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「KBSに無形のブラックリストがある」

『KBSブラックリスト波紋をどう見るか』緊急討論会

ユン・ジヨン記者 2010.07.13 11:59

コメディアンのキム・ミファ氏が自分のツイッターに『ブラックリスト』疑惑を 提起した後、KBSはキム・ミファに全面戦争を宣布した。公営放送は一個人の 疑惑提議に対し、告訴で正面から対抗し、その上、KBSニュースでキム・ミファ氏を 直接批判した。

ブラックリストの有無とは別に、ネチズンと市民は即刻KBSの措置を非難したが、 これは何よりも独立性の論議があるKBSへの批判だった。今まで政権に批判的な 出演陣の退出と番組の廃止は、実質的にブラックリストを『稼動』させたもの と見られたからだ。

参与連帯をはじめとする市民社会団体は7月12日午後2時、民弁教育館で、 『KBSブラックリスト波紋をどう見るか』の緊急討論会を開いた。この席では無 形のブラックリストの稼動が政権とどうからむのか、公営放送としての独立性 をいかにして守るかという討論が行われた。

政権の放送掌握と放送介入、連結の輪がある

キム・ミファ氏のブラックリスト疑惑がネチズンと市民の関心と共感を得たの は、KBSのこれまでの前歴が一役買った。キム・ジェドン、ユン・ドヒョンなど の出演陣が理由も知らされずKBSの番組から続々と退出し、批判的な声を上げる 番組は廃止された。

退出と廃止の公式の理由は不明だが、大部分の市民は『政権の放送掌握』をそ の理由と思っていた。個人の退出は、つまり政権と放送の癒着との関係で起き たということだ。

民主言論市民連合のキム・ユジン事務局長は、討論会の席で政権と放送、そし て退出と廃止の連結の輪を説明した。キム・ユジン事務局長は、「政権の放送 掌握の日程を見れば、大統領の兄の友人というチェ・シジュンが放送委員長に 座り、チョン・ヨンジュ社長が強制解任され、イ・ビョンスンがKBS社長に就任 して初の改編でチョン・グァニョン、ユン・ドヒョン、パクインギュが退出さ せられた」と説明した。

また「『TV策を語る』は1月1日の新年特集で、カン・スドル、チン・ジュングォ ンが出演した後、すぐに廃止されたおかしな事例」とし「イ・ビョンスン社長 の任命を前にしてキム・ジェドンが退出させられたが、これはイ・ビョンスン が社長選任の地歩を固める過剰忠誠という指摘もあった」と説明した。

参与連帯のパク・ウォンソク協同事務局長は、「チョン・ヨンジュ前KBS社長の 解任から今日のKBSの権力屈従と癒着全過程を見れば、果たして放送会社の人事 が正常な根拠で作動しているのか疑わしい」とし「MBと直結するMBCのキム・ジェ チョルとKBSキム・インギュが社長に座っている以上、公営放送は期待できない」 と主張した。

ユ・チャンソン時事評論家は無形のブラックリストの存在について口を開いた。 彼は「ブラックリストが文書になっているかどうかは形式論理に過ぎず、内部 の不文律とガイドラインにブラックリストが作用した」と見通した。

実際に適当な理由なく番組を降板したユ・チャンソン評論家は「使用者側では 私の交替決定が製作スタッフの編集会議で雰囲気刷新でなされたというが、私 が確認した限りラジオ1局長の一方的な指示で行われた」と主張した。

KBSのヒョン・サンユンPDも「文書ではないが、ガイドラインは確かに存在する」 とし「政府の超法規的権力と権力闘争強化、放送掌握は放送出演問題さえ思い のままにする連結の輪の疑惑に充分可能性がある」と話した。

内部告発、議論の終止符を打て

最近になって個人に対する政権と公営放送の法的対応が論議になっている。ハ ン・ミョンオク弁護士は権力が個人に法的対応をするのは『萎縮効果』を産む 手段と見た。

ハン・ミョンオク弁護士は「個人が政権に疑惑を提議した後、名誉毀損で捜査 されるのは、それ自体が非常におかしい」とし「心理的な萎縮や、巨額の損害 賠償請求訴訟、弁護士選任などは勝敗とは別に負担になる」と説明した。

続いて「こうした場合、国家はほとんど訴訟で敗れるが、それでも法的対応を する理由は、個人が負担を感じ、自己検閲をするから」と説明した。権力が個 人に法的対応すると、ネチズンも面倒な内容を敬遠するようになり、番組もま た無難になり、自らをコントロールする自己検閲も形成されるということだ。 ハン・ミョンオク弁護士は「結局これは国家が表現の自由を抑圧する一つの手 段」と定義した。

このような権力と放送の癒着と表現の自由の抑圧の問題を解決するためには、 KBSから内部告発が必要だという主張も提起された。ユ・チャンソン時事評論家 は「具体的な事例の証言が内部から出れば終わる事案」とし「だが残念なこと に第3者の証言が続くが、製作スタッフの良心宣言が出てこない」と話した。

キム・ユジン事務局長は「KBS構成員がブラックリスト問題について、権力に掌 握された公営放送の金儲けというよりは、私が通う会社に関するものと考えて、 不利益を甘んじても出てこないようだ」とし「批判と叱責の強度を高め、彼ら をさらに恥じ入らせなければならない」と強調した。

またユ・チャンソン評論家は「個人的な内部告発は大きな負担が伴うので集団 的な次元で接近しなければならない」とし「新労組やディレクター協会次元で 一連のさまざまな事例を独自調査して把握すれば多くの結果が出てくるだろう」 と忠告した。

一方、パク・ウォンソク処長は近々内部告発が出てくると予想した。彼は「民 事・刑事の部分でさまざまな参考人調査と証言聴取の過程で自爆する」とし 「この過程で無形の指針が出てこないはずがないが、KBSが無理をしている」と 予想した。

ヒョン・サンユンPDも「新労組が現在その他の問題に対する幅を広げることは 現実的に難しいが、ストライキ局面が転換し次第、新労組内部で発掘して有用 な情報を提供できると判断する」と伝えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-07-13 19:06:58 / Last modified on 2010-07-13 19:07:01 Copyright: Default

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