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　報告＝尾澤邦子

　2023年9月1日、関東大震災虐殺から100年。
　虐殺の事実を認めない小池百合子東京都知事、「記録がない」とうそぶく日本政府。「
恥を知れ！」と言いたいです。
　午後6時半から、中央区銀座ブロッサムのホールで、「朝鮮人虐殺犠牲者追悼と責任追
及の集会」が行われました。韓国から100名の方が参加していると報告がありました。
　集会実行委員会事務局長の藤本康成さん（フォーラム平和・人権・環境　共同代表）か
ら問題提起がありました。関東大震災のさなかに多くの朝鮮人などが軍隊や警察、自警団
によって虐殺された事実があること、そしてこの事実に関して内閣府中央防災会議が、20
08年に出した報告書に記載していることなどを報告しました。朝鮮高校の授業料無償化か
らの排除など、在日朝鮮人社会への差別は植民地主義とつながっています。藤本さんは「
植民地主義を払拭し、東北アジアにおける新しい未来を築きたい」と話しました。

　おかあさんが虐殺を目撃したという在日の尹峰雪（ユンボンソル）さんが証言に立ちま
した。「母は15歳の時被災しました。妹と長屋にいましたが、そこに鎌やとび口を持った
自警団の男たちが踏み込んできました。『朝鮮人は皆殺しだ』と言って襟首をつかみ連れ
て行こうとしました。日本人の大家さんが『この子たちは何もしていない。ずっと一緒に
いたので保証する』と言って身体を張って助けてくれたそうです。安否を心配して訪ねて
きたおじさんが、近所の飯場の朝鮮人労働者が連れていかれたことで『話せばわかる』と
大井の警察署に出かけて行き、殺されて生首を晒されたそうです。母は90歳の時、日弁連
に人権救済を申し立てました。日本政府は日弁連の勧告書を真摯に受け入れ、大虐殺の責
任を認めて謝罪し、真相を調査し、原因を明らかにすべきです」と訴えました。

　韓国国会議員の尹美香（ユンミヒャン）さんがスピーチを行いました。「100年という
歳月が流れたにもかかわらず、犠牲者たちが安らかに眠れていないこの現実に対し申し訳
なく、重い責任をもってこの場に立っています。関東虐殺は、日本帝国主義の朝鮮に対す
る植民地支配を象徴する事件だと思います。犠牲者は6000人以上と言われていますが、全
ての真実は犠牲者たちの死と共に閉ざされています。日本政府は国家責任を果たさなくて
はなりません。日本政府は日本軍性奴隷制の問題、強制動員など、過去の歴史に対し反省
を見せず、国家の責任を否定しています。過去の歴史に対する否定と歪曲は、在日朝鮮人
に対する差別とヘイトにつながっています。このまま放っておけません。日本政府が過去
に行った反人道的犯罪に対し、国家責任を果たすよう国際社会と連帯し、真実と正義が実
現されるよう最善を尽くします。そのためにみなさんと手を取り連帯して進んでいきます
」と話し、最後に金福童（キムボクトン）ハルモニの言葉を紹介しました。「最後まで闘
うことが勝つことなのだ」と。ひときわ大きな拍手が起こりました。

　最後に、日本政府に対する要請文が採択されました。要請事項を紹介します。
(1)日本政府は、関東大震災時の朝鮮人虐殺犠牲者に対して、その責任を認め謝罪するこ
と
(2)日本政府は、関東大震災時の朝鮮人虐殺の根本的原因が朝鮮半島の植民地支配にあっ
たことを認め、確固たる姿勢をもってその清算を行うこと
(3)日本政府は、関東大震災時の朝鮮人虐殺に関して、その実態を明らかにすること
(4)日本政府は、上記(3)の目的を果たすために、政府内に止まらず公的機関に存在する関
係書類の調査を行うこと
(5)日本政府は、上記(1)の目的を果たすために、これまで聞き取り調査を行った市民及び
研究者を入れて、真相究明のためのプロジェクトチームを立ち上げること