韓国:68革命、いや6月抗争の教訓 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(12/25) ・レイバーネットTV(12/11) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班 ・ブッククラブ(2025/1/11) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第97回(2024/12/10) ●〔週刊 本の発見〕第370回(2024/12/12) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/12/19) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第15回(2024/12/24) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第96回(2024/12/5) ●「美術館めぐり」第6回(2024/12/23) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
68革命、いや6月抗争の教訓[寄稿]今『李明博以後』を準備すべきではないか?
イ・ジンギョン/ 2008年06月12日19時06分
5月初めに清渓広場で小さな規模で始まったキャンドル集会が、政権の扇動と全 国民の呼応によりますます拡大し、6月10日には50万を越える大規模な大衆が集 まる壮大な集会にまで拡大した。事態がここまでくれば、何か大きい事件につ ながるだろうと予想するのが自然だろう。だが、これを阻止するために警官が 光化門の真ん中にコンテナで城壁を築くという本当に希代のコメディーを演出 し、その城壁の裏に隠れて李明博は国民が集まり、一気に内閣と秘書陣を交替 させ、空白が発生することを心配してくれていると内緒話をしている。人々を 怒らせる李明博のコメディーだとしても、どう見ても周辺の人物は現在の状況 を全くわかっていないようだ。 また今、政府は現在の事態にいかなる戦略もないようだ。戦略はなく、状況把 握も全く出来ていない。企業運営しか知らなかった人だからだろうか? さもな くば、大統領の兄と核心秘書官から、要職を掌握した腐敗しているだけでなく 無能この上ない官僚のためだろうか? それでまだ(!)大統領以下の役人は、とん でもない話をしている。したがって、現在の事態を打開するどんな戦略的対策 も出される可能性は殆どなさそうだ。そのため事態は彼らはもちろん、私たち が考えるよりはるかに深刻かつ急に差し迫っている。この前、冗談半分、真実 半分で「李明博政権以後を考えなければならない」という話をある週刊誌に書 いたが、今の状況はこれを冗談ではない所に行っているようだ。 事案はすでに牛肉問題を越え、すべての政策に、結局は現政権の進退問題全体 にまで拡大して久しい。事態の深刻性は、支配層内部の分裂をすでに表面化し ている。チョン・ドゥオンの暴露性発言とそれに対する与党の人々の支持は、 その分裂が共存不可能な状態にまで進んでいることを示す。ここに『成長指標』 を合わせようとするあきれた短見で取られた経済政策で、物価が上がるだけで 雇用も成長も共に失敗しており、それが米国発の経済危機の猛威に危険に露出 している状態だ。 ただ企業の利益や一部の富裕層の利権のために提案された李明博政権のすべて の政策は、大衆の全般的抵抗に直面して行き場を失って漂流している。『革命 的状況』という言葉は現実離れして聞こえるかもしれないが、現政権の危機が 全面的だということ、政権の存立そのものを揺さぶる所に進んでいるというこ とは明らかだ。 ▲事案はすでに牛肉問題を越え、すべての政策で、結局は現政権の進退問題全体にまで拡大して久しい。/写真:キム・ヨンウク記者 そして大衆の流れはすでに手がつけられない巨大な怒涛になった。ここに李明 博や政府の官僚が一日も欠かさず失言でその流れの形成を加速している。大衆 の流れが巨大になれば、それは結局ポジティブフィードバックで加速する。今 のように流れが巨大になれば、物事がうまくはこび、事がうまくいけば大衆が さらに集まって、それはまた事をさらに急速に前に押し進めるためだ。 ここで大衆の指数的拡大を阻止するには2つの方法がある。一つは大衆が恐怖で 個別化させることだ。それには大衆が散って、散ることが大衆をさらに恐怖に 陥れて、さらに急速に散らせる。しかし今、それは絶対に不可能な状況だ。大 衆はすでに恐怖を忘れて久しい。「私が主導者だ、私を捕まえて行け」と各自 が立ち向かう状況、権力は恐怖の対象ではなく、軽蔑と嘲笑の対象になった状 況、そして警察の暴力は大衆が手に持った無数のカメラとインターネットで無 力化された状況で、どうすれば大衆を恐怖の感情に押込めることができるだろ うか? 仮定は難しいが、さらに軍隊が発砲しても、今は火に油を注ぐことにし かならないだろう。 もう一つは、大衆の不満をなだめたり解消する何かの電撃的な打開策が提示さ れることだ。だが今、そんな戦略的考慮も、戦略的思考も現政権にはないよう だ。彼らはいかなる針路もない。ただ耳をふさぎ、問題を先送りしているだけ だ。したがって大衆の流れは特別な理由がない限り、ますます高揚して続くだ ろう。 しかしいつまでもこうした状態は続かない。結局、現事態に全面的責任を負う 形で現政権の『降伏』宣言に進むほかはないだろう。事実、そのほかはすでに 大きな効果を上げるカードもない。たとえば大統領の信任に関する国民投票に 今の懸案をかけたとしても退陣の道に進むのは明らかだ。ところが本当に堪え 難いのはその『後』だ。 大衆は流れであり、流れは氾濫して過ぎ去るが、何か形のある体制は作らない。 大衆の流れを安定した何らかの体制に構成できなければ、大衆の流れがさらっ ていったその場には、ゴミのように残ったものがいちはやくその空席を占有す る。 68年5月革命がそうだった。大衆の巨大な波でドゴール政府は根本的な危機に瀕 したが、その流れは権力を掌握して新しい体制を樹立するいかなる物的な構成 体も形成できず、そこでドゴールは新しい選挙で再執権に成功した。6月抗争も そうだった。6月29日、全斗煥政府は全面的な降伏を宣言したが、その降伏の後 に行われた選挙で勝ったのは、盧泰愚だった。大衆集会や大衆運動と選挙は、 全く違う原理により、全く違う方式で動くためだ。それがフランスの68革命と 韓国の6月抗争が共通して今の私たちに知らせる教訓だ。 現政権が今、もし信任に関する国民投票を受け入れ、それ以後にまた選挙をし たらどうなるだろうか? 恐らくわれわれは歴史がまた繰り返されるのを見るこ とになるのではないだろうか? 現在の状況を引っ張っていき、結果を権力に変 換させる組織はもちろん、大衆運動の行方を率いる『指導部』もない状況、そ れでも目だった大衆的な『候補』もない状況で選挙の結果を予測するのはとて も容易ではないか? 危機意識の中で以後の政府を掌握するために、保守層はま た急速に力を集めるだろう。その結果、たとえば盧泰愚の代わりに朴槿恵が次 の政府を構成するようになることが最も容易に想像できる結果ではないだろうか? 朴槿恵と李会昌の対立の中で進歩陣営が勝つと推測するのは、冗談だとしても ひどい冗談になるだろう。なぜなら進歩陣営には彼と対決できるいかなる『指 導者』も表面化さえできない状況なのに加え、ほとんど自分の政派的な立場に 過度に忠実で、どちらか一方に力を集めてることが難しいということが進歩陣 営の強固な指向であることを知れば、あちらの候補が二人なら、われわれは政 派の数ほどに多いと仮定するのが現実的な所だからだ。 決してうれしくはないそんな反復を避けるには、『指導部』ではなくとも、最 低、『李明博以後』を考える緩くても広範囲な協議的組織ができなければなら ないのではないだろうか? 進歩陣営のさまざまな組織とさまざまな政党が『連 席会議』の形ででも集まり、以後の力を集める構成的な枠組みを作り、そこで 李明博以後の選挙で保守派と対決する候補の大衆的な支持を確認する方式で選 ぶ準備をすべきなのではないだろうか? 20日を基点として李明博退陣を狙った 新しい次元が国民的抗争に介入し、『以後』を準備する、進歩陣営の協議体的 組織が作られなければならないということではないだろうか? 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2008-06-16 01:54:30 / Last modified on 2008-06-16 01:54:32 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |