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社内下請けガイドラインは不法派遣の免罪符か

「大法院不法派遣の判決に対抗する政府と資本の攻勢的対応」

キム・ヨンウク記者 2011.05.31 12:33

労使政委傘下の労働市場先進化委員会の公益委員が5月27日に発表した『社内 下請勤労者の勤労条件保護ガイドライン(ガイドライン)』の問題が時間が経つ ほどさらに深刻であることがわかってきた。

初めて労使政委が発表した時点から時間が経ち、公益委員が『保護』を名分と して発表した内容の分析が進み、むしろ不法派遣の免罪符で、すでに非正規職 労働者が闘争で勝ち取った内容だけを入れて大騒ぎをしているという分析が出 てきた。

全国非正規労組連帯会議のユン・エリム教育宣伝チーム長は「『社内下請けとは 請負関係の中で親事業主の事業場内で需給事業主が主に労務を利用し委託された 業務を遂行すること』と定義し、『社内下請=請負』という免罪符を与えている」 と『労使政委社内下請けガイドラインの狙いと問題点』という報告書で強調した。

本来、派遣と請負の間には不法と合法の微妙な境界がある。そしてその境界に は偽装請負といういい加減な手口がある。派遣業は労働者を雇った企業と、働 かせる企業が違うケースで、一種の勤労者を供給する事業だ。当初、労働者を 物のように売り買いすることは認められなかったが、98年の派遣法で一部業種 に限って労働者を供給する派遣業が認められた。

現行の勤労者派遣法は、派遣対象業務を32に制限しており、その他の業務とし て事業主が直接雇用した労働者を使用せず、他社の人材を使用すると不法だ。 この業務に間接雇用を使用するには、請負や用役を使わなければならない。

派遣可能業種でなくても業務契約により事実上、派遣のように人材契約をする 方式が請負だ。請負はA(発注元)企業に必要な仕事の一部をB(下請)企業に請負 契約により委託する方式だ。問題は、B企業で働く労働者の職場がA企業の中に ある時(社内下請方式)、請負と派遣の境界があい昧になることだ。さらにこの ようなところでは、元請企業の管理者が下請企業の労働者に業務を指示し労務 管理をすることが多く、明らかな不法派遣だが請負契約に偽装しているため、 偽装請負と呼ぶ。

ところが今回の労使政委公益委員案は、すでに労働部と検察が不法勤労者派遣 と判断する基準になっていた要素まで『社内下請』という新しい定義を持って きて、合法請負と判断するための障害にならないようにする効果を持たらすと いうことだ。

ユン・エリム チーム長はこうした形のガイドラインが出されたことについて、 「政府と資本はこれまで、(不法)派遣ではなく合法請負だという消極的な対応 から踏み出して、いくら大法院が不法派遣と判決しても社内下請を使うことで 企業の競争力を高められるのに、これを法的に規制していいのかという方向で 攻勢的に対応している」とその背景を説明した。

つまり、今までの不法派遣の議論から抜け出して『社内下請』は派遣ではなく、 事実上請負の新領域だという根拠を用意して、労働法の規制ではなく元下請 企業が自主的に従う指針程度にしようという意図だという。

ユン・エリム チーム長はその根拠として「社内下請勤労者保護対策と言って出 してきたものは、社内下請が決して本当の『請負』ではないことの反証」とし 「『社会保険、最低賃金などの変動を請負代金に反映させる』という案がその 反証だ。本当の請負なら、その代価は『仕事の結果』で算定されなければなら ないが、社内下請労働者の賃金を基礎に算定するのはまさにそれが請負ではない という反証」と反論した。

また、「需給事業主は、社内下請勤労者の教育訓練プログラムの実施に必要な 人的・物的資源の協力を親事業主に要請できる」という条項にも「本当の請負 なら需給事業主が自分たちの勤労者に対する教育・訓練・配置などを独自に行 うべきだ」と指摘した。

『合理的な社内下請のための措置』全般については「全般的に、元請・下請に 不法派遣の議論から逃げる要領を提示している」とし「特に『生産品の品質を 向上させ、統一性を維持するなどの特別な事情があり、親事業主と需給事業主 が事前に協議した場合は、親事業主から施設・部品および消耗品の支援が受け られる』という条項や、『作業の特性上不可避または請負契約の目的の達成に 不可避な場合は、需給事業主に作業方法・作業量・作業速度および勤労時間を 改善または是正するよう要求できる』といった内容は、これまで労働部・検察 の指針や大法院判例で、不法派遣の要素と認められてきたことまで『請負』の 要素になると主張するもの」と細かく批判した。

また、『社内下請業者を変更する時は雇用を継承し、社内下請業者が別の工程 で継続雇用』という案には「社内下請・清掃用役などの間接雇用労働者が労組 に組織されている場合、すでに実施されている慣行で実効性がないか、あるいは 既存の慣行で格好をつけるような条項」と指摘した。

ユン チーム長は「ガイドラインは実効性の議論ではなく、これが蔓延した偽装 請負(不法派遣)に免罪符を与える試みだという点に合わせなければならない」 とし「派遣法、労働法を守っていては企業ができないから、派遣法の規制を すべてなくし、派遣法・労働法に規制されない社内下請という治外法権領域を 認めろという資本の要求だということをはっきり認識しなければならない」と 強調した。

全国非正規労組連帯会議も5月31日に声明書を出して「ナイフテロと業者廃業と いう恐るべき元請資本の弾圧に対し、社内下請労働者のすさまじい闘争が10年 近く続いた結果、業者が変わる時は雇用継承が基本になっており、労組弾圧の ための廃業は、元請の不当労働行為になるという大法院判決を引き出した」と し「非正規職労働者が時には命がけで数千人が解雇と拘束されても戦った成果 を『社内下請け勤労条件保護』のための措置だと言って出すのか」と糾弾した。

また「2004年12月、現代自動車社内下請1万人全員を不法派遣と判定した前後、 社内下請などの間接雇用が『派遣か請負か』をめぐり、労働と資本の間で巨大 な闘いが行われてきた」とし「昨年7月22日大法院が現代車社内下請を不法派遣 と判断する判決があり、今、資本側は戦略を修正して派遣と請負の間に『社内 下請』という第3の領域を新しく設定し、規制方案を作ろうとしている」と糾弾した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-05-31 18:55:17 / Last modified on 2011-05-31 18:55:20 Copyright: Default

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