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また押し寄せる災害、水私有化

[寄稿]水資源公社への民間委託は民営化ではない?(1)

イム・ボッキュン(全国公務員労組) 2010.11.04 08:15

10月13日、大統領、国務総理など、現政権の主要人物が参加する第9次緑色成長 委員会が開かれ『水産業育成戦略』が発表された。これに先立ち水資源公社は、 大川のハンファリゾートで忠清南道および環境部、忠南12市郡の上水道関係者 を集めて『忠南西部権地方上水道統合運営ワークショップ』を開催した。

中央政府は緑色成長という美名の下に、人権と生命の水を私有化する長期戦略 を発表し、財政的な圧力で地方自治体を民間委託に追いやっており、水資源公 社は市郡の上水道関係者を集めて『水公社は民間企業ではなく公企業だから、 民営化ではない』と主張する。

また、各地方自治体は、統合委託の動きを早めているが、ワークショップ資料 にも水公社の説明どこにも民営化の計画はないとし、財政が劣悪な地方自治体 の初期財政負担を水公社が負い、20-30年分割で回収するので、むしろ地方自治 体と地域民に利益になる民間委託だと強弁している。

だが、政府の『水産業育成戦略推進計画と地方上水道運営効率化事業推進計画』 を較べると、推進日程上統合管理が完了する時点の21年以後に専門企業に育成 し、海外に進出するという民営化戦略を明確にしている。

政府では報道資料で、地方上水道の統合運営を世界的な水企業を育成する土台 を構築すると明示している。またあつかましくも、民営化の議論を静めるため に、民間企業の直接的な参加ではなくコンソーシアム方式などで、運営経験を 蓄積できるようにすると報道資料に明示するなど、国民への露骨な詐欺をして おり、運営管理は長期的に民間に委譲する意志をはっきり表現している。

水公社に統合委託を推進している忠南のある郡の『地方上水道統合委託運営』 計画では『海外多国籍水企業国内進出に対応水道産業競争力確保-〉国内企業の 育成と海外水市場進出(国富創出)』と、統合委託の目的と政府の意図を具体的 に明示している。

これと共に、中央政府と水資源公社、地方自治体の上水道関連資料には、統合 委託が民営化に移行する中間過程だとはっきり書かれているのに、国民には上 水道の民営化推進ではないと主張するのは、国民的な抵抗を避ける稚拙で低級 な猫だましのような国民への詐欺だと証明している。また、国民の生命を担保 に世界的な『水企業』を育成するという企業家的発想を、公共の行政を担当す る国家や地方政府の政策として押し通しているのだ。

地方上水道民間委託の真実は?

地方上水道運営効率化事業の推進計画によれば、運営管理機能だけを統合する 単純運営統合方式で、個別の地方自治体は統合委託しても水道事業者の地位を 維持し、水道施設の所有権と料金決定権限はそのまま維持されるという。また、 一般行政、施設改善および漏水率向上計画、運転勤務などを統合センターで行 うことで、原価を節減でき、その効果を各地方自治体に配分するので財政状態 が悪い地方自治体は、別途の料金引上げや予算の投資なく地方上水道を効率化 し、安定して水を供給できるようにすると主張する。

だが、すでに民間委託を実施した論山市の事例を調べれば、運営代価の算定時 に市中定期預金金利の1.5倍の6-7%の投資保守率を適用することで、委託初年度 の2004年には33億3千万ウォンだった委託費が2010年には93億9千万ウォンに増 え、2004年より281%上がった。水道料金も2003年には709ウォン/立方Mだった が、2010年には883.45ウォン/立方Mに値上げされた。

これは実施協約書に明示されている物価上昇率の反映について、論山市と水公 社が文言の解釈が食い違い争っているが、物価上昇率を反映しない結果なので、 物価が5%上がるたびに複利で運営代価に反映するという水公社側の主張のとお りに決定すれば、論山市は水公社に年平均60億ウォンを追加で支払うことにな り、現在より水道料金を4〜5倍に上げなければ運営できなくなる。

論山市との争いの後、民間委託を中断した『扶余郡上水道民間委託妥当性用役 結果』では、水公社は地方自治体との争いを避けるために物価上昇率が3%を越 えるたびに毎年物価上昇率を反映すると明示している。したがって『地方上水 道運営効率化事業』推進計画に記載されている推定委託単価は、2010年1月を基 準として不変の価格なので、物価上昇率を反映して算定した実質運営代価は、 推進計画で提示した金額よりはるかに多くならざるをえない。

妥当性用役結果や実施協約書に明示された運営代価は、委託年度を基準にした 不変価格なので実質運営代価よりはるかに低く現れるが、上水道民営化に血眼 になっている水公社と地方自治体関係者は数字のトリックで地方議員、地域民 を欺瞞している。また全国初の民間委託を実施した論山市と違い、その後民間 委託実施協約を締結したり推進中の地方自治体は、物価上昇率が3%以上になれ ば運営代価に反映させる。年平均3.2%の物価上昇率を考慮すると、他の自治体 は2年に一度ではなく毎年運営代価が上がることになる。

だから2年に一度の値上げ要因が発生する論山市より、毎年値上げ要因が発生す る他の自治体の実質運営代価のほうが高くなる。論山市は実施協約に『最初の』 という単語が入っているので、物価上昇率が5%以上になれば一度だけ運営代価 を上げると主張して争っているが、他の地方自治体はそうした主張をする根拠 もなく、物価上昇率3%以上になれば運営代価を上げなければならず、毎年追加 で数十億ウォンを水公社に支払わなければならない。これは、民間委託をせず 水公社に支払う追加費用だけで、上水道施設改善に投資するといっても自主的 に漏水率を改善し、原価を削減してこれによる利益を水公社ではなく地域民の ために使用できるということだ。

推進計画によれば、新規設備投資は地方自治体の担当で、論山市は2003年の送 配水管延長が200kmで、2009年の330kmから6年間で130kmを新規に埋設した。地 方自治体の予算で基盤施設を設置し、新規の拡張で発生する利益は水公社が持っ ていくという矛盾が発生するばかりか、新規の管路埋設で自動的に漏水率が改 善し、受託機関の水公社は何の投資もせず追加利益を持っていくことになる。

『地方上水道運営効率化事業』の推進計画で明らかにした統合委託による原価 低減内容を見ると、青陽郡は生産原価が自体運営時2082ウォン/立方M、個別委 託時1770ウォン/立方M、統合委託時1703ウォン/立方Mに節減できるとされてい る。自体運営より個別委託、個別委託より統合委託のほうが原価が節約でき、 効率を高められると主張しているのだ。このような主張は正しくもあり、間違っ てもいる。

独自で運営する時より個別委託時生産原価を節約できるというのは、独自の取 水・浄水場の閉鎖による損失費用、追加される源・水道水購入費用、物価上昇 率適用・投資保守率など実質運営代価値上げ費用が計算されていないからだ。 水道水を生産する原価、つまり水公社が水を生産する時の基礎費用は減る。

だが、地方自治体が負担する費用は、水道水生産原価に前で示した付帯費用を 追加しなければならず、総括原価は上がる。簡単に言えば、水資源公社は民間 委託を拡大するほど生産原価を節約でき、営業利益を増やせるが、個別の地方 自治体は水公社の利益も保障しなければならず、むしろ費用が増加するという ことだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-11-05 08:42:12 / Last modified on 2018-11-09 03:04:52 Copyright: Default

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