本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:牙山センターの衝突に過剰鎮圧の議論
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1396374118512St...
Status: published
View


サムスンサービス牙山センターの衝突に過剰鎮圧の議論

警察「正当な公務執行」…法曹界「警察は中立を抜け出して、過度な対応」

チョン・ジェウン記者 2014.04.01 15:58

サムスン電子サービスの忠南牙山センターの前で3月31日、警察兵力と労働者が衝突したことをめぐり、警察の「過剰鎮圧」の論議がおきている。 労働界と法曹界は、警察の対応が強すぎたと叱責する反面、警察側は「正当な公務執行」だと対抗した。

この日、牙山センターが廃業したことで、全国金属労組忠南支部とサムスン電子サービス支会大田忠清圏(西大田・瑞山・牙山・天安・洪城)分会、忠南地域労働界は廃業の撤回を要求する集会を開いた。 利川、海雲台などで続いたセンター廃業について労組は「サムスン電子サービスが労組を弾圧するための偽装廃業」だと主張している。

忠南地方警察庁所属の約300人の警察兵力と労働者間での衝突は、この日の午後6時30分頃に牙山センターの前で発生した。 労組は牙山センターの入口から左側に離れた駐車場の空地にテントを設置しようとした。 警察はカプサイシンスプレーを乱射して、これを阻止した。 テントの設置場所で起きた衝突はあちこちに広がった。 サムスン電子の製品販売場が併設されている牙山センターは、ビルの規模が1千坪に達する。

[出処:メディア忠清]

労組の関係者は「労組の司会者がテントを設置する前にマイクで『衝突は望んでおらず、平和にテント(1棟)を設置する』と二回、警察に伝えた」とし 「だが警察は予防の次元であらかじめ警告放送もしなかった」と話した。

小競合いになり、16人の労働者が公務執行妨害で牙山警察署に連行された。 警察の関係者は「サムスンが警察に施設保護を要請し、テントを設置する空間は集会が申告された歩道ではなくサムスンの私有地なので、テントの設置を防いだ」とし 「押してきた人を現行犯で逮捕した」と明らかにした。

法曹界はこれに関して、警察の過剰鎮圧だと批判した。 民主弁護士会のクォン・ヨングク弁護士は 「警察は事前予防のための何の措置も取らなかった」とし 「駐車場の空地にテントを設置することが、果たして公共の秩序を顕著に侵害することなのか問いたい」と批判した。

クォン弁護士は「サムスン電子サービス牙山センターが廃業し、労働者が解雇されるなどの労使紛争がある状態で、警察はできるだけ直接介入せず、最低の秩序維持・調整をすべきだ」とし 「その意味で警察は中立的な立場を自ら傷つけ、警察職務執行法を守らなかった」と明らかにした。

警察官職務執行法6条によれば、警察官は 「犯罪行為が目前で行われようとしていることが認められる時、予防のために関係者に必要な警告」をして、 「人命・身体に危害を与えたり財産に重大な損害を与えるおそれがあり、緊急を要する場合にはその行為を制止」できる。

そのため法曹界は、警察が「予防措置」を取っていない点を強調した。 また労働者たちのテント設置行為が果たして人命・身体に危害を与え、財産に重大な損害を与える行為なのかも確かめるべきだと主張した。

クォン・ヨングク弁護士は「もし労働者が法に違反したとしても、警察は救済手続きも取らなかった」とし 「警察が公務執行の過程で先に職権乱用をしたとすれば、労働者を不法逮捕したことになる」と話した。

別の弁護士は「労組がサムスン電子製品販売場でもなく、駐車場にテントを設置しようとし、警察が設置した秩序維持線を侵したわけでもなかった」とし 「テントがあると見苦しいという理由で過剰鎮圧したとしか思えない」と批判した。

また警察が逮捕の過程でミランダ原則を告知したのかという点が議論になっている。 大法院はミランダ原則を無視した逮捕は正当な公務執行ではないと判決している。

警察の関係者は「警察は逮捕の過程と逮捕後など、現場でミランダを告知した」とし 「関連資料もある」と明らかにした。 続いて「現場にいた警察は義務警察ではなく、集会デモに専門的に通い、状況をよく知っている警察機動隊」と強調した。

だが労働者の主張は違う。 労組の関係者と弁護士などは「警察がミランダ告知なく労働者を連行したり、公務執行妨害ではない集示法違反と逮捕の理由を間違って告げるなどして原則を破った」と話した。

[出処:メディア忠清]

[出処:メディア忠清]

警察が労働者を逮捕するにあたり、 現場で手錠をかけたことで人権侵害の議論も起きている。

金属法律院のチョ・ヒョンジュ弁護士は 「手錠・捕縄などの警察戒具は自害・逃走の憂慮などの緊迫した場合に使用できるが、こうした情況は見られない」とし 「また連行者が警察署に移動した後も手錠を解かず、一時間ほどかけ続けたのは警察の過度な行動だ」と指摘した。

クォン・ヨングク弁護士は「警察の戒具使用基準を逸脱し、 身体の自由を侵害する行動」と主張した。

サムスン電子サービス技師のA氏は 「警察は顔を狙ってカプサイシンスプレーを乱射して、無差別に連行した。 通りかかった牙山市民も警察の対応に驚いている様子だった」とし 「会社が廃業し、解雇されて労組弾圧に苦しめられるだけでも足りず、警察まで過剰対応するのから非正常社会に生きているようだ」と吐露した。

一方、連行された労働者16人は31日夜、天安警察署の留置場に収監された。 サムスン電子サービスセンターの労働者たちは4月1日午前9時から牙山センターの前で 「偽装廃業撤回」、「連行者釈放」などを要求して連座座り込み、宣伝戦などを続けている。

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。この記事はメディア忠清にも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-04-02 02:41:58 / Last modified on 2014-04-02 02:41:58 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について