韓国:監査院が違法な労使関係を要求 | |||||||
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監査院が違法な労使関係を要求公企業構造調整の要求は越権
アン・ボヨン記者
coon@jinbo.net / 2009年05月12日11時46分
最近、企画財政部が公共機関経営情報公開システム(アリオ)を通じて、公共部 門団体協約を分析、評価し、介入するなど、公共部門労組を圧迫している中で、 監査院が公共機関労組を狙い打ちで監査、公共機関の既存の団体協約を無効に して公共機関労使関係全般に介入しているという分析が出てきた。 社会公共研究所は5月12日に発表した報告書(問題ペーパー)で「監査院が公共機 関への包括的で集中的な監査を行い、公共機関労使関係に介入し、公共機関先 進化の前に立っている。これは公共機関への越権介入および違法な労使関係を 助長する」と主張した。 2009年4月18日に開かれた「公共機関先進化推進点検ワークショップ」でキム・ ファンシク監査院長は「一度締結された労使協約の効力はしばしば絶対的なも のと誤解されている。公共機関で主務長官の予算承認のない状態で結んだ労使 協約は効力がないという大法院の判例がある」とし、事実上、既存の団体協約 を無効にして公共機関労使関係全般に介入する意志を公表したわけだ。 監査院監査対象機関98か所のうち機関長79人(80.6%)が辞任 社会公共研究所は監査院監査に対して「2008年に行なわれた公共機関への監査 は、任期が保障された機関長を政権の好みに合う機関長に交替するための狙い 打ち監査だったとすれば、2009年の監査は監査院が10個所余りの公企業に送っ た「公共機関先進化課題点検票様式」で労組に関する膨大な資料提出を要求し たことでわかるように公共機関労組活動無力化に焦点をおいている」と評価した。 2008年上半期、監査院の大々的な公共機関監査で辞表を提出した公共機関機関 長は79人で、監査対象機関98か所のうち80.6%だった。そしてそうして空席になっ た席は、ほとんどが李明博大統領と親しい人物で満たされた。 労働部と監査院が公共機関序列化 2009年、監査院はガス公社、韓電KPSなど10個所ほどの公企業に「公共機関先進 化課題点検票様式」を送り、社内勤労福祉基金出資および執行現況など21項目 にわたる膨大な労組関連の資料提出を要求した。特に労組事務室、労組運営施 設、勤務者人件費支給現況などの金額提出を要求しただけでなく、委員長執務 室の面積の把握も要求した。 労働部は最近作成した『傘下(関連)公共機関団体協約分析および改善法案』で、 団体協約を労組加入と労組活動保障、労組の経営参加、人事権制限、賃金など 勤労条件の4項目に分けて評価し、公共機関を序列化している。 キム・チョル研究委員は「労働部の『傘下(関連)公共機関団体協約分析および 改善法案』は、労働部が明らかにした通りに公共機関全体に拡大すれば、監査 院が提出させる公共機関先進化課題点検票様式は公共機関序列化評価のための 効果的な根拠資料として活用されるのは間違いない」と話した。 またキム・チョル研究委員は「労働部の発想自体が現行法の不当労働行為にあ たる余地が高く、評価を越えて自主的な労使交渉と、憲法による労組の団体交 渉権を侵害するものだが、これが監査院の無理な資料提出要求の『労組弾圧の ための狙い打ち監査』と結びつけば公共部門労組活動そのものが終わるしかな い」と批判した。 監査院の公企業構造調整注文は越権行為 監査院は2008年に大規模な公共機関監査を実施し「不良(地方)公企業を清算し て、設立目的と違っていたり、民間部門と競合、重複する事業は果敢に整理し、 (地方)公企業の公共性と収益性を向上」させると明らかにした。 しかしこれは「監査院が公企業の構造調整を要求したり公企業子会社の売却な いし公企業私有化(民営化)を要求することは越権水準の行為」と批判した。 キム・チョル研究委員は「公共機関をきちんと監査するには公共機関支配構造 の混乱から調査すべきで、公共機関らしい公共機関になる最大の障害要因であ る情実人事への検討が先だ」と指摘した。 監査院が違法な労使関係を助長 また社会公共研究所は「監査院の監査が違法な労使関係を根絶せず、むしろ助 長している」と批判した。 18日に開かれた「公企業先進化推進点検ワークショップ」でキム・ファンシク 監査院長は「公共機関の放漫経営は、経営陣のモラルハザードや労使合意を装っ た違法な労使関係から始まった」と話した。またキム・ファンシク監査院長は 「今年は、個別公共機関先進化履行実態および違法的労使協約実態などを常時 点検して、来年に大規模な特別監査を実施した後、その結果、放漫経営などへ の厳重な責任を問う」と話した。 実際に監査院が2008年に公共機関に送った300余りのチェック項目は人材運営、 組合員の範囲および団体協約など、労使関係部門、人事制度などで、これによ り監査院は労組の加入範囲、活動内容を調査したり、進行中の団体協約や労使 合意の締結まで中断させた。 これについてキム・チョル研究委員は「労使合意の内容が気に入らなければ 『放漫経営』、公共機関改革を遮る主犯として公企業労組を想定しているとい う認識をありのままに示す。監査院の言葉の通りなら、公共部門労働組合は存 在もすべきではない悪」と批判した。 キム・チョル研究委員は「これは事実上、公共機関の労組活動を大きく萎縮さ せ、自主的な労使関係を破壊しようとする政府の意志」と指摘し「監査院の狙 い打ち監査が公共部門労使関係を悪化させているので、これを改革するために 監査院の国会移管や独立機関化など、独立性を確保する方案だけでなく、労働 基本権への再認識と共に、公共性の評価に基づく政策監査を強化せよ」と述べた。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2009-05-14 04:21:44 / Last modified on 2009-05-14 04:21:45 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |