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「川柳はもともと庶民のもの」楜沢健トーク〜フェスタ川柳部門の報告

12月24日のフェスタ、川柳の部では、楜沢健さんのミニトークがありました。

『正論』の川柳選者である、全日本川柳協会副理事長の江畑哲男氏の論考が掲載されされましたが、それについての楜沢健さんが話されました。どういう訳か、 短歌、俳句などにはない規制が川柳にあるとして、紹介してくださったのが、 「柳風狂句判者心得」で、1946年に宗家13代目が決めたというものです。

「天皇制を支持し安寧秩序を維持する事を念とし苟（いやしくも）治安風俗を害すべき作句を選択抜粋すべからざる事」（柳風狂句判者心得）

とあるそうです。楜沢さんは、これはとてもおかしいことで、もともと川柳は庶民が、 様々な不満などを含めて、575の語句に託したもので、大いにそのような句を作っていくべきだと言います。

そして、問題にした朝日川柳から3句「動機聞きゃテロじゃ無かったらしいです」「忖度はどこまで続くあの世まで」「利用され迷惑してる「民主主義」」を上げ、どこが問題かと言います。

では、『正論』で彼はどんな句を選んでいるか、よみうり時事川柳はどうかと比較しました。

「正論」202２・10：「脱炭素太陽光の美辞麗句」「美しい日本風車は似合わない」「死者に鞭そんな川柳詠める国」「川柳で朝日極めた安倍嫌い」「五七五品性下劣無限大」
よみうり時事川柳：「世界中からの弔意に送られて」「与野党の統一候補『民主主義』」

が紹介され、語気強くどんどん川柳で世間を批判しましょうということでした。

なお、フェスタ公募川柳で楜沢さん選んだのは以下の2句です。

・襲撃の真相未だ鑑定中　　　　　芒野

・忘れまい敵基地攻撃真珠湾　　　すなふきん

楜沢さんのミニトークの前には、公募川柳の報告が乱鬼龍・白眞弓からありました。

＜フェスタ公募川柳の秀句発表＞　投句者25人・49句

敵よりも自分の国に殺される　　かぼす（乱鬼龍特選）

ブラボーの声に隠れてトマホーク　　なずな

コロナよりだいぶ前からウィズカルト　Jポンド

忘れまい敵基地攻撃真珠湾　　　すなふきん

北風が霞ヶ関から吹いてくる　　お助け

軍拡原発鏡に映る地獄図絵　　　乱鬼龍

民の声聞いたふりして大増税　　祐民

戦争が軒先にまでおし寄せる　　八金

襲撃の真相未だ鑑定中　　　芒野

安売りのチラシ精読やめてデモ　　笑い茸

さあ撃つぞ鬼畜露中へ五〇〇発　　奥徒

期限切れ食品ばかり買うお婆　　　独狼

安倍去れど　悪代官の代替わり　　未然乎

＜今年の川柳句会で選ばれた句の紹介＞

1月　憲法の上にするする星条旗　 　笑い茸

2月　マスクさせ自由のにおい封じ込め　　蘭綺麗

3月　国旗振るたびに命が軽くなり　　一志

4月　お仕着せと言われようとも一張羅　　J・ポンド

5月　親ガチャをここで更新国ガチャに　　金狼と月

6月　選挙権ない在日の心うち　　　なずな

7月　国葬より教会葬が似合いそう　　今明

9月　軍国の風が噴き出す武道館　　 　白眞弓

10月 ミサイルを危機だ危機だと嬉しがり　奥徒

12月 国策と聞けば特需となだれ込む 坂巻フミエ

次回のレイバーネット句会は２月３日（金）午後６時半〜８時半　郵政共同センター及びオンラインにて開催予定です。兼題は「種・たね」（”しゅ”も可）。兼題、自由吟とも１句以上３句まで。投句締め切りは１月27日（金）24時　投句先は　https://labornetjp.jimdofree.com/senryu/　です。初めての人歓迎、ふるってご参加ください。