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『コリアンドリーム』、本当にあるのか?

世界移住民の日、捕えられ、追い出される移住労働者たち

ビョン・ジョンピル記者 bipana@jinbo.net / 2007年12月18日15時46分

▲国連が決めた世界移住民の日、韓国に移住した労働者たちは移住労働者の権利を叫ぶ記者会見を持った。/イ・ジョンウォン記者

今日は国連が決めた世界移住民の日だ。国連は1990年12月18日、『移住労働者 権利協約』を採択し、これを記念するために2000年から世界移住労働者の日を 指定した。2003年には世界の20か国が移住労働者権利協約を批准し、国際人権 規約としての効力を持つことになった。しかし韓国はまだ『移住労働者権利協 約』に批准していない。

政府が『移住労働者権利協約』批准をしていない状況で、国内移住労働者の人 権はむしろ後退していると人権団体は指摘する。

「みじめだ」、「恥ずかしい」、「残念だ」

▲イ・ジョンウォン記者

今年の2月には麗水外国人保護所火災事件で10人の移住労働者が『コリアンドリー ム』をついに成し遂げることなく冷たい死骸になって本国に帰った。11月には 移住労働者の権利を守るために作った移住労働者だけの労組であるソウル京畿 仁川移住労働者労働組合(移住労組)の指導部3人が『標的摘発』され、12月13日 に本国に強制送還された。

政府は11月18日、出入国管理公務員が摘発手続きと令状なく外国人雇用事業場 などに出入、調査する権利などを持てるようにする法改正を進めている。摘発 の効率を高めるためだ。

どこから見ても『移住労働者が労働する権利と、自由に帰国する権利、公正な 裁判を受ける権利、家族を呼び寄せる権利、国籍および人種などを理由として 差別されない権利、出生児童の国籍取得の権利、本国選挙に参加する権利』等 を明示する『移住労働者権利協約』とは逆行する韓国社会の姿だ。

今日の午前、光化門政府総合庁舎正門で進められた『移住労組3人指導部強制追 放糾弾! 摘発追放中断! 出入国管理法改悪阻止! 世界移住民の日記者会見』に 参加した発言者は、こうした韓国の状況について全員が「みじめだ」、「恥ず かしい」、「残念だ」という話で話を始めた。

『自分弁論権』も剥奪された移住労働者たち

11月末に取り締まられた移住労組幹部3人の訴訟代理を担当する民主社会のため の弁護士の会のクォン・ヨングク弁護士は、強制出国された3人に対して申し訳 ない心を隠すことができなかった。

クォン・ヨングク弁護士は「何も出来なくてみじめだった」とし、12日に保護 解除要請が棄却されたが、移住労組指導部3人には行政訴訟の権利があったと指 摘した。そして、こうした手続きと権利を無視したままで3人を強制出国させた 法務部は、移住労働者の『自己弁論権』も無視したと指摘した。

また、今回の『出入国管理法改正案』が「他人の家と、働いている工場にむや みに踏み込み、人間狩りをする権限をくれと言うもの」とし「不法滞留と疑わ れるだけで摘発する権限をあたえる法改正」は、「令状主義に違反し、途方も ない社会の後退」と声を高めた。

「人の身体自由を拘禁する時、令状をまず提示するようになっている。しかし 法務部は令状主義の原則を無視した。これが法治主義の現実だ」と怒った。

世界移住民の日、「朝も組合員などが取り締まられて」

▲記者会見の途中、ネパール労働者ミヌ氏摘発の知らせが伝えられ、トルノ・リムブ移住労組委員長職務代行が沈痛な表情で立っている。/イ・ジョンウォン記者

3人移住労組幹部の釈放と移住労組弾圧中断を要求して、5日から韓国キリスト 教会館で座り込みをしている移住労組のトルノ・リムブ委員長職務代行は、 「国連事務総長まで輩出した国が、移住労働者を弾圧して人権を蹂躙している。 今朝7時にも東豆川で摘発があり、組合員1人を含む多くの人々が取り締まられ た」とし「今日は移住労働者の日なのか、弾圧する日なのか、移住労働者の人 権とは何か、政府弾圧の限界はどこまでか」と政府に尋ねた。

記者会見に参加した天主教正義具現全国連合のパク・スニ常任代表も、逆行す る韓国政府の政策について「当然、団結権、労働組合を結成する権利を保障し なければならない。ところが指導部を解散させれば瓦解すると思っている現実 が残念だ」とし「70年代に鉱夫、看護師がドイツに行った時、ドイツ政府はこ んなではなかった」として政府の態度変化を要求した。

国際アムネスティのイ・ムニョル活動家も「アムネスティが無条件の釈放を要 求」したのに強制追放されたことに残念さを示し、「法務部は人権への意志を 言葉ではなく行動で見せてくれ」と要求した。

記者会見の最後に司会者はまた残念な知らせを記者会見参加者たちに伝えた。 午前の議政府での摘発に続き、記者会見の途中にも東大門で未登録移住労働者 の摘発で組合員が連行されたという知らせが参加者に伝えられた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-12-27 15:25:48 / Last modified on 2007-12-27 15:25:50 Copyright: Default

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