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放射能汚染水を海に流すな!/韓国国会議員団と共に霞ヶ関で訴え
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放射能汚染水を海に流すな!〜韓国国会議員団と共に霞ヶ関で訴え

尾澤邦子

動画(12分)

 熱い太陽が照りつける7月12日午後1時、紺地に白字で「みんなの海共に守ろう」とハングルと日本語で書かれたおそろいのTシャツを着て「福島核汚染水投棄阻止大韓民国議員団」と韓国の水産業者のみなさんが東電前に立ちました。
「日本政府と東京電力は、汚染水が環境に影響しないという何の根拠も提示していません。関係者との合意なしには放流しないという約束を守るべきです。海はつながっています。安全性を確保できない放流には反対せざるを得ません」と訴えました。

 韓国でノリの養殖を30年やってきたという漁民パクさん(下写真)が訴えました。「今回の放流はコストが安いからと聞いているが、もしそうなら世界の漁民から寄付を集めてでも最も安全な方法で処理してほしい。放流は30年も続くという。漁民の生計はどうなるのか、このまま見殺しにされるのか。完全な安全が確保されるまで、海洋放流は止めなければなりません。海は核のゴミ捨て場ではありません」と訴え、「日本政府は海洋放流を中断せよ!」と叫びました。

 経済産業省の前で、国会議員のユンミヒャンさんが「海は誰のものなのか」「みんなのものだ」「私たちの海を共に守ろう!」「東京電力は海を汚すな!」「汚染水放流は国際法違反だ」「海洋放流に反対しよう!」とコールしました。そして、12年にわたり、経産省前で抗議の座り込みを続けている人たちと、エールの交換をしました。

 外務省前では、ユジョンジュ国会議員(下写真)が発言。とても若い女性で、年配者が多い日本の支援者たちを見て「守護神のようだ」なんて言っていました。そして「私たちは日本政府に対し、代案はあるのになぜ危険な方法を選択するのか、と聞いているのに答えてくれない。日本政府と東京電力は、決まったことに従えとだけ言い、それについての責任をとろうとしない。たとえ数%の危険性だったとしても、危険性があるなら選択しないのが常識です」とアピール。

 行動の最後は首相官邸前で「福島汚染水の海洋放流を即刻中断せよ!」と訴えました。
 暑い中、時間に追われながら歩いて回った約1時間半。まだまだ言い足りないようでしたが、その行動力と熱意と力強さを感じました。

 12日の行動に先立ち、7月10日午後6時半からお茶の水の連合会館で「放射能汚染水を流すな!日韓交流集会」が開催されました。主催者の「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」の藤本泰成さんは「IAEAの報告は汚染水放出をよしとしたものではない。日本政府は安価な方法を選ぶのではなく、全ての人々が納得できる方法を求める」とあいさつしました。

 原子力資料情報室の伴英幸さんは「IAEAが日本政府から評価を依頼されたのは、放出が決まった後です。放出は前提でした。汚染水に含まれるトリチウムは、放出すれば海産物を通して身体に取り込まれる危険な放射性物質です。DNAを傷つけます。セメントで固化するなど他の方法もあります。『放出ノー!』の声を上げ続け、政府に政策転換を求めましょう」と話しました。

 韓国から来日した国会議員、水産業界の方々など25名が紹介されました。ムンジェイン政権下で法務部を担当したパク議員は「法的にも大きな問題があります。核廃棄物の安全管理違反であり、国連の協約にも違反しています」と話しました。ヤン議員は、韓国国会前で議員たちがリレー形式で放出反対のハンストを行ったことを報告しました。韓国の水産協会副会長のイさんは「海はひとつです。政府は自国民、周辺国の漁に携わる人々の声を聞くべきです。安全性が確保されない汚染水を放出することは絶対反対です。自国で安全に処理してほしい」と訴えました。

 恥ずかしい思いでした。安価で安易な方法を選び、事実と向き合おうとしない日本政府。絡まったひもをほどくのではなく、切って捨ててしまうような弱者切り捨て。政治のあちこちに問題を感じます。労働者・市民たちが声を上げ続けなければならないと感じます。 


Created by staff01. Last modified on 2023-07-14 23:17:53 Copyright: Default

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