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「政府が変わらなければ、白旗投降はない」

[インタビュー]クォン・スンボク全国公務員労組委員長

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年03月13日16時18分

公務員労組特別法を拒否するのか、受け入れるのか

全国公務員労組が昨年11月に続いて2月に開かれた代議員大会でも公務員労組 特別法を拒否するかどうかをめぐり、論争を続けている。

全国公務員労組は昨年11月の臨時代議員大会で、「公務員労組特別法拒否」を 原則として意見を集約したが、さる2月25日17次定期代議員大会で「組織の進 路を確定するための総投票案」がまた上程され、公務員労組特別法をめぐる内 部の対立がまた始まった。この日の定期代議員大会では、一部の代議員が偶発 的に壇上に上がる事態まで起きた。そのため定期代議員大会は流会になったが、 論争は相変らず進行中だ。

クォン・スンボク委員長、特別談話文に続き設立申告支部の権限停止

そのため全国公務員労組のクォン・スンボク委員長は5日に特別談話文で、 「組織進路合意案が導出されるまで、代議員大会を延期する」という強硬姿勢 を示した。そして13日に全国公務員労組の中央は「組合決意事項違反行為無効 宣言および設立申告推進中断勧告」という題名の文書を各本部に送り、「16次 全国代議員大会では『政府と合意するまでは一般法による労働三権争奪闘争を 展開し、法外労組原則を守って行く』と決めたので、所属本部・支部はこれを 遵守する義務がある」とし、特別法労組設立を問う組合員賛否投票、アンケー ト調査、支部決意などを実施した支部は、20日までに違反行為の無効を宣言し 設立申告推進を中断することを支部ホームページの公示事項で宣言するように 指示した。

また「特別談話文による組織方針」で、設立申告をした13支部の権限を停止し、 設立申告のための委員長選挙を完了した4支部の権限を停止して、賛否投票と アンケート調査をした14支部に是正勧告をした。

特別法受容側、「代議員大会を再開しろ」

特別法受け入れの立場を持つ側も態度を曲げていない。本部長12人は同日発表 した「全国代議員大会の混乱に対する私たちの立場」で、「公務員労組を死守 するための立場は、この前の代議員大会以後さらに深刻に対立しており、これ 以上放置すると組織の未来が不透明になる」とし「早く全国代議員大会を再開 し、総意を問うことしかない」と主張した。

続いて彼らは「組織の進路を問う総投票実施の提案は、各地域・職能・支部の 組織力、闘争力の違いを認め、公務員労組が分断されることなく一つになるべ きだという前提のもとに、これを組合員の力で克服しようということ」と説明 し、「今後予想される周辺の情勢は容易ではないが、早く組織を再整備し、戦 列を整え、組織力と闘争力を復元すれば特別法の無力化は可能」と明らかにした。

一方、政府は全国公務員労組支部事務室の追加閉鎖文書を送ってさらに弾圧の 程度を高めている。公務員退出制導入、総額人件費制導入、公務員年金改悪な どで公務員労働者の生自体を揺さぶっている。

鶏が先か、卵が先か。法を受け入れてなくすのか、拒否してなくすのか

このように、風が静まる日のない全国公務員労組のクォン・スンボク委員長と、 12日に会った。クォン・スンボク委員長は「鶏が先か卵が先かのように原点に 戻るほかはない論争であり、組織のために役に立たないと思う」とし「外部の 弾圧で6ケ月を過ごし、路線をめぐり内部での論争に6〜7ケ月を過ごした。現 場では、のしかかる弾圧と構造調整でこれを突破する闘争が要求されている。 これ以上、現場組合員の欲求を解消できない委員長として残ることはできない。 さまざまな方法で、政局を突破したい」と心境を明らかにした。

続いてクォン・スンボク委員長は「昨年9月の代議員大会で、初めて総投票の 話が出てきた。それで11月に委員長執権で臨時代議員大会を上程し、現場巡回 討論会などで意見を取りまとめて、特別法をめぐる論争の終止符を打とうとし た。そして11月の代議員大会で過半数以上の代議員の賛成により、特別法拒否 の執行部案が通過した。しかし、あれこれ理由をあげて、特別法受け入れ側は 代議員大会の結果を認めず、定期代議員大会に再び総投票の案を上程した」と、 これまでの論争の過程を説明した。

クォン・スンボク委員長は特別談話文という「強硬姿勢」を打ち出したことに ついて、「特別法を受け入れる側の組織化で、9月の代議員大会から6か月間、 消耗的な論争に組織が没頭していた」とし「私はもう一度、重大な決心をしな ければならないと考えた」と話した。クォン・スンボク委員長は昨年11月の代 議員大会で、委員長辞任をかけて特別法の受け入れ、拒否の議論を行った。

クォン・スンボク委員長の特別談話の後、自由掲示板に多くの批判が書き込ま れている。これに対してクォン・スンボク委員長は「意志の表現だ」と話し、 「一年間、さまざまな役員会議と公式・非公式の巡回懇談会と討論会などで現 場の声を聞いた。組合員は組織が半分に分かれていることに対し委員長の指導 力不足だという話も聞いた。これまで合理的に行おうとしたことへの批判とい う気がする」とし「負担になっても全組織の方針と闘争方向、そしてその責任 は委員長が担って行かなければならないと考える」と述べた。クォン・スンボ ク委員長は多様な方式で論争に対する意見を集約していく計画だと述べた。

政府の弾圧、構造調整の開始... しかし

こうした全国公務員労組内部の対立を知ってか、行政自治部は地方自治体に事 務室再閉鎖の指針を送り、地方自治体は公務員退出制で構造調整の信号弾を飛 ばした。そして公務員労働者の暮らしそのものを揺るがす公務員年金改悪も目 の前だ。公務員労働者たちは戦わざるをえない状況に追い込まれているのだ。

クォン・スンボク委員長は公務員退出制について「50年の歴史で繰り返され続 けてきた」とし「政権が変わるたびに人為的に上から行われる粛清の過程だ。 火を見るより明らかだ。こんなことを参与政府がするということは、歴史を30 年逆回しにしようということだ」と強く批判した。

このように闘争が迫っていることが、また特別法受け入れ、拒否論争に戻る。 クォン・スンボク委員長は「本当に苦しい」と口を開き、「公務員労組が一つ になって、代案を作って闘争で阻止しなければならない。弾圧が強まり、まる で特別法を受け入れれば要求事項が解決できると思う組合員と共に、教育して 扇動し、闘争の重要性を知らせなければならないのに、それができない組織の 状況があまりにも残念だ」と話した。

続いてクォン・スンボク委員長は「特別法受け入れ拒否は2期指導部の時から 確かに決まっていた基調」と強調し、「公務員労組を発足させ、6年間戦って きた理由は、植物労組、御用労組ではない、特別法でなく一般法によって労働 三権が保障される労組を作ろうということだった。政府の認識が変わらないの に白旗投降はできない。特別法を防ぐためのストライキで犠牲になった2622人、 455人の罷免解任者、150人あまりの司法被害者に責任を取れない組織になるこ とはできない」とし「労働組合運動をする最も大きな理由は、自主的な組織を 作ろうということだ。もう政府の指示で動く公務員ではないということ、労組 ではないということを示す」と意志を明らかにした。

最後にクォン・スンボク委員長は「立候補当時の公約集をまた読んでみたい」 と伝えた。続いて「組合員たちが私にくれた2年は、当時の公約を誠実に履行 する期間だ。変わることはできない。弾圧で動揺している組合員が何かの理由 があって弾劾をするのなら、弾劾を受ける。だが私の原則は変わらない」と強 く話した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-03-19 05:18:36 / Last modified on 2007-03-19 05:19:18 Copyright: Default

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