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金持ちのための減税のプレゼントで何ができるのか?

[連続寄稿-売られる公共部門](2)福祉拡充には予算不足?

カン・ドンジン(貧困社会連帯執行委員長)/ 2008年09月02日16時33分

いかにもノガダ(土方)出身らしいという声が自然と出る程熱い。ブルドーザー のように果敢に押し通した。6か月間切歯腐心して、大統領府の裏山からキャン ドルを見て臥薪嘗胆の末、きっぱり整理した。政府自身も率直というより露骨 だ。『減税効果は税金を払う少数に戻らざるを得ない』と認める。カン・マン ス企画財政部長官は『李明博政権から金持ちへの初のプレゼント』とも言った。

『金持ちだけのための減税』という批判があふれると、『勤労者の50%が税金を 払えなくなっているので減税ができない』と『親切なマンス氏』になったりも する。『財閥経済と庶民経済は共に進む』という詭弁も吐く。そして『低所得 層は歳出で支援する』と強調する。いつも息をするように嘘を吐き出す政府で はあるが、信じてみよう。信じる者には福があり、助けが待っているといわな いか。

減税規模が『億...億..』でなく『兆、兆』に行くので息がつまり、脳に行く血 液の供給が円滑でない原因がどの程度なのか想像もできないので、一度調べる ことにしよう。そうしなければ『歳出で支援する』という言葉の真偽を後で検 証することができないからだ。減税2年目の2010年、減税規模は2007年と較べて 17兆9千億ウォン、2012年には21兆3千億ウォンにのぼる。年度別減免額を5年間 合算すれば、何と75兆ウォンになる。IMFが爆発して経済再生に投入された公的 資金150兆の半分に達する金額だ。このとんでもない規模の正札は、ほとんど が1%にもならない企業と、所得が上位10%程度の金持ちに集中するという。

17兆、21兆、75兆、いったいどれほどの大きさなのか? 感じがつかめるように 比較できるのを探してみた。

一、2008年1月から7月まで、健康保険の財政から支出された金が15兆8千億程度 になる。健康保険財政収入は17兆3千億程だ。17兆は7か月間5.08%程度の保険料 を一銭も払わずに健康保険の恩恵を受けられる金額だ。10%の国民だけでなく、 国民全員である。17兆を健康保険財政にあてればさらに保険料を払わず、すべ ての治療がタダで受けられる。国民全員である。それでも金が残る。7兆程度に 当する金額がである。低所得層に歳出で支援したいといったのだから、今に見 ていろ。

二、2008年、保健福祉家族部に配分された予算が16兆程度だ。この予算で基礎 生活保障、ぜい弱階層支援、公共医療事業、老人・家族・保育・女性・障害者 政策、公的年金などを運営し、支援し、執行する。21兆にものぼる金は、保健 福祉家族部をもう一つ作って、関連事業と政策を今の二倍以上にしてもいい。 それでもあまりある5兆ウォンで、いわゆる『信用不良者』の烙印を押され、あ らゆる差別と抑圧、被害を受けている金融被害者の債務を帳消しにできる。と ころが9月2日に政府が発表した信用回復支援基金はせいぜい2千億だ。『鳥の足 の血』としても言い過ぎではない。それでも、福祉を拡充しろという要求に対 していつも返ってくるこだまは全く同じだ。『予算が足りない』と。今でも社 会のあちこち、全国あちこちで2009年度の『予算配分』をめぐる見えない戦争 が展開されている。パイがますます小さくなるという心配で、戦争はさらに激 しい。無力な者、権力から遠くに存在する人々は排除される。

三、電気、ガス、交通料金などの公共料金引上げが秋夕以後、続々と予告され ている。地域暖房料金はすでに8月に10%上がった。暖房を使わない夏に料金を 上げ、国民が膚で感じられないようにという軽薄な策略を使いながら、顔色一 つ変えない。こんな値上げは10%の国民だけが負担するのではなく、全国民がそ れを負担する。所得が少ない人々の負担はさらに大きい。ところが今年の追加 補正予算で、韓電とガス公社に1兆2千億ウォンが支援されたという。このお金 で24%の値上げ要因を12%に減少させたという話を聞いた。減税による金額の 20%なら、公共料金を何も値上げしなくてもあまりあるという話になる。公企業 の赤字は政府の財政支援と公共料金の値上げで埋め、減税で減る税収は公企業 を売って埋め、そうして金を稼ぐ公企業は減税のプレゼントをたっぷり受けた 大企業に売り、すべての負担は国民が負う。いくら『ビジネスフレンドリー』 でも、やり過ぎのような気がしなくもない。(公企業労組は民営化反対の前に、 公共料金値上げ反対ゼネストをすべきではないだろうか?)

この程度で終わろう。話をすればするほど血圧が高くなるだけで、馬耳東風と いうものだ。21世紀初期の『左派旋風』で社会主義政権になり始めた南米は、 1980年代の新自由主義政策で好調だった50、60年代を後にして、国民の半分程 度が貧困に追いやられていた。暮らしのいい金持ちたちは塀で囲まれた『彼ら だけの都市』で安楽な生活を享受した。韓国社会は土地が狭いせいか、あるい は天国への欲望に起因するのか、『塀の都市』ではなくますます空と近づく 『都市の中の都市』で金持ちが暮す傾向が目立っている。塀を投げ飛ばそうが、 上がることのできない所に上がろうが、人々の間に壁と差別を作る社会は正常 ではない社会だ。いくらバブルが膨らんでも、結局いつかは消えるはずだ。

韓国の社会貧困層は政府の統計でも700万になる。このまま行けば何年かのうち に全人口の30%を越える階層が貧困層に落ちるという憂慮もある。だがまだこれ らの貧困層は政治的にも、社会的にも、自分の声と要求を上げられずにいる。 ただし、一つ忘れてはならないことがある。今はずいぶん弱まったがキャンド ル集会で拘束された人の相当数が失業者と自営業者だった。彼らは単に翌日の 『出勤』から自由な状態だったから、夜遅くキャンドルを持ったのではないか。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-09-04 09:38:26 / Last modified on 2008-09-04 09:38:26 Copyright: Default

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