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絶え間ない競争と評価で教育市場を踊らせろ![連続寄稿-売られる公共部門](6) MB政府至上課題は教育の市場化
ナヨン(入試廃止大学平準化国民運動本部事務局長)/
2008年09月08日11時44分
世界的な投資企業メリルリンチは2002年に「これから10年以内にすべての教育 が市場化されるだろう」と予言した。そして予言の期間をわずか4、5年前にし て、2008年現在、大韓民国はその『期待がみなぎる予言』の実現のために誠実 に努力している。 市場のための競争 9月7日、韓国銀行の国民所得統計によれば、上半期教育費支出額が15兆339億ウォ ンで、昨年に比べて9.1%も上昇したことが明らかになった。一方8月19日にソ ウル市教育庁が『特性化中学校指定計画』を発表し、26日には教育科学技術部 が全国82の寄宿型公立学校を選定し、証券市場では連日教育株への期待が高まっ ている。 CJ投資証券のパク・ジョンデ研究員は8月29日付『イトゥデイ』で「政府の高校 多様化政策が一段落する2012年になれば、既存の科学高校と外国語高を含み、 特別目的高校は約310校になり、入学定員は約8万3700人(全体学生数の20%)に達 するだろう」とし「全国の約5%(約2万人)程度を国内最上位圏大学入学定員だと 仮定すると、これは過度に高い水準で、結局これらの高等学校入学が上位圏大 学進学の基本的なコースと認識される可能性が高く、これに伴い中等部の特別 目的高校入試市場は現在の3倍以上に拡大する可能性が高い」と述べた。 結局そのような『貴族コース』を選択できる中上位階層を対象にした私教育市 場が少し厚い利益を得られるということだ。MB政府の『優秀性教育』とはまさ に『市場の優秀性』のための政策と違わない。 上半期『狂牛』とともにキャンドル集会の主な話題になった『狂教育』の実体 は、まさにこういうものだ。『0時間目、優劣クラス』、一斉試験、英語没入教 育などは、正確に言うと『MB式狂教育』の本当の実体ではない。0時間目、優劣 クラスは目新しいことはなく、これまで厳格に存在してきたことであり、英語 没入教育も以前の政府から暇さえあれば主張されてきた。ではなぜこれらが新 らしい深刻な問題として近寄ってくるのか。私たちが注目すべきことはまさに その点だ。今重要なことは『状況』ではなくその状況を意図的に誘発する人々 の『本当に目的』とその目的の『危険』に関するものだからだ。 周知のように、その『本当に目的』は、この10余年間続いた『教育市場化』を 完成させるところにある。『学校自由化3段階方案』は、政府中央部署の規制と 関連の権限を地方教育庁に大幅に委譲し、地域間競争により差別支援をするこ とが目的だ。したがって2段階まで進められた現規制の全面廃棄と地域教育庁次 元の『自律的規制用意』、学校設立および運営と教員任用に関する権限委譲な どはすべて上のような目的で進められたことと見られる。 もちろん『高校多様化300プロジェクト』もこうした目的の『学校自由化3段階 方案』を基盤にさらに力を得るだろう。地域教育庁に学校の設立と運営、規制 に関する権限を委譲することで、地域での『自立型私立高』、『寄宿型公立学 校』設立を自由化し地域間競争を誘導することができるためだ。 これに合わせて『教育関連機関の情報公開に関する特例法』(いわゆる『学校情 報公開法』)と『学校選択制』、『大学入試自由化』まで実施する。政府は自然 に地域-学校-教師-学生につながる『競争』と『評価』体系を完成し、これによ る政府支援の『選択』と『排除』、教育市場拡大の道を開きつつあるのだ。 MB式『教育市場化』が引き起こす韓国教育の未来 こうした政策構図は地域間差別支援、学校評価による学校間差別支援等により、 これから高所得層を対象にした入試名門高級私立学校と少数の『選ばれた人々』 のための『寄宿型公立学校』(もちろんこれも庶民家庭の子供にはらくだが針の 穴を通るより難しいことになるだろう)と、政府の支援から『排除』ないしは 『退出』させられる貧しい一般学校とで学校構図を二極化させる。 ここに『大学入試自由化』が高まれば、大学の学生選抜基準さえ自然に高級私 立学校や特性化高校の水準に合わせることで、小中等教育から高等教育に至る まで、絶対的に高所得層に有利な教育環境を完成することになるのだ。もちろ ん、こうした状況になれば金持ちの家庭の子供たちを最大限かき集めて、金儲 けしようとする私学財団と済州島に入る外国の営利学校財団、そしてこれから あふれる途方もない需要に幸せな悲鳴をあげる私教育市場が日ごとに繁盛する ことは二言の余地もない。 2005年オフラ・ウィンフリーショーではすでにかなり以前からこのような状況 が現実になった米国の教育現場を赤裸々に見せた。最高級私立学校では病院に 次ぐ施設の養護室とウレタンを敷いた最高級体育施設を備え、ペンとノートが ほとんど不要なほど学生個人別のコンピュータで授業をする。学生は学校側が 雇った最高水準の教師から多様な教育方式で最高級の授業を受ける。 反面、政府の支援水準が悪い公立学校では相変らず石炭で暖房し、学級当たり の学生数は70人を越え、机と椅子が足りない状況だ。学生たちが授業をするす ぐ上に講堂があって、地下には音楽室があって、学生たちは授業に集中するこ とも難しい。学校では病気になってもきちんと治療を受けることが難しく、学 生の授業参加率は非常に低い。当然この学校には黒人とヒスパニックをはじめ とする米国の低所得層の学生が通っている。 その中でも教師たちの助けで熱心に勉強する学生もいるが、いくら勉強ができ てもすでに私立学校の学生の水準に合わせた入試のために大学入学にも深刻な 困難を経験するほかはない。そしてこのような教育の結果として米国は『OECD 国際学業達成度比較評価(PISA)』でいつも中下位圏から抜け出せずにいる。ま さにこれが近付いている韓国教育の未来だ。 『競争より協同』、『評価より過程』、『利益より人間』を 『競争』、『評価』、『序列化』。この三つの単語がまるで呪いのように韓国 の教育を集団的な狂気の状態に追い込んでいる。誰のための、何のための競争 なのかを認識する余裕さえ持てないまま、笛吹き男についていき、大韓民国の 学生の無限の創造力と感受性はどこかに消え、人権は断崖に落ちている。大学 生は登録料が払えず首を吊り、小中高生は競争に疲れてアパートの屋上から飛 び降りる。そう言おうと言うまいと、他方の人たちはその残忍な競争の代価を 自身の金庫にきちんと積み上げている。 PISA 1位をのがさないフィンランド教育の秘訣は『政府の差別ない十分な財政 支援』と『正解より創造力』、『競争より協同』、『評価より過程』、『一人 の数学エリートより九人の多様な才能』を強調する彼らの教育哲学にあること を知るべきだ。『上位1%の金持ちと教育を利益創出の手段にするだけの教育政 策』には未来がない。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2008-09-11 10:23:32 / Last modified on 2008-09-11 10:23:32 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |