「僕は星になるんだ!」/足立正生監督『REVOLUTION+1』、安倍国葬の日に上映! | |||||||
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「僕は星になるんだ!」〜足立正生監督『REVOLUTION+1』、安倍国葬の日に上映!土田修(ジャーナリスト)*タモト青嵐さん(中央)ら出演者と一緒に登壇した足立正生監督(左から4人目) 安倍晋三元首相の「国葬」が催された9月27日、渋谷ロフト9で足立正生監督の6年ぶりの新作『REVOLUTION +1』(50分の特別版)が上映された。この映画は、7月8日に奈良市内で発生した安倍元首相の銃殺事件をドラマ化した作品で、8月に秘密裏にクランクインし、8日間の撮影を経て編集作業が続けられ、「安倍国葬」に合わせて緊急上映するという極め付けの話題作だ。SNSなどで「テロリストがテロリストの映画を撮った」などと酷評されたが、足立監督が「家族、愛、連帯」をテーマにしたという作品の評判は予想をはるかに越え、チケットは早々と売り切れになり、会場は満員・立ち見状態の盛況ぶりだった。 映画は獄中にいる山上徹也容疑者を思わせる主人公が自身の生い立ちや家族関係、事件に至る経緯を回想するというシチュエーションで展開する。父の自殺や兄の失明が重なり、宗教にはまり込んで財産を使い果たした母に振り回され大学進学をあきらめる。こうして主人公は家族を崩壊させた旧統一教会への恨みを募らせ、教会と深い関係にあった安倍元首相の殺害を思いつくのだが、この事件を足立監督は「復讐」ではなく、「決起」と表現する。 事件直前、アパートの一室で主人公は「僕は星になるんだ」と叫び、一種のトランス状態に陥って踊り狂う。主人公を演じた若手俳優のタモト青嵐さんは「体にまとわりついたものを全て剥ぎ取るイメージで演じた。ほかに何も考えなかった」と振り返る。実は山上容疑者の父は京都大学工学部の学生時代に、テルアビブ空港乱射事件(1972年5月30日)で死亡した、同じ京大工学部の安田安之さんの麻雀仲間だった。足立監督はそれを週刊誌記事で知ったという。 安田さんは「オリオンの星になる」と宣言してパレスチナ解放人民戦線に加わり、奥平剛士さん、岡本公三さんら同志とともに「パレスチナの星」になった。主人公も「星になる」と叫び、「安倍殺害」へとモチベーションを昂らせるのだが、その姿は安田さんを彷彿とさせ、足立監督のパレスチナ解放闘争への「連帯」を強くにじませている。最初、足立監督は映画のタイトルを「星に、なる」にしようとしたが、「叙情的だ」という指摘があり、変更したという。 上映後の会場トークで足立監督は「自分の拠り所である家族が崩壊した中で、山上は『愛ってなんだろう?』って自問したはずだ。そのまま生きればよかったのに、そうしても何もならないと気がつき、何もかも全部引き受けて『星になろう』と安倍殺害を実行に移した」と語った。事件の背景にあるのは「若者の生きづらさ」だという。「国も社会も政治家も底が抜けてしまった。人が人に寄り添いそばにいるだけの連帯の意識が失われたこの時代に、若者は極限まで追い詰められている。そうした若い人たちの状況を悲しむとともに、決起せざるを得なかった山上のことも悲しんでいる」 今回上映の特別版は主人公の妹が獄中の兄を気遣い、「決起」の意味を噛み締めるように、カメラに向かって自分なりのやり方で戦っていくことを宣言する印象的なシーンで終わる。会場トークで足立監督は「(映画で共闘した「若松プロ」の)若松孝二監督だったら、国葬会場をドカンと爆破して終わらせただろう。でも僕はそうじゃない。もう83歳だけど少しは成長した姿を見てもらいたかったんだ」と話し、会場の笑いを誘った。だが、最後に力強く「僕は100パーセント若者を肯定し、100パーセント認めるところから始めたい」と決意表明した。今後は「家族」を含めた人間同士の「連帯」と「愛」の問題をもう一度考える映画を撮りたいという。 Created by staff01. Last modified on 2022-09-30 00:47:33 Copyright: Default |