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解雇はそんなに簡単なものではないぞ!〜西武バス不当解雇裁判

堀切さとみ


*左から白神優理子弁護士、西武バスユニオン委員長の矢口正さん、原告の中村文治さん

 4月17日、東京地裁606号法廷で、西武バス不当解雇裁判の第13回口頭弁論があった。
 事故歴もなく表彰されたことさえある中村文治さん。突然の解雇通告から3年、組合(西武バスユニオン)と共に、裁判を闘ってきたが、この日はいつになく晴れやかな表情をみせた。

 会社側は、中村さんがいかに違反を重ねてきたかを印象付けようとしてきたが、何の証拠も示すことがなかった。裁判所からの文書提出命令によって、ついにこの日、六百ページにも及ぶ書面(添乗記録や成績表)を出してきた。これらが果たして会社側の主張を裏付けるものなのか、見ものである。そもそもこれらは裁判でなくても、要求されれば開示しなければならないものだが、会社は三年間も出し渋ってきたのだ。そのことだけ、ここに記しておきたい。

 傍聴席は毎回、支援する労働者で埋まる。中村さんは会社が提出した分厚い紙の束を抱えて「これだけの書類を出させることができたのは、皆さんの傍聴のおかげ。普通解雇なんて認められないという圧力になっている」と笑みをみせた。

 西武バスユニオン委員長の矢口正さんは「同じようなことは他でも起きている。この裁判を通じて、未来を奪う普通解雇など、あってはならないことだと示したい」

 前回から裁判官が一人から三人に増え、合議制になった。弁護団の白神優理子さんは、「はじめは軽く考えていた裁判所が、真剣に考えざるを得なくなった証左だと思う」と胸を張る。

 1人の人間の首を切ることを、いとも簡単にやってしまう。やる気も能力もある労働者を排除する。そんな会社の体質を絶対に変えていかなければ。
 次回期日は7月17日に行われる。

*西武バス不当解雇問題について、2月28日放送のレイバーネットТVで特集しました。こちら


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