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MB政権末期、食い逃げ民営化の実状

[連続寄稿](2) 「金融資本と政権の共生関係について」

チョ・サンス(公共運輸労組・連盟首席副委員長) 2012.07.18 11:15

[編集者 注]李明博政権最後の年、政府は問題になってきた公共部門民営化を 最後まで進める計画を出した。医療民営化政策に続き、KTX(鉄道)・ガス・空港・ 免税店、安全性評価とKS認証などの民営化政策は『競争導入』を名分に続けら れている。これに反対する世論も高まっている。今回の連載では最近進められ ている公共部門民営化の性格を調べ、労組と社会運動が提示する代案を紹介する。

[出処:資料写真]

社会的な問題になったKTX民営化に続き、最近6月26日、企画財政部は仁川空港 公社、韓国ガス公社などへの追加の民営化を進めることを発表した。政権末期 になぜ李明博政権は無理に民営化を押し通すのか?

優良公企業に集中する民営化

水西発KTX路線の分割民営化は、特定の財閥に事業権を与えるためでないかとい う疑いが提起された。同じように最近、また進められている民営化事業は主に 国家基幹産業を対象にしており、民営化による利益が財閥と金融資本に集中す るように推進されている。

代表的な例がガス産業の民営化だ。企画財政部が最近発表した『ガス産業競争 導入』は、まさにSK、GS、ポスコなどの大企業が天然ガスを導入できるように することを意味する。ところが、これらの大企業は自らの発電所や小売り都市 ガス社を保有しているので、自然に小売り用都市ガス販売に連結する。現在、 公企業のガス公社が輸入している天然ガスは、『規模の経済』おかげで長期間 大規模な物量を輸入することで価格安定効果をあげている。財閥大企業に競争 の導入権を認めれば、彼らだけに利益をあたえる結果になる。最近政府は彼ら に新規の保存設備建設を認め、この施設をガス公社が使う形で利益を保障する 方案も検討している。

仁川国際空港公社などの公企業の民営化に金融資本が登場するのは自然なこと になった。韓国空港公社の清州空港民営化の過程はこれを証明する。運営権の 売却締結業者の『清州空港管理株式会社』は、米国・カナダの合弁会社である ADC&HAS社、興国生命、KACGコンサルティンググループなどの金融資本コン ソーシアムだ。民営化しても彼らへの税金面での支援は続く。民営化後も 滑走路の延長、国際線推進、空港接近インフラの構築(道路、鉄道)など各種の 支援政策が進んでいる。

民営化と金融資本、政権の共生関係

それでは、財閥企業と金融企業の特典で進める民営化後も、公共的な支援策が 続く理由は何だろうか? その秘密は最大の公企業だった『韓国通信』を民営化 したKTの例でわかる。

民営化したKTは金融資本への高い配当指向を示す。2009年には配当指向が94.2% を記録したが、こうした配当の半分以上が海外の株主に行った。韓国の通信費 の高さは、高い利益を保障する。KTはこれに加え、労働者の賃金抑制、構造調整 と研究費用の減少を進めた。純利益の相当部分は公企業の時に持っていた土地 と設備などの資産の売却で満たされている。

これを可能にしたのは『政権コード経営』だ。KT社長は歴代、青瓦台出身者、 あるいは政府与党の人が占めた。(海外投資者が)経営陣を媒介に政権が要求す る落下傘を受け入れて『政権-海外投資者同盟』を形成する。代表的にKTは政権 が進める総編事業に20億ずつ82億ウォンを投資した。これは明らかに政権コード 経営だ。つまり、公企業が民営化されても政権は影響力を行使し続けることが でき、金融資本や財閥大企業もこれを媒介に共生関係を形成できるということを 意味する。

政権末期の民営化の火遊び、取り返しがつかない

財閥企業や金融資本に特典と利益を保障する公企業民営化は、政権末期に推進 されるとさらに危険だ。民営化による弊害が現れる前に、それを決めた者が 元手をはたいて行ってしまえば責任を取れないからだ。

特に、韓米FTA協約締結以後の公共部門の民営化は一度始まれば取り返しがつか ないという点で致命的だ。どの政治勢力が大統領選挙に勝って執権しても、この 爆弾から逃げられない。公共部門の労働組合が闘争で要求する公共部門の民営化 中断は、まさにこの過程を断ち切ろうという主張だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-07-19 16:56:55 / Last modified on 2012-07-19 16:57:02 Copyright: Default

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