本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:安全を理由とする業務移管は「鉄道民営化の始まり」
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1357951269108St...
Status: published
View


安全を理由とする業務移管は「鉄道民営化の始まり」

労働界、政界などいっせいに反発...「民営化反対の公約を守れ」

チョン・ジェウン記者 2013.01.10 17:32

最近、国土海洋部は安全確保を理由として、鉄道の管制権を鉄道公社から鉄道 施設公団に移管を試み、鉄道民営化の事前作業という批判が激しくなっている。

特に朴槿恵(パク・クネ)当選者側との共感がなければ、李明博政権が任期末に 鉄道民営化の出口を開くだろうかという意見が提起され、朴当選者への非難が 集まっれている。朴当選者は、大統領選挙時期に『KTX民営化の一方的な推進に 反対する』という立場を明らかにしていた。

国土部、管制業務を分けて民間鉄道事業者の市場進入を助けるか
管制業務の移管は「安全性をむしろ落とす」

国土海洋部は1月9日、鉄道管制業務を鉄道公社から鉄道施設公団に移管するこ とを核心とする鉄道産業発展基本法の施行令と施行規則改正案を立法予告した。

国土部は、「鉄道運営主体が管制権まで行使して、収益のために安全管理を疎 かにして大きな事故を起こす憂慮がある」と立法予告の背景を説明した。

管制業務とは、列車配分、列車運行中のコミュニケーション、事故発生時の統制 など、列車の運行に関する全般的なコミュニケーションと指示により安全運行を 確保する鉄道の核心業務だ。一般的には政府が遂行するが、現在すべての列車を 運行しているコレイルが委託して行なっている。

だが国土部は、鉄道施設公団を通じ、列車配分などの管制業務に直接関与する ことで民間鉄道事業者の市場進入を助けようとしているのではないかという疑 いが高まっている。

特に昨年7月『水西発KTX運営権』の民間開放が国会で挫折した後、鉄道民営化 を貫徹する事前作業だという主張が提起された。国土部は2015年、水西発KTXに 競争体制を導入するために、管制権と駅舎、維持、保守など3部門の回収が重要 だと明らかにした。

また管制業務移管が安全の役に立つという国土部の主張に対して、鉄道管制と 運営主体が分かれると逆に事故の危険が固まるという反論がある。管制、信号 体系、通信などの機能が有機的に結びつくことで列車事故を予防しているが、 管制業務を分けることは安全には役に立たないという。

ファン・シウォン東洋大鉄道大学長は1月10日午前、〈孫石熙(ソン・ソッキ)の 視線集中〉に出演し、管制業務移管が安全性を高めるという国土部の主張に対 し「物理的に全く違う」と断言した。

ファン・シウォン鉄道大学長は「KTXは自動で車両運転されるシステムで、管制 業務もリアルタイムで鉄道を走る車両を専門家がモニターする」として「国際 鉄道連盟で最近、鉄道安全管理改善の功労を認め、コレイルに特別賞をもあた えた」と反論した。

また、ファン・シウォン鉄道大学長は「複雑な問題の一つが、車両を管制する 人、運転する人、線路作業する人は、相互に本当によく情報を交換できるべき だということだが、コミュニケーション通路が分離すると、安全性はむしろ低 下しかねない」とし「管制官を養成する機関が鉄道施設公団に行けば機関自体 に現場業務の経験がないので基本的に限界がある」と憂慮した。

「朴槿恵当選者『KTX民営化反対公約』を守れ」
MB任期末に鉄道民営化強行...業務引継委員会と事前交感?

KTX民営化阻止と鉄道公共性強化のための汎国民対策委員会は、10日午後大統領 職引継委員会で記者会見を行い「鉄道民営化のための杭打ち、管制権移管の 汚いやり方を中断しろ」とし、朴槿恵当選者の『KTX民営化反対公約』を守れと 主張した。

汎国民対策委員会は「朴槿恵当選者が候補時代に『KTX民営化推進は反対』、 『民営化は国民的合意と同意が必要』だと公約したのに、国土海洋部が不意に 鉄道民営化の出口を開く施行令改正を始めた」とし「李明博政権の最後のわが ままでなければ、業務引継委員会との事前の交感で、次期政府の負担を減らそ うとする『民営化杭打ち』の疑惑を振り切れない」と提起した。

イ・サンム民主労総公共輸送労組・連盟委員長は「朴槿恵当選者が候補時期、 KTX民営化に反対の立場を明らかにした」と強調し、鉄道民営化に対して「国民 の合意を伴う手続きを取れ」と主張した。

イ・ヨンイク民主労総全国鉄道労組委員長も「政策の是非を別として、社会的 議論があり、一度変われば戻すのは難しい鉄道政策を国土海洋部の数人の官僚 が中心になって、行政手続きで勝手にしてはいけない」とし「業務引継委員会 が立場を明らかにしろ」と要求した。

政界も鉄道管制権移管の試みは「鉄道民営化推進のための事前作業」とし、強 く批判した。民主統合党のパク・ヨンジン報道担当者は9日に記者会見を行って 「鉄道管制権の移管は、民間会社による鉄道運送事業への進入を容易する措置 で、鉄道民営化推進の事前作業」とし「KTX民営化の障害である鉄道公社の鉄道 管制権を返還し、新政府になっても鉄道民営化を戻すのを難しくする」と話した。

国会国土海洋委員長のチュ・スンヨン民主党議員は報道資料で「国土海洋部は 直ちに鉄道民営化のための卑怯なやり方をやめ、何が国民のために新しい政府 として推進する政策なのかを原点からまた検討することを強く要求する」とし 「国会国土海洋委次元でも、鉄道産業発展基本法改正など多様な方法を通じ、 鉄道管制権返還および鉄道民営化を強く阻止する」と警告した。

1月10日午前、CBSラジオ〈キム・ヒョンジョンのニュースショー〉に出演した キム・ジネ前民主党議員は「鉄道民営化と鉄道施設の安全運行、長期的な発展 について、これまで事実きちんと分析されていなかったので、朴槿恵当選者側 も『鉄道民営化を急いでするのは問題がある。全般的に検討して方向を定めな ければならない』と話した」とし「ところで今なぜすべてを無視して李明博政 権の最後に強行するのか、むしろこの問題に焦点を当てなければならない」と 述べた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-01-12 09:41:09 / Last modified on 2013-01-12 09:41:09 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について