韓国:[チャムセサン企画]文在寅100日を語る(3)教育 | |||||||
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文在寅政府、教育改革はきちんと推進されるのか[チャムセサン企画]文在寅100日を語る(3)教育
イ・ヒョン(全教組正しい教育研究所長) 2017.08.24 05:24
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国政支持率が80%を行き来しながら、連日高止まりしている。 李明博(イ・ミョンバク)-朴槿恵(パク・クネ)の守旧保守政権の期間に積み重なった積弊の中に、 比較的国民的な合意が高いいくつかの事案に対する迅速な措置が高い支持率の原因だろう。 また、朴槿恵前大統領の統治方式が近代国家の政治指導者にはあまり見られない非常に退行的で閉鎖的な姿だったため、 文在寅大統領の相対的に合理的で人間的なイメージと開放的な統治スタイルもまた、大統領の高い人気の秘訣であろう。 教育部門もこれと似ている。 国定教科書推進中断、一斉試験廃止、キム・チョウォン-イ・ジヘ期間制教師殉職認定など、 いくつかの積弊事案に対して非常に素早い動きを見せた。 この中でも特に、一斉試験の廃止は痛快というよりも苦々しさを与えた。 10年近く一斉試験を強行して、教育部は一斉試験に反対する教師を解職し、懲戒した。 しかし国政機会諮問委の一斉試験廃止要求文書一枚で、一斉試験施行のわずか6日前に教育部は一斉試験を全面廃止した。 教育政策に対するいかなる所信や哲学も存在しない、 霊魂のない官僚の素顔を見るようで、苦笑するしかなかった。 文在寅政府執権初期の高い人気が韓国社会の構造的な問題の成功的な改革につながるわけではない。 国民の反対世論が高い鋭い懸案を迅速に処理したとしても、 文在寅政府が構造的な問題を解決する十分な力量を持っているとか、 改革に対する高い意志を持っていると判断することはできない。 教育部門においても、果たして長い間続いてきた構造的な問題を解決することができるのかは疑わしい。 [出処:教育希望] 教育改革の核心、入試制度...改編案は大幅後退教育部門には多くの問題が山積しているが、最も代表的な問題は入試中心の教育と官僚支配体制だ。 大部分の近代国家において、学校教育は社会的な地位配分の主要なしくみであり、 社会的な不平等が存在する状況において程度の差はあっても入試競争が存在する。 だが韓国の教育における入試競争は非常に特異だ。 極端な大学序列体制と学閥の過剰補償体系により、入試競争が教育を支配する強度が非常に高い。 学校教育の目的と価値は、ただ入試競争で点数を取ることに帰結する。 1980年、全斗煥(チョン・ドゥファン)新軍部が国家が管掌する入試制度(学力テストと修学能力)を導入して以来、 学校教育は国家入学試験の準備に埋没した。 教育は学生一人一人の学習と成長を一次的な目的とする。 点数を取ることに埋没した入試競争教育は、教育の本質を傷つける。 学生たちは熱心に勉強するが、必要な学習と成長は起きない。 むしろほとんどの学生は無力感と敗北感を感じ、少数は出世指向的な人間になる。 また、競争の強度が高まるほど、家庭の支援が決定的な変数となり、 学校教育は社会の不平等を再生産して正当化するしくみになる。 したがって、入試制度改革は教育改革の核心的な課題だ。 文在寅政府は修学能力絶対評価により、これ以上学校教育が修学能力の支配を受けないようにすると公約した。 だが実際の修学能力改編試案を作るにあたり、大幅に後退してしまった。 修学能力絶対評価は修学能力の弁別力を大幅に弱め、学校教育がこれ以上修学能力の準備に埋没することを防ぐ制度だ。 だが教育部は修学能力の弁別力を維持しなければならないという一部の世論の立場を受け入れ、 その結果、修学能力の負担を減らすことができない絶対評価9等級制(教育運動陣営は5等級制を主張した)を提示して、 その上に一部の科目は相対評価を維持する方案を基本方案として提出した。 修学能力の影響力の弱化と修学能力の弁別力維持という互いに共存できない2つの信号を同時に送ることにより、議論と混乱ばかりあおっている。 教育の門外漢と思われる総理まで加勢して、修学能力の改善案は改悪案に近い方向に流れている。 (修学能力の弁別力がなくても通知表を中心として学生を十分に選抜することができる。 今でも随時選考で70%以上の学生を選んでいる。 もちろん、通知表総合選考は大きな問題を持っている。 したがって通知表総合選考の改善方案を同時に用意しなければならず、 通知表選考において通知表教科選考の割合を大幅に拡大しなければならない。 修学能力は論述考査の次に私教育の依存度が高い試験だ。 私教育がなく学力テストで大学に進学した壮年世代の郷愁とは違い、 私教育に依存せずに修学能力で高得点を得ることははかなり難しい。) 官僚支配体制改革も公約とは違う韓国の教育体制のもうひとつの特徴は、強固な官僚支配体制だ。 日帝強制支配期の時、近代学校教育の体制が形成され、 すべての教育の権限を中央政府が独占する極端な垂直的な権威主義体制が形成された。 解放後にも独裁権力が生まれて中央集中的な官僚支配体制は続いた。 韓国のほとんどの教育政策と教育制度は、教育部の官僚によって左右される。 教育部の高位官僚はほとんどが公務員国家試験の出身者だ。 彼らは教育学を専攻した専門家でもなく、教育経験がある人々でもない。 当然、教育に対する哲学と所信はもちろん、教育現場についての具体的な理解もない。 彼らは権力上部の要求と流行する世界の教育トレンドを適当に混ぜ合わせ、 教育政策と教育制度を企画する。 学校長は学校の構成員の意見をまとめて民主的な決定を支援するのではなく、 上部の教育官僚の指示と命令を遂行する役割を相変らずしている。 現場で教育実践を担当する教育主導者の権限が不在なので協力的な関係形成も難しく、 高い責任感も持つことが難しい。 学校現場の活力が窒息している。 これらの問題を解決するために、 大統領選挙期間中に教育部を解体して国家教育委員会を構成すること、 教育部と教育庁の権限を学校現場に大幅に委譲することを要求する声が高かった。 ほとんどの候補もこれに関する公約を提出し、 文在寅大統領は諮問機構としてまず国家教育会議を構成し、 その後に国家教育委員会を設置すると公約した。 ただし、国家教育会議に力を与えるために大統領が議長を直接担当するといった。 だが現在、立法予告されている国家教育会の方案を見ると、 民間人が議長になることに変わった。 また、政府の官僚と大学当局の参加は法令で保障して、 幼稚園・小学校の教員や大学教員、そして保護者-学生などの教育主体の参加は法的に保障しない。 また国家教育会議や国家教育委員会の設置よりも重要なことは、教育主導者の意見収斂と民主的な参加を制度的に保障することだが、 これに対する方案は存在しない。 教育問題は非常に多様な利害当事者がからんでいて、ほとんどの国民が関心を持っている敏感な事案だ。 高い政治的指導力と徹底した民主的手続きの後押しがなければ、教育改革は混乱と社会的議論ばかり加重させるという危険がある。 大統領が議長になることは、そうした状況のために必要だった。 だが何の解明もなく、ひっそりと後退した。 当事者の折衷主義が勢力を伸ばすか文在寅政府が初期の人気迎合的な政策を越え、 構造改革で前進することができるのかは非常に疑わしい。 特に教育部門はなおさらだ。 すでに改革推進主体の形成や改革意志において、問題点が露出している。 現場の教員と共に教育改革を推進する意思があれば、 すでに全教組法外労組問題を解決するべきであった。 だが守旧-保守勢力の顔色を伺いながらチャンスを逃した。 積弊勢力である教育部官僚に対する措置も確認しにくい。 教育改革の主体的な動力を確保する革新的な方案も見つけるのが難しい。 むしろ、修学能力改編方案と国家教育会の構成方案を通じ、 教育部門では大きな変化がないだろうし、 教育権力の配分においても既存の体系がずっと維持されるという信号を与えている。 歴代の政権は政権交代以後、以前の政権の教育政策のいくつかを廃止したり改善し、 差別化を試み、新しいいくつかの政策を追加してまるで新しい教育改革が可能になるかのように宣伝した。 だが結局、韓国教育体制の基本的な性格は変わらなかった。 李明博-朴槿恵守旧保守政権で権力層の政治的な意図が教育に強く貫徹されたとすれば、 文在寅政権では修学能力改善案に見られるように、 利害当事者の折衷主義が勢力を伸ばす可能性が高い。 官僚の主導で多様な利害当事者の要求を受け入れるという名目で、 折衝的な妥協案が羽を伸ばすだろう。 構造的かつ根本的な改革要求は、利害関係者の多様な立場を無視する過激な意見に置き換えられるだろう。 官僚だけが利害当事者の要求を合理的に調整できる中立的勢力だと包装されるだろう。 金大中(キム・デジュン)-盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時の姿がそうだったし、 文在寅政権でもそのような兆候がすでに見られている。 [連載順序] 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2017-08-26 16:42:56 / Last modified on 2017-08-28 23:20:57 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |