レイバーネットTV166号報告:韓国サンケン労組の粘りを支える日本の人たち | |||||||
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新しい期(2月〜7月)が始まったレイバーネットTVの報告です。
今回は、「ぜひ尾澤孝司さんをスタジオに」という思いと私たちの仲間である 韓国サンケン労組のキムウニョンさんたちの登場が実現した。 また、新企画として今話題の問題を直接、本人に聞く「きょうのホットオン ライン」の試みも行われた。 スタジオの雰囲気も和やかで、新年らしい放送になった。 (報告:笠原眞弓) レイバーネットTV 第166号(2022年2月16日放送) 韓国サンケン労組の粘りを支える日本の人たち <特集: 韓国サンケン問題とはなにか—テント籠城現場とつないで> ・動画 https://youtu.be/njo4oHdunWI ・進行:北健一・北穂さゆり ◆今月の一枚(レイバーネット写真部):水俣エコパーク内の彫刻と柑橘畑の訴え(撮影 :北穂さゆり) ◆きょうのホットオンライン いま話題の人にホットな話をオンラインで伺う新企画です。 <その1>北海道・神恵内(かもえない)村の村長選(2/27)に立候補する瀬尾英幸さんに決意を 伺った(電話インタビュー) 隣りの泊村で反原発運動をしてきた瀬尾英幸さんは、核ごみ処分場のための文献調査を 村が受け入れると聞いたことから「核ごみとは」と勉強を始める。核ごみを埋めると、飲 料用の地下水汚染や海底からの漏洩で海洋汚染の心配がある。北海道の漁業がダメになる と知る。 もう一つ大事なことにも気づく。それは、核ごみの捨て場がなければ、原発は出来ないと いうこと。その立場で立候補者をさがしたが、36年間の無風地帯で引き受ける人はいなか った。そこで瀬尾さんが立候補することになったという。全国で応援したい! <その2>石原都教委は何をしたのか? 根津公子さん
石原慎太郎氏死去で、この新聞まで?という石原の礼賛一色で埋まった日本。死者に鞭 打たない文化がここでもまかり通る異常さに、その渦中にあって闘ってきた元教員・根津 公子さんに石原都教委はどうあったのかを聞いた。(ZOOM) 根津公子さんは石原都知事が2003年10月23日に東京都の教育改革をすると宣言し、君が 代不起立は処分すると決める。君が代不起立で処分などの被害者484人は「石原が死んだ のは許せない」「マスコミは功罪というが、功はない」と怒っていると。 2004年に不起立が始まり、それに対して教師と共にあった生徒らが、年度が経つにつれ て先生の方が間違っていると。ひどいところでは階段から突き落とされたし、それを他の 先生も見て見ぬふりをすると変化してきた。それは、授業で日の丸、君が代にまつわる歴 史について話さなくなったからと分析。しかしまた最近は、根津さんの動画(ビデオプレ ス作)をネットなどで知るようになり、考える生徒も出てきたとか。 ところでこれまでの裁判結果は、根津さんたちの正義が認められている。 最後に根津さんは(たとえ司法が間違った判断をしても)、自分の正しいと信じる行動を しなければならないそうしていくことが、教育現場を変えていくことと強調した。 ◆ほっとスポット ・ジョニーHの歌は、「ミッドナイトスペシャル」の曲に乗せて、石原や維新の批判がテ ンポよく流れる。 ・乱鬼龍師匠の今月の川柳 石原を愚物偽物がほめちぎり ◆特集 韓国サンケン問題とはなにか—テント籠城現場とつないで 特集の動画 https://youtu.be/njo4oHdunWI?t=1470 ・司会=ジョニーH 出演=尾澤邦子・尾澤孝司 ・韓国サンケンの労働闘争の歴史は長い まず、闘争の歴史を尾澤邦子さんから。 サンケン電気はLED、電源トランス、照明、半導体などのメーカーで、欧米やアジアに事 業展開するグローバル企業だという。 1973年に韓国で税制優遇のある馬山輸出自由地域に、韓国サンケンを設立した。そこで、 安い労働力を使って莫大な利益を上げてきた。 しかし、1996年に社員が民主労総の組合に加入するとさまざまな組合弾圧を行い、2016年 の組合員36人の整理解雇に発展していった。そこで彼らは馬山(マサン)の工場から日本 への遠征闘争を始める。長期化する闘争を日本の市民や労働者が、自主的に支えて、2017 年に職場復帰の勝利に終わった。その写真が示された。私たち、レイバーネット日本もさ まざまに支援をして、闘争中や勝利帰国前など、このTVにも出演していただいた。 その17年の勝利に当たって、会社側は2つのことを約束する。 (1)工場の正常稼働 (2)重大な雇用問題発生時には、労組と合意して行う というもの。 ・再び始まった理不尽な闘争 ところが2020年の7月、日本の本社は、その約束を反故にして労組との合意もなく、一方 的に韓国サンケンの解散、全員解雇を決める。ところがサンケン本社は、韓国から撤退し たわけではなく、別会社を近くに作った。 韓国サンケン労組は、黙っていなかった。人手に渡った旧韓国サンケンの工場前と、ソ ウルにテントを張り、街宣活動を始める。労働者はコロナで遠征闘争できないと、高を括 っり簡単にねじ伏せられると思ていた節があるようだが、あにはからんや、毎週行われる 日本の本社前集会にはオンラインによる音声付き動画で韓国サンケン労組も参加している し、ウニョンさんたちのペープサート(紙などに書いた登場者に割りばしなどの棒を付け て動かす)がリアル感満開で参加している。地元埼玉県民の有志による抗議集会の他に営 業所のある池袋でも抗議していて、前回より参加人数は多く、近隣にもこの闘争は知れわ たっているという。 ・オンラインでエール交換 若い組合員に励まされる 韓国ソウルと馬山とをオンラインでつないで様子を伝える。テントの中は寒いと、みん な重装備の防寒着でテントの中から話してくれた。韓国の民主労総の副委員長でもあるウニ ョンさんは、韓国は労働争議が多いので大変だけど、韓国サンケン闘争を中心に活動して いるという。かわるがわる出て来る組合員は若者が多く、それぞれが闘争について明るい 雰囲気で語った。 ・なぜ5月に尾澤孝司さんは逮捕されたのか? 尾澤孝司さんが昨年5月10日にサンケン本社前で不当逮捕された。7カ月半を超える勾留か ら昨年末に解放されたときの動画か上映される。トップシーンは出口インタビュー。彼は 自分が拘留されている間、韓国の人たちや仲間の闘いが気がかりだったこと、妻の健康 も気になったとあくまでも優しい。 韓国サンケンは「偽装解散」なので解雇撤回の要求をしているが、韓国の労働委員会は、 最終結論を出す前に両者で話し合ったらどうかと提案されていた。一度も話し合いをして いなかったのでそれを受け入れることにして、その旨を相手に伝える手紙を渡そうと警備 員に近づいたという。ところが警備員に阻止され、押し問答をしているときに警備員に暴 行を加えたとして待機していた警察官に逮捕されたという。 ・事件解決の長期化は労働問題にしたくない会社と警察の打った芝居 そして孝司さんは、この間の警察の取り調べなどを通して、この問題を労働問題とせず、 単なる暴行事件にしたいということがありありだという。それは労働者の権利を無視した 対応をサンケン電気、韓国サンケンともにしてきたからだ。そこが裁判の要なのだが、何 とか単なる「暴行事件」として会社を守ろうとしているのは、見え見えだという。裁判を 長引かせ、今年の株主総会にも孝司さんが出られないように、裁判所も協力しているよう だ。 尾澤邦子さんは逮捕時も現在も、病気加療中で、さまざまなストレスにさらされている。 その中で、一人でいる病宅への無遠慮な家宅捜査や孝司さんへの面会も許されず、その気 持ちを「サンケン電気の狡さが許せない」という言葉で表した。 ・太陽を見るまでしなやかに闘う 逮捕は、5月のはじめ、その末には株主総会があり、株を持っている孝司さんがそこの場 でこの問題を提議されることを嫌ったのではないかという。また、会社側としては、せっ かくコロナ禍の時期に仕掛けたにもかかわらず、前回より運動は盛り上がり、広がりを見 せていることに危機感を覚えたとも思われる。会社側は、孝司さんを首謀者とみなし、彼 を現場から引き離せば、そのうち鎮まると思ったのに、全くその気配がないことが、誤算 だったようだ。 話を聞いていると、日本側の支援者は直接個人的利害関係になく、信念、信条で闘って いるので、かえって強いと思えたし、韓国の人たちは、長年の労使闘争での最終段階と認 識しているので、やはり柔な気持ちでの闘いではないと思えた。 鞭打たれてきたものは、鞭のようにしなやかである。だから、必ず太陽を見る! Created by staff01. Last modified on 2022-02-21 13:42:34 Copyright: Default |