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[論評]選挙期間インターネット実名制合憲決定、非常に遺憾

民衆言論チャムセサン、進歩ネットワークセンター/ 2010年02月25日19時06分

今日(2月25日)、憲法裁判所は(旧)公職選挙法第82条の6インターネット実名制 について7:2の意見で合憲と決定した。この条項は、選挙運動期間中にインター ネット言論社が掲示板・対話室などで実名認証の技術的措置をするよう義務化 し、これに従わない場合には1千万ウォンの過怠金を賦課するというものだ。 2004年に公職選挙法が改正された後、表現の自由を侵害するという議論が続き、 2007年の17代大統領選挙運動期間中にインターネット実名制を拒否した民衆言 論チャムセサンが過怠金裁判を受ける過程で憲法訴訟を提起していた。

憲法裁判所が選挙期間のインターネット実名制は合憲としたのは、非常に遺憾 なことだ。憲法裁判所はインターネット利用者が自らの判断で実名確認の手順 を踏んだり、それをしなくても自分の文を掲示できるので事前検閲禁止の原則 に背かないとした。しかし、選挙期間中すべてのインターネット言論社が実名 制を実施する状況で、利用者が実名を選択する方法はない。法律に明示された 通り「政党・候補者への支持・反対の文を掲示」することとは関係のない表現 を掲示する場合、匿名を選択できなければならないが、そのような選択権は事 実上存在しない。例えば2007年12月に差別禁止法の議論の真っ最中だった時、 社会的少数者が選挙運動とは関係がないこの法案に対する意見をインターネッ ト言論社のコメント欄に提示したくても、実名を明らかにしなければならなかっ た。社会的批判者や少数者が意見を明らかにすれば身元が露出し、不利益を受 ける危険を押し切るか、意見発表を放棄しなければならない。これが表現の自 由の侵害でなければ何だろうか?

インターネット実名制は拡大するばかりだ。公職選挙法の他にも[情報通信網 利用促進および情報保護などに関する法律]で、ポータルなどに常時的な実名 制を義務化しており、[インターネット住所資源に関する法律]でも実名での みインターネット・ドメイン登録ができるよう義務化した。国会には情報通信 網法のインターネット実名制をさらに拡大させる政府法案が提出されている。

その名がどうであれ、このようなインターネット実名制は事業者が書いた人の 身上情報の収集保管を義務化することで、捜査機関をはじめとする国家がこれ に対して難なく提起されるようにしたという共通点を持っている。実際に捜査 機関がこのようにして収集された個人情報を令状もなく持ち出す件数は年5百万 件を越えた。どんな名分も、国家の捜査便宜のためで、すべての国民を潜在的 な悪質情報を書き込んだり犯罪者と見ることを正当化することはできない。私 たちがここに何の問題も感じられなければ、それはわれわの社会全体の人権意 識が危機に置かれていることを反証する。

裁判官2人の反対意見のとおり、インターネット実名制は意思表現自体を萎縮さ せ、民主主義の根幹である自由な世論形成を妨害し、有益な匿名表現までを事 前的かつ包括的に規制するので憲法に反する。憲法裁判所が情報通信網法のイ ンターネット実名制に対する今後の決定では異なる判断をするよう要求する。

われわれは今後もインターネット実名制を廃止する戦いを止めない。われわれ は相変らずインターネット実名制が表現の自由を侵害するとと確かに信じ、特 に、社会的批判者と少数者の自由な表現のために最後まで共に戦うだろう。

2010年2月25日

民衆言論チャムセサン、進歩ネットワークセンター

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-03-07 03:41:33 / Last modified on 2010-03-07 03:41:36 Copyright: Default

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