安定」がなされ、雇用安定に寄与したという報道資料を提出した。 しかし、昨年、41万6千の雇用が生まれたにもかかわらず、失職者数を見せる転職失業者数は急増し、生まれた雇用は零細自営業、非正規職などで満たされている。 一方、民主労総は、14日に中央委員会を開いた。 この日、民主労総中央委員会は中央執行委員会が去る7日に確認した「2月労使政代表者会議を再開-3月まで新しい社会的交渉枠組確定」という「社会的交渉」の再開日程を代議員大会案件として上程した。 民主労総代議員大会は、20日から21日まで俗離山ユースタウンで開かれる予定だ。 2005年01月17日14:05:45 翻訳/文責:安田(ゆ) Created byStaff. Created on 2005-01-19 02:36:38 / Last modified on 2005-09-05 05:15:50 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |