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誰のための空港民営化か

[インタビュー]韓国空港公社労組清州支部イ・チュンヒョ支部長

メディア忠清 www.cmedia.or.kr / 2008年09月03日12時43分

8月25日、政府は仁川国際空港公社の政府持分49%を外国系の専門経営会社に売 却し、国内の3個所の空港を民間に売却するという第二次公企業先進化方案を発 表した。また、民営化対象はまだ未定で、専門家の諮問、討論会などの後、経 営権売却対象の空港を選定すると発表した。

しかし現在、民営化1順位として清州空港と済州空港がうわさされてい。そのた め9月1日から韓国空港公社労組清州支部は、清州空港内で清州空港民営化を防 ぐ闘争を進めている。

これに関して韓国空港公社労組清州支部のイ・チュンヒョ支部長は、「政府は 空港を売却して金を稼ぐことに懸命になっており、公共性には関心もない。果 たして誰のために空港を売り払うのか」と叱責した。

「清州空港民営化、料金値上げは火を見るように明らかな結果」

清州空港が民営化1順位に選ばれていることについてイ・チュンヒョ支部長は、 「清州空港が投資メリットがあります。空港使用料、駐車料、賃貸料を現在の 水準より上げれば黒字空港になることはできます。しかし過度な料金の値上げ は、そのまま利用客の負担になり、長期的に見ると負担が高まった利用客は 清州空港を避けるようになるでしょう」と述べた。

現在、清州空港は国際線活性化のために、離着陸料と施設使用料を仁川空港の 50%程度以内しか受け取っていない。清州空港が毎年40億程度の赤字が発生する 理由だ。

イ支部長は「英国ヒースロー、オーストラリア、シドニー、インドのムンバイ 空港などは、民営化後に利用客から最悪の空港に選ばれた。オーストラリアの シドニー空港は、メクァリという民間業者が運営し、駐車料を上げて利用客の 激しい反発をかった。世界最高の空港と評価されていた英国のヒースロー空港 は、民営化以後、コスト削減のために大量に職員を構造調整した。清州も今の 赤字を解消するために正規職を非正規職したり、用役業者に変えれば40億の赤 字はなくなるだろうが、利用客の安全は放棄される」と指摘した。

続いて「利益のための企業が、果たして利用客のためのサービスができるだろ うか? 外国の例でもわかるように、企業は施設投資をして空港を発展させるの ではなく料金を上げて各種の商業施設を空港内に誘致し、金を稼ごうとした。 これは短期的には金になっても、長期的には空港を閉鎖させる結果になるだろ う」と付け加えた。

「航空安全管理システムから除外されれば専門人材も、システムもないのにどう運行するのか? 利用客は命を担保に飛行機に乗れというのか?」

航空安全の問題も指摘された。イ支部長は「国内空港は、航行安全・安全管理 システムという単一ネットワーク組織で運営され、統合管理されています。費 用と安全の面で、さらに効率的だからでしょう。障害が発生しても全国空港の 迅速な非常支援システムが問題を解決します。しかし民営化すれば清州空港は 全国安全管理システムから外されるでしょう」と話した。

現航行安全施設は、電波を利用する航行安全無線施設、光を利用する航空灯火 施設、音声で情報をやりとりする航空管制通信施設に区分され、問題が発生す れば、全国の空港の迅速な非常支援システムにより航空の安全を確保し、中断 ない航空交通サービスを提供している。

イ支部長の言葉の通りなら、民営化された清州空港が全国安全管理システムか ら外されると、これはそのまま旅客利用客に戻る。「自分が利用する空港の航 行安全に関する専門人材もなく、航行安全施設も独自に運営されれば誰がその 空港を利用するか」ということだ。

「結局、空港の民営化は得よりも損が多く、どこかの空港が選定された必ず阻止する」

韓国空港公社は14の空港を一括運営しており、2007年現在、金浦など5つの空港 は1310億ウォンの黒字を出し、襄陽などの9個所は369億ウォンの赤字を出した。 企画財政部のペ・ククァン第2次官は「売却対象は赤字の空港に限定せず、赤字 を出す空港は周辺の開発権などとまとめて売る方案を検討している」と話した。

これに関連してイ支部長は、「周辺の開発で収益を高めるのなら、これまでの 政府の規制を今緩和して開発してもいい」と指摘した。続いて「清州空港は、 この10年間、忠北道と清州市が先頭に立って空港の活性化に努力し、韓国空港 公社の財政支援と多様な公共プログラムを施行している。しかし民営化以後、 赤字から脱するのに忙しい企業が、果たしてそうした活性化政策に賛同するか」 と疑問を提示した。また、「少数の財閥や外国の投機資本に空港を渡し、地域 の開発権まで運営させるのは、政府が彼らに特典を与えることではないか」と 述べた。

「結局、空港の民営化は得より失が多い。政府が公企業先進化を叫んで施行し ようとしている空港民営化の方針は、国民すべての安全を威嚇し、空港利用客 を減らす事業になるだけ」と断言した。続いて「航空民営化は慎重に、さまざ まな調査結果と意見に基づいて接近する問題だが、政府はあまりに簡単に思っ ている」と話した。

イ・チュンヒョ支部長は「清州空港は、清州市民の血税で、国民の血税で発展 している。これは他の空港も同じだ。清州空港以外の空港が民営化するとして もわれわれは戦うだろう」とし「企業の利益創出よりさらに重要なことはまさ に空港利用客の安全で、空港は個人の所有でなく私たちすべてのものだからだ」 と力説した。(チョン・ユンミ記者)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-09-07 05:33:14 / Last modified on 2008-09-07 05:33:14 Copyright: Default

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