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関西生コン和歌山事件で全員逆転無罪!〜3月6日大阪高裁

産業別労働組合へ憲法28条―労組法1条2項(刑事免責)を適用


*無罪を勝ち取った弁護士と組合員

 3月6日14:30から大阪高裁で関西生コン和歌山事件の控訴審判決があり、和田真裁判長は、武谷書記次長ら組合役員3名へ逆転の無罪判決を言い渡しました。一審和歌山地裁は、懲役1年4月〜10月、各執行猶予3年としていましたが、これを悉く破棄しました。

元暴力団員を差し向けたことは労組の団結権の侵害

 裁判長は、本件は強要未遂及び威力業務妨害の要件を欠いていると指摘しました。

 一審判決は2017年の事件の発端となった原因を軽視・見落としているとし、控訴審判決では、和歌山生コン広域協組M理事が連帯ユニオン事務所に黒塗りのBMW乗った元暴力団員を差し向け、ビデオ撮影や書記次長の在籍確認をしたことについて、連帯ユニオンが警察官の事情聴取を確認して団結権を侵害する脅威と判断したのは「無理からぬこと」としました。    M理事が、元暴力団員が連帯ユニオンの事務所前にいたことについて、「債権回収のために行った際、たまたま居合わせた」と弁明したことは不自然であって信用できないとしました。


*傍聴券に長蛇の列

一審判決の事実認定は、組合員に不利な部分を一方的に取り出し不合理

 そもそも事件とされた日、武谷書記次長はM理事に事前に約束を取って会いに行っていました。その協議が長時間に及んだのは先に記したように、M理事が明らかに事実でない説明をしたことが原因でした。事務所内に立ち入った人数もM理事側が指定した人数より1名多くなっただけでした。控訴審判決は事実経過を録画で詳細に検討し、この事実経緯を全て認めました。

 他方、控訴審判決は、本件起訴前に組合を脱退し、広域協組に勤めるようになったK元組合員が、「M理事に謝罪させ、屈服させて、組合の意に従わせることが目的だった」と供述していることについて、連帯ユニオンと対立する広域協組に勤務するようになったことや供述に矛盾があることを指摘し、これを信用できないとし、K元組合員の供述に依拠した一審判決を不合理としました。

産業別労働組合に憲法28条と労組法1条2項刑事免責を適用

 控訴審判決は、連帯ユニオンが産業別労働組合として組織されていることを認定し、雇用関係がないことだけを理由に労組の正当行為を認めなかった1審判決を却下、業界団体である生コン広域協組は労使関係の当事者足りうるとしました。本件当日、並行して行われた事務所前街宣については、広域協組の名誉を毀損するものとして若干行き過ぎもあるとも言えるが、憲法28条と労組法1条2項の適用あるいは類推適用があるので、違法性は阻却されるとしました。

 このようにこの日の大阪高裁の判決は産業別労働組合の行動権を全面的に擁護するものとなり、今後の裁判闘争勝利への重大なステップとなりました。


*裁判所前に林立する組合旗

大阪高裁前若松浜公園で座り込み集会、傍聴抽選には200名

 この日の判決に先立つこと2時間、続々と支援が駆けつけ、労組旗を林立させ、支援集会が行われていました。全港湾大阪支部の組合員の司会で始まり、関生支部の細野書記長が3月2日の大津地裁コンプラ事件判決を弾劾、この日、湯川委員長が保釈となり、18時からの報告集会に合流することが告げられました。大阪全労協、港合同、関西合同労組と発言が続いた後、この日判決を迎える3人の関生支部組合員が発言、自らの裁判そっちのけで、3月2日の判決を弾劾、「湯川委員長の高裁無罪を勝ち取ろう」「ビラを撒いただけの一般組合員を有罪にしてはならない」「司法を変えていく大運動を巻き起こそう」と呼び掛けていいました。その後もはるばる名古屋から駆け付けた「東海の会」の柿山事務局長の発言等が続きました。

 1:30からの傍聴券抽選会には約200名の長蛇の列ができました。

 判決後は若松浜公園に戻り、100ページを超える控訴理由書を書き上げこの日の勝利判決に導いた中島・久堀・普門3弁護士から判決内容の報告と3人の当該組合役員からの喜びの声、支援へのお礼が語られました。

 この日は18時からエル大阪で映画『ここから』の上映会、3月10日は東京で関生弾圧国賠訴訟の口頭弁論と闘いが続きます。(愛知連帯ユニオン)


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