韓国:ネット実名制、効果はなく自己検閲を拡大するだけ | |||||||
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インターネット実名制、効果はなく自己検閲を拡大するだけソウル大ウ・ジスク教授チーム研究論文発表
ホン・ソンマン記者/ 2010年04月08日11時53分
インターネット実名制の効果は殆どなく、文を書くことを萎縮させるという 研究結果が提示され、話題を集めている。 4月8日、ソウル大行政大学院のウ・ジスク教授が最近、行政大学院が発行する 「行政論叢」に載せた論文「インターネット掲示板実名制の効果に対する実証 研究」によれば、実名制実施以後、掲示文の誹謗と悪口程度は減っておらず、 文を書く行為を萎縮させる方向の影響を及ぼした。 この研究はコミュニティ・ポータルサイトのDCインサイド(dcinside)掲示板を 対象に、実名制が施行され始めた2007年7月27日以前と以後10日間のインターネッ トの書き込みの態度と掲示文およびコメントの内容を比較した。 実名制以後、掲示文が減り自己検閲が拡大 研究によれば、掲示文とコメントおよび削除文の頻度は、実名制以後はっきり 減少したことが明らかになった。 問題(政治・社会)ギャラリーの掲示文の一日平均は、実名制以前1319件から以後 399.7件へ、コメントの一日平均も実名制以前の4259.5件から以後の2156.4件と どちらも減少する。ファッション(相談)ギャラリーも掲示文は実名制以前が 1185.5件から以後は849.5件と有意に減り、コメントも3792.9件から2738.9件に 減り、実名制後に起きた書き込みの萎縮効果を見せたということだ。 また実名制実行10日前後の文の分布を見ると、問題ギャラリーで一日最高2000 件以上だった文の数が、27日を基点に500件程度に減り、コメント数は一日最高 7000件から実名制以後4000件程度に減った。ファッションギャラリーでも実名 制以前は最高2000件以上だった掲示文が実名制以後は1400件、4000本以上のコ メント数が3000件以下に減った。 削除文を見ると、実名制前は削除された文が全体文の27.0%(18064本のうち 4871本)で、以後には全体の39.5%(6615本のうち2616本)に文の削除が増えた。 DCインサイドはほとんど文は作成者本人が直接削除し、文を書いた後に自己検 閲次元での萎縮効果も起きていると説明した。 実名制、誹謗文減少の効果は微々 実名制が誹謗や悪口減少効果も期待に達していないことが明らかになった。実 名制前には掲示文の13.9%が誹謗文で、後は12.2%が誹謗文であることが明らか になり、実名制前後に有意な差は発見できなかったという。 悪口使用の有無を調べても、実名制以前は4.7%だった悪口文が実名制以後には 2.6%で、ほとんど差がなかった。つまり、掲示文の場合、実名制の実施以前と 以後で誹謗と悪口の使用どちらも変化が現れなかった。 ただし、コメントでは実名制以前と以後の誹謗的な内容が26.8%(342本)から 23.4%(307本)に減り、コメントに悪口が含まれるケースも5.1%(65本)から 2.1%(27本)に減少した。 さらに文掲示者の特性による実名制の効果の違いが現れないことが明らかになっ た。つまり、文掲示者がヘビーユーザーでも普通のユーザーでも、実名制以前 と以後で掲示文の誹謗と悪口の程度で差がないことが明らかになった。 コミュニケーション萎縮効果は明確 研究によれば、実名制実施前後10日間、政治社会掲示板に書き込んだ参加者の 数とその構成を調べた結果、書き込んだIPの数が実名制以前の2585個から以後 は737個へと大幅に減った。 またIPの構成を見ると、実名制実施前後1日5回以上書き込んだヘビーユーザー の割合は同等だが、普通のユーザーの割合が10.6%から6.4%に減り、1日1回未満 のライトユーザーの割合が88.8%から92.9%に増えたことが分かる。つまり一日 1回から4回程度書き込む普通のユーザーは減り、1回未満の書き込みをする非常 時的な参加者が増えたのだ。 また、普通の掲示者が書き込む掲示文の数も減った。全体の10.6%であり、 44.8%の掲示文を載せた普通のユーザーが実名制以後は32.8%の掲示文を書き込 んだが、ライトユーザーが書き込む掲示文の割合が43.2%から49.6%へとさらに 高まった。 実名制実施以後、掲示板でライトユーザーの割合が上がり、彼らが書く掲示文 の割合が全体の半分を占めるようになったということだ。 インターネット実名制を廃止すべき この研究は「実名制の実施が誹謗と悪口を減少させるという目的を実際に達成 したとしても、この制度によって利用者の間でのコミュニケーションの絶対量 が減り、コミュニケーションに参加する構成員が変わって意志疎通の内容に変 化がおきたとすれば、そうした変化がもたらす本質的で長期的な影響の根本的 な省察が必要だ」と結論した。 これに対してオ・ビョンイル進歩ネットワークセンター活動家は「悪口と誹謗 を減らすという名分で導入したインターネット実名制が、むしろコミュニケー ションを萎縮させるだけという効果を見せた研究」とし「インターネット実名 制がインターネット参加そのものを防ぐのなら一日も早く廃止されなければな らない」と話した。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2010-04-19 01:58:34 / Last modified on 2010-04-19 01:58:35 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |