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「韓国の意思表現の自由は総体的な危機」

「2010韓国表現の自由報告大会」を開催

ユン・ジヨン修習記者/ 2010年04月28日17時01分

4月28日午前10時、国家人権委員会11階の講義室で『2010韓国表現の自由報告大 会』が開催された。

この行事は5月5日から15日まで、国連意思表現の自由特別報道官フランク・ラ・ ルエが公式に訪問するのを契機に、表現の自由の実状を知らせる目的で進めら れた。報告は、△思想良心の自由と言論の自由、△インターネット表現の自由 と接近権、△パブリック アクセスと独立メディアでの表現の自由、△集会結社 の自由、△職場での表現の自由、△青少年と表現の自由、△障害者と表現の自 由、△性少数者と表現の自由の8つの主題をそれぞれの専門家が扱った。

表現の自由に対する最初の主題は『思想、良心の自由と言論の自由』で、民主 社会のための弁護士の会のキム・ビョンジュ氏が発表した。彼は「1995年国連 アビド・フセイン表現の自由特別報告官の訪問報告書が勧告した国家保安法の 廃止は形成されないまま15年が流れ、まだ国家保安法により韓国での意思表明 の自由と身体的自由は抑圧されている」とし、言論の自由には「言論本来の任 務である権力批判、監視活動によるジャーナリストの逮捕、拘束、罰金、罷免、 解任などの懲戒はあってはならず、彼らを名誉毀損、業務妨害罪で処罰しては ならない」と主張した。

『インターネット表現の自由と接近権』について進歩ネットワークのチャン・ ヨギョン氏は「最近、韓国では一般市民のインターネット表現物への行政規制 と刑事処罰が強まり、インターネットの表現の自由侵害という議論が続いてい る」とし「インターネット規制は該当掲示者の不利益と表現の自由侵害を持た らす一方、同様の意見を持つ他の市民にも自己検閲を強制することで、深刻な 萎縮効果をもたらし、重大な表現の自由侵害」と主張した。

『パブリックアクセスと独立メディアでの表現の自由』には、メディアクトの キム・ジヒョン氏が「最近韓国では公的な情報への接近が強く制限されている」 「パブリックアクセスと独立メディアなど一般市民の多様なメディアへの接近 が萎縮している。また障害者のメディア接近が大きく制約されており、独占ソ フトウェアによるウェブ接近性の議論が続いている」と明らかにした。

また四番目に報告した人権運動サランバンのチェ・ウナ氏は『集会結社の自由』 について集示法、一般交通妨害などによる集会デモの自由の侵害、広場条例に よる集会デモの自由の侵害、2008年米国産牛肉輸入反対キャンドル集会の警察 による強制解散、竜山撤去民死亡事件などを提示し「過度な公権力の乱用は、 警察暴力の極端な現象を示す」と分析した。

『職場での表現の自由』も扱われた。全国民主労働組合総連盟のリュ・ミギョ ン氏は、職場での表現の自由の前提条件である団結権、団体交渉権、団体行動 権を提示し、これに反する国家の改正労組法、公務員、教師の労働三権の制約 と否定などを批判した。

この他にも、青少年、障害者性少数者の表現の自由が議論された。『青少年と 表現の自由』という主題を引き受けた青少年人権活動家ネットワークのナンダ 氏は、「2003年の国連児童権利委員会で『すべての児童が結社と表現の自由の 権利を十分に享有できるよう保障すること』を勧告したが、韓国政府は青少年 の表現の自由を改善するいかなる実質的措置も取らなかった」とし「その結果、 2010年にも青少年の『自由に表現する権利』、『平和な集会を開催する権利』 などは韓国社会できちんと形成されていない」と明らかにした。

『障害者と表現の自由』の主題は障害者文化情報ヌリのキム・チョルファン氏 がインターネットでの情報格差とメディア接近性などの例を示し「韓国の国内 法令では障害者がメディアに接近し、参加する機会を提供する根拠は弱い」と 主張した。また『性少数者と表現の自由』に関する主題は、韓国ゲイ人権運動 団体チングサイのパク・キホ氏が「現政権になって、韓国社会で性少数者に関 する表現の自由がとても萎縮し、性少数者の人権が全般的に後退している」と し、その根拠として同性愛表現物への規制強化、軍隊内の同性愛の規制強化、 差別禁止法制定に対する政府の微温的態度などをあげた。

一方、国連意思表現の自由特別報告官が韓国政府を公式訪問するのは1995年の アビド・フセインに続いて二回目だ。アビド・フセインは韓国を訪問した後、 「大韓民国の表現の自由報告書」で、△国家保安法廃止、△表現の自由行使を 理由とする収監者の釈放、△労働者の表現の自由を保障する労働紛争調整法と 労働組合法改正を勧告した。だが現在韓国社会では相変らず国家保安法は威力 を発揮し、表現の自由もまた萎縮していると評価をされている。これに伴い、 韓国人権社会団体はフランク・ラ・ルエの公式訪問を契機に表現の自由の実状 を知らせるために「李明博政権2年、韓国表現の自由実態報告書」を作成した。

「インターネット表現の自由と接近権」について発表した進歩ネットワークの チャン・ヨギョン活動家は「報告書は今日、フランク・ラ・ルエに渡した」と 述べた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-05-03 13:09:14 / Last modified on 2010-05-03 13:09:15 Copyright: Default

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