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韓国サンケン電気労組を支援する会7月15日・第42回木曜日行動報告

韓国サンケン労組の仲間16人、テント籠城闘争一周年で決意新たー「解決するまで闘いが終わることはない!」

7月15日(木)、第42回木曜行動には延べ72人が参加した。朝からどんより曇り空。志木駅では雨が降っていたが、サンケン電気本社前で木曜行動を始める頃には雨は上がっていた。2日前の7月13日は韓国サンケン労組の仲間たちが工場前にテントを張って籠城闘争突入を宣言し記者会見してから丸1年。韓国の仲間たちは記者会見して闘う決意を新たにした。これと連動して14日は大阪の仲間たちが大阪営業所に対して抗議行動を展開。私たちの木曜行動の翌日16日には韓国サンケン労組が工場前で闘争文化祭を挙行した(写真)。サンケン電気経営陣は株主総会を乗り切って安堵しているのかもしれないが、闘いは終わりではない。「株主総会が終わっても、解決するまで闘いは終わることはない」(オ・ヘジン支会長)。

尾澤孝司さんが不当逮捕されてから2ヶ月以上が経過した。保釈申請も、ガン闘病中のお連れ合いとの面会さえもさいたま地裁は認めようとしない。サンケン電気資本・警察・司法一体となった弾圧を絶対に許すことはできない。

≪7月15日朝7時本社正門前「私たちは変わった。お互いの痛みを分かち合い、支え合う同志となった!」≫

郵政ユニオンの仲間の発言で木曜行動スタート。「闘いが始まってから一年が過ぎた。問題が解決するまで、私たちの行動は続く。いくら話し合いを求めても応じない会社がサンケン電気だ。グローバル企業として恥ずかしくないのか。昨日は大阪営業所行動があり、明日は韓国で工場前の集会がある。解決するまで闘う決意を新たにする集会になる。私たちはあきらめない!」

韓国サンケン労組のペク・ウンジュさんからオンライン・アピール。「サンケン電気は1973年に韓国サンケンを設立し、韓国人労働者を低賃金で働かせて発展してきた。私は韓国サンケンで働いて20年になる。2001年の入社当時は100人の組合員がいた。昼夜交代制で働いた。2009年までCCFL事業に投資し大きな利益を上げたが、労働者に還元することはなかった。連日残業も続いた。12時間働き、休みもなく昼も夜も働く状態だった。しかしサンケン電気本社はCCFL事業に過剰投資し、その事業に問題が出てからも新たな事業に投資しようとしなかった。それで経営も悪化し多くの労働者が会社を去った。2003年に馬山を台風が襲い工場の半分が水に浸かったこともあったが、労働者が復旧作業に力を出し工場を守った。労組も賃金凍結に協力し、納品期日を守った。私たちは黙々と仕事をこなしたがなぜか赤字になる注文しか回ってこなかった。そして清算・解雇となった。しかし赤字は口実。赤字の責任は労働者ではなく経営者に問わねばならない。経営陣は利潤追求に目を向けずに労組潰しにばかり務めた。私たちは賃金凍結と休業で賃金レベルが下がったのでボーナスのカットには応じなかった。別会社には投資して生産しても韓国サンケンには回さない。要するに労組組合員に仕事をさせたくない、それがサンケン電気の本音だ。サンケン電気本社のやり方は分かっている。邦子さんの手術は無事にできたのか、心配です。私たちのことを心配せずに自分の体のことを心配してください。暑さの中で倒れそうにもなるが、日本のみなさんのことを考えて頑張っていきたい。気弱い人には悲しみだけがあり、気強い人には喜びだけがある。そんな言葉を思い出して、強い気持ちで勝利まで頑張る!」

イ・ヘミンさんが続く。「韓国サンケンで20年働いてきた。きょうで368日、工場前でビニールテントで座り込みを始めて一年以上たった。サンケン電気の経営者に聞いてほしい。私たちは労働組合に固く団結している。いつもまっすぐ前を向いて進むオ・ヘジン支会長、いつも小まめに業務を行っているキム・ヒョンガン事務長、ガンの後遺症で体調が万全ではないが闘い続けている会計監査のヤン・ソンモ前支会長、この間の闘争資料をこまめにまとめてくれているペク・ウンジュ教宣部長、私たちの闘いの先頭に立って私たちを導き力づけてくれている民主労総副委員長でもあるキム・ウニョン副支会長、32年間青春をかけて働いてきた自分の職場から悔しくて去ることはできないと言っているイ・ミョンヒさん、手を結んで離さない最後まで闘おうと言っているイ・ジョンヒさん、いつも黙々と口数は少なくても前を行く人たちを後ろから応援してくれるイ・ソニムさん、いつか必ず希望が叶うと頑張っているパク・チョンピルさん、最後まで闘って職場に戻ろうと言っているキム・ヒョンジンさん、夜勤や残業続きでも頑張って来たのに自分に戻ってきたのは解雇通知だったと怒っているキム・ミョンデさん、いつも街頭宣伝で先頭に立って声を張り上げているユ・ハンミョンさん、一人息子しかいないので何とか妹や弟をつくってあげたいがこれからどうなるかと言っているペ・ピョンゴンさん、苦しくても大食いをすれば何とかなるさと言っているキム・ボンスさん、そして私は3人の子持ち、20年働いてきた職場を決してあきらめない、仲間を決して捨てられない、と頑張る私イ・ヘミンです。日本のサンケン電気は理解できないでしょう。単なる職場の同僚から大きく変わった。お互いの痛みを分かち合い、支え合う同志となった。労働組合の仲間として胸を張って生きている。そして直接会えないが、他国の労働者を自分のことのように考えてくれる日本の仲間がいる。この場にいなくても私たちのことを考えてくれている尾澤さん夫婦がいる。私たちは固い絆で結ばれている。いつか見た記録映像を思い出す。雁の群れの映像で、エサを探して遠くまで飛んでいく。雁の群れは、リーダーを先頭にくの字を描いて、誰も零れ落ちないように仲間を気遣いながら飛んでいく。遅れそうな仲間がいるとゆっくりと飛んでいく。まるで韓国サンケン労組の私たちのことを見ているようだ。サンケン電気経営陣は知らねばならない。私たちが飛んでいくその過程は苦しいかも知れないが、私たち労働組合一丸となって最後まで闘い続ける。このことを改めて経営陣に告げたい。闘争!」

埼玉市民の会の仲間が発言。「韓国サンケン労組の仲間にお礼を言いたい。この現場で彼らの発言で勇気をもらう。日本はひどい状態になっている。為政者の利益のために、五輪貴族のために、感染拡大にもかかわらずオリンピックに突入しようとしている。日本の私たちは情けない状態になっている。でも闘わなくてはいけない。私は毎週ここに来て、いつもそんなことを考える。」

オ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「サンケン電気は世界的なグローバル企業だと唱っている。道徳的にも、倫理的にも優れているという企業理念を掲げている。しかし私たちは疑わざるを得ない。会社は一年間私たちの話し合い要求を無視し続けている。そして私たちに代わって話し合いの申し入れをした日本の市民を逮捕させることまでしている。このことをどう考えればいいのか。グローバル企業を標ぼうしつつ、話し合いにも応じない。力でねじ伏せようとする。47年間も韓国で事業をして、簡単に韓国人労働者を切り捨てる。本当にグローバル企業と言うなら、進出した国の法律や慣習を守り、高い倫理性を発揮しなければならない。その国の労働者、社会を尊重すべきだ。地元で善良な企業であるかのように振舞っているが、グローバル企業の資格があるのか?サンケン電気は私たちを無視し続けると、私たちが疲弊し諦めると考えているのかもしれない。それは間違いだ。私たちは諦めることはない。私たちは正しいことに向かい突き進む。台風があっても工場を守ってきた。そのような努力に対して、ひどい仕打ちをするなら、攻撃するなら対抗せざるを得ない。日本の市民を逮捕させたことも謝罪させねばならない。株主総会が終わっても、解決するまで闘いが終わることはない。サンケン電気の新社長に話し合いを求める。団交に応じるべきだ。民族差別、労組弾圧、市民への弾圧を止め、私たちとの話し合いに応じるべきだ。この要求が貫徹するまで、闘いを止めることはない。一年間、苦しい闘いを継続できたのは、みなさんからの支援があったからだ。この一年間で、本当の同志愛、国際連帯を知ることができた。力強く闘いを進める。日韓民衆・労働者の連帯が、勝利につながることを信じている。闘争!」

旭ダイヤ工業の仲間の発言で締めくくり、最後に正門前からシュプレヒコールを浴びせ、志木駅に向かう。

≪7月15日9時 志木駅南口「言葉は通じなくても、歌は海峡を越えて伝わる!」≫

志木駅南口に移動すると、いつものように結いの会のメンバーが韓国の仲間の似顔絵パネルを持ってきた。 埼玉市民の会の仲間が最初に発言。「地元の市民として声をあげている。サンケン電気は組合との話し合いに応じるという姿勢が全くない。正々堂々と会社の言い分を話せばいいのに、逃げ回っている。警察や司法も会社と一体になって市民を弾圧している。埼玉の市民として恥ずかしい。こんなことでいいのか!」

キム・ウニョン副支会長からオンライン・アピール。「韓国も日本と同じように、ジメジメして蒸し暑い日が続いている。私たちに対して『この闘いは勝つのは難しい。諦めろ』という声もあつた。しかし私たちはこのような非道な仕打ちに黙っていられなかった。昨年7月13日に工場の前にビニールテントを張り、籠城を始めた。ビニールテントは風雨で何度もボロボロに破壊されたが、そのたびにテントを改修した。韓国サンケンの解散解雇に対して市長も道知事も地方議会も国会議員も抗議の書簡をサンケン電気に送ったが、すべて無視された。闘いの正当性を信じていたので、揺るぎなく闘いを進めた。コロナで日本に行けない状況で、地団駄を踏む状況が続いた。サンケン電気経営陣は労組を毛嫌いして、弾圧を繰り返してきた。47年間も韓国で事業展開し多くの韓国人労働者の血と汗で利益を上げながらグローバル企業に成長した。韓国国民の税金で優遇されながら、それを韓国労働者に還元しようとしなかった。労働者が労組に団結する事が、それほど責められることなのか?本当に韓国サンケンの経営が厳しいのであれぱ、こんな悔しい思いはしなかった。韓国で別会社を買収してまで事業を拡大しようとしているのに、なぜ韓国サンケンの私たちだけが踏みつけにされねばならないのか?韓国からの全面撤退なら理解も出来る。しかしサンケン電気はそうではない。日本の労働者は、サンケン電気が事前に労組と話し合いをして手順を踏んで納得のいく形で統廃合している。なぜ韓国人労働者だけ手順を踏まずに話し合いもしないで一方的に解散・解雇なのか!韓国労働者を愚弄し、踏みつけにしたことに対して謝罪しなければならない。サンケン電気は韓国サンケンを廃業したが、労働者と家族の生活と命がかかつている。こんなことをして、サンケン電気はのうのうとしていられるのか?私たちは韓国サンケンを諦めることはできない。私たちの組合員と離れる訳にはいかない。私たちも平凡な労働者だ。朝出勤し、仕事をして同僚と弁当を食べ、夜は家族との食事をする。これまで会社は様々な弾圧で私たちの心を傷つけてきたが、それでも職場で仲間と一緒に時を過ごしたい。サンケン電気の弾圧によって私たちは傷つき、ズタズタにされたが、日本の仲間の闘いに勇気づけられた。私たちは連帯の絆で結ばれている。私たちは一つになって闘っている。尾澤孝司さんの逮捕は私たちにとっても大変衝撃で、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。一人手術を受けようとしている尾澤邦子さんのことを考えると胸が張り裂けそうだ。闘いでサンケン電気に謝罪させよう!尾澤さんを取り戻そう!必ず勝利しよう!諦めずに粘り強く闘う。勝利するその日まで、手を握り、闘いましょう!闘争!」

ペク・ウンジュさんが続ける。「13日には偽装廃業・解雇撤回一周年で記者会見をした。テント闘争を始めてから一年、月日がたつのは早い。最初はもっと早く終わると期待して始めた。私たちには小さいけど立派な労組があり、何よりも強い意志がある。廃業を撤回させ職場に必ず戻るという強い意志がある。サンケン電気はそのことをよく知っているだろう。私たちは必ず勝利する。勝利するまで闘いを止めないからだ。韓国労働者を疲弊させ諦めさせると思うのは間違いだ。株主総会の後も、揺るぎなく闘いを進めている。逮捕された仲間が釈放され、私たちが職場に戻るまで諦めないで闘う。サンケン電気は今からでも遅くはない。廃業・解雇を撤回すべきだ。サンケン電気に抗議の声を!韓国では40度近い猛烈な暑さが続いて、立っているのもやっと。それでも諦めずに負けないのは、日本の仲間がいるからだ。偽装廃業であり、労組弾圧だと知っている以上、引き下がるわけにはいかない。暑い中です。食事をきちんとして、闘いましょう!闘争!」

ここで支援する会のメンバー3人が、韓国サンケン労組を激励する歌を次々に披露。歌声が志木駅南口に響き渡り、オンラインを通じて韓国の仲間たちにも伝わる。、

明大生協労組の仲間が最後に発言。「言葉はつまらないもので、歌には勝てない。言葉は通じなくても、歌は海峡を超えて韓国に伝わっていく!」

≪7月15日 池袋・東京事務所前、昼休み集会「サンケン電気のすべての悪行を暴露し告発する!」≫

池袋に着くと怪しげな黒い雲が迫ってきて、少し雨も落ちてきたが、濡れるほどでもなかった。あとでニュースを見ると、同じ豊島区でも局地的に強雨となった地域もあったようだ。 集会の前に面会した東京営業所のI氏に対しては、不当逮捕され勾留中の尾澤孝司さんの株主としての質問にも一切答えようとしないサンケン電気の非常識な対応を、私たちは今回も厳しく批判した。

昼休み集会では、埼玉市民の会の仲間の発言から始まり、支援する会の渡辺共同代表、山谷労組、ユナイテッド航空争議団、武蔵学園争議団、メトロクラブの仲間がリレートーク。

韓国サンケン労組のキム・ヒョンガン事務長がオンライン・アピール。「私も尾澤さんの夢を時々見る。毎週木曜日には身だしなみをきちんとしようと心がけている。5年前に日本に遠征闘争したときに、尾澤さんから、『争議団も身だしなみをきちんとした方がいいよ』と言われたのを思い出すからだ。昨年7月にサンケン電気は取締役会議の決定として一方的に韓国サンケンの解散を発表した。当事者である私達には一言も話がなく、一方的に発表した。四年前の合意書で重要な雇用問題では労使合意することを明記した。しかしサンケン電気はこの合意を無視して一方的に解散解雇した。全くの合意違反だ。会社は『6ヶ月前に通告したからいいではないか』と言う。それは7月に発表する半年前でなければならない。LED事業部を閉鎖する時にも交渉したが、韓国サンケンの社長は『本社直轄の工場なので大丈夫。LED閉鎖と韓国サンケンは関係ない』と言った。しかし私たちが指摘した通りになった。道知事や市長、国会議員の抗議書簡全てを無視している。サンケン電気が今後も韓国で事業を展開するならば、無視してはいられないはずだ。赤字の責任は経営者にある。私達は製品を生産したが、赤字という製品を作ったことはない!通常の会社なら、子会社の赤字を放置してよいわけがない。サンケン電気が新たな事業に投資すれば今日の事態はなかった。韓国での売り上げが110億円になる会社が、16人の社員の処遇をどうにもできないのか?一方的で抜き打ち的な廃業と解雇を撤回しなければならない。建物も法人もないから責任は取れないなどというべきでない。サンケン電気の資本があれば、16人の処遇は問題とならないではないか。不当逮捕された尾澤さんが無実であることは明らかであり、暴行などありえない。連れ合いがガンの手術の前に面会を求めたが許されなかった。本当にひどすぎる。サンケン電気は覚悟しろ!コロナが終息したら訪日して大きな闘いを作る!サンケン電気のすべての悪行を暴露し、告発する。韓国人労働者を使うだけ使い捨てて、ボロ雑巾のように切り捨てる。そして韓国人労働者の胸に釘を差し、家族まで苦しみの淵に落としたこと、嘘とでっち上げで尾澤さんを逮捕させ、家族にも苦しみを与えたこと、これらすべてを社会的に暴露していく。暑さに負けないように気をつけてください!闘争!」

最後に支援する会の仲間が詩を朗読。ビル7階8階の東京営業所に向かってシュプレヒコールで木曜行動を締めくくった。


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