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アジアに行ったサムスン...「職業病」被害、「低賃金搾取」を再現

中では穴が空いたひょうたん、外でも…職業病死亡と20歳未満の労働搾取が深刻

ユン・ジヨン記者 2014.03.26 12:39

アジアに進出したサムスンが、労働者に低賃金長時間労働を強要し、雇用形態を活用してコスト削減を試み、労働者搾取の構造が深刻になっているという批判が提起されている。 その上、国内で問題になったサムスン職業病被害とガス漏出事故などの労働安全問題もそのまま再現されていることが明らかになった。

金属労組労働研究院は3月26日、「サムスンのアジア生産工場の実態と特性」というイシュー・ペーパーを発行し、 インドネシアとインド、ベトナム、タイ、マレーシア地域のサムスン労働者の実態を分析した。 イシュー・ペーパーは昨年、アジア労働情報センターが発行した「先端電子産業における労働権」の報告書を基盤として作成された。

サムスン、アジアでも「低賃金、高強度、長時間」労働を強要
20歳未満の「見習生」を育てて「低賃金労働」を続ける

サムスンは世界の37箇所の生産拠点のうち21箇所をアジア地域に集中している。 中国には4万5660人がサムスン生産工場で働いており、西南アジアには1万5066人、東南アジアには4万1358人が各々雇用されている。 サムスン電子の雇用人員全体の43.3%がアジア地域に集まっている構造だ。

アジア地域のサムスン工場ではLEDとLCD TV、携帯電話、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの電子製品と家電製品を生産している。 組み立てのような労働集約的な工程で最終製品を製造し、ほとんどを輸出する形だ。

▲インドネシアの労働者たちが不安定労働を強要する派遣制改善を要求してデモをした。 インドネシアのサムスン電子は労働者多数を派遣制で雇用している。[出処:http://www.thejakartaglobe.com/画面キャプチャー]

金属労組労働研究院のイ・ユミ客員研究委員は 「アジア地域のサムスン工場のほとんどは、契約の形態によって賃金と福祉に差別をつけて、労働費用を節減する試みが共通して発見された」と説明した。 工場には正規職と契約職、派遣職、見習生などの多様な雇用形態が存在し、そのうち契約職と派遣職は移住労働者が多数を占めていた。

インドネシアのサムスン工場の2800人の労働者のうち約70%が移住労働者で、このうち約1600人がアウトソーシングか契約職だ。 マレーシアのサムスン工場の1200人の労働者の70%に当たる単純作業者も移住労働者だ。 イ・ユミ客員研究委員は「アウトソーシング、契約職労働者は正規職と較べ、賃金と食事手当てで差別を受けている」と説明した。

見習生制度を悪用し、20歳未満の労働者に低賃金、長時間労働を強要してコスト削減を試みるケースも多い。 インドのサムスン携帯電話工場組み立てラインで働く2500〜3000人の労働者の半分以上は見習生で、彼らは1年間工場で働く。 見習生が契約満了で工場をやめると、同じ規模の見習生が工場に入る。

イ・ユミ研究委員は「見習生は一日に8時間働いて、超過勤務をしても1か月に30ドルしか受け取れない」とし 「彼らはサムスン職員が運営する職業学校に入った17歳〜19歳の学生で、見習生制度はサムスンに安定的に熟練したアウトソーシング労働者と派遣職を供給する役割を果たす」と明らかにした。

サムスン工場の労働者は低い基本給により、長時間の高強度労働に苦しんでいる。 サムスンのインド工場見習生の基本給は5600ルピーで、日本円換算で10万円にも満たない。 その代わりに見習生は時間当り40〜50ルピーの手当てで賃金の総額を高める。 見習生の賃金総額は約7000〜8000ルピー(12〜14万円)程度なので、最大一日12時間の長時間労働に追いやられている。

また会社は生産目標量を設定し、労働者に高強度労働を強要することもある。 インドネシアのサムスン工場では、生産単位当たりの各労働者の生産性を評価する機械が導入された。 イ・ユミ研究委員は「2011年には12人の生産組が包装まで、各8時間に4000個のブルーレイを生産しなければならなかった」とし 「インドのサムスン工場組み立て工程も、製品当たりの所用時間が固定され、生産目標量を達成する方式なので、労働者へのインタビューによれば携帯電話の組み立てラインで3.5秒〜4秒に一単位を製作しなければならない水準」と説明した。

国内のサムスン半導体職業病と似た職業病も発生

その上、インドネシアでは韓国内のサムスン半導体職業病被害と類似の事例が発生し、 インドではLPGガスの漏出事故も起きた。

2010年から3年間、インドネシアのサムスン工場のPCBプラーク洗浄区域で、液体アルコールと接触した労働者3人が肺炎で死亡する事件が発生した。 死亡した3人の労働者たちは、PCBプラーク洗浄区域で平均10年間働いていたことが分かった。

イ・ユミ研究委員は 「彼らにはゴム手袋と布のマスクだけしかなく、液体アルコールを避ける特別な装備は提供されていない」とし 「その区域の多くの労働者がめまいや胸焼けを訴えていて、目が痛む症状を持っている」と説明した。

インドのサムスン工場の労働者も持続的に電離放射線に露出し、相当数の労働者が毎日診療所を訪問し、頭痛と発熱、筋肉痛を訴えていた。 2009年11月の夜、インドのノイダにあるサムスン洗濯機組み立て工場でLPGガスが漏出し、69人の労働者が病院に運ばれた。

サムスンはアジアでも韓国内と同様に下請企業に対して納品単価引き下げ競争を誘導している。 無労組方針と労組弾圧も、韓国内の「無労組」戦略と似ている。

イ・ユミ研究委員は 「サムスンは、アジアでも複数の下請企業に同じ部品を納品させ、単価引き下げ競争を誘導し、下請企業労働者の低賃金と雇用不安を招いていると見られる」とし 「また、サムスンは韓国内と同じようにアジアのサムスン工場と下請企業に無労組方針を貫徹させようとしており、労組の設立を弾圧している」と明らかにした。

実際に2012年、インドネシアのサムスン工場のアウトソーシング、契約職労働者200人は、労組を結成した後にインドネシア金属労働者連盟に加入したが、サムスンの労組脱退工場で長く続かなかった。 同年11月には金属労働者連盟がサムスン工場を占拠したが、数百人の暴力団が動員され、警察が放水車と催涙ガスを動員してデモ隊を解散させた。 サムスン下請企業もサムスンの影響力によって労組が弾圧されているという。

イ・ユミ研究委員は 「サムスンの国内外の搾取戦略は、物量と工場移転を武器として国内外の労働者を威嚇し、分裂させて維持されている」とし 「したがって、国内の電子産業組織化、特にサムスンやサムスン下請企業の労働者組織化は、初期段階から国際連帯の観点を堅持しなければならない」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-03-28 03:01:22 / Last modified on 2014-03-28 03:01:23 Copyright: Default

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