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ウィシュマさんを偲ぶ会に約400人が参列〜私はひたすら謝った

レポート=松本浩美

 5月29日(土)、名古屋入管で死亡したスリランカ人女性、「ウィシュマ・サンダマリさんを偲ぶ会」が築地本願寺で行われた。
 当日は14時開始。私が到着したのは14時10分で、すでに長蛇の列ができていた。気温28度を超える夏日、日傘をさしたり、冷たい飲み物を飲みながら待つ人たちの姿も見られた。
 受付を済ませて、献花台へ向かう。鳥井一平氏(移住連代表理事)、入管問題に取り組んできた国会議員(石川大我氏、石橋通宏氏)、弁護士の指宿昭一氏の姿もあった。

 ウィシュマさんの遺影が見えた。テレビやインターネットのニュースで何度も目にしたはずだが、ああやはりこれは本物なのだと感じる。
 ウィシュマさんを前に、私はひたすら謝った。入管問題については5年ぐらい前に知り、収容されている人たちの面会に足を運んだこともあったが、この数年は遠ざかっていた。牛久にしろ品川にしろ、交通の便が悪いうえ、お金がかかる。それに、言葉もできず、支援活動もしていない私にたいしたことはできないと思い、疎遠になってしまったのだ。しかし、その間にも入管施設では医療放置によって数人が死亡。そして、3月にはウィシュマさんが亡くなった。

 15時近くになり、遺族と支援者が挨拶。今回はメディアとして参加していないので、参列者でごった返している寺の内部に入るのはためらわれた。しかし、中から声が聞こえてくると、たまらずに入ってしまった。
 ちょうど、ご遺族の妹さんが挨拶をしているところだった。亡くなる48時間を撮影したビデオの提出を求めても、頑として応じない上川法務大臣。真相究明をしようとしない、不誠実な対応を泣きながら非難していた。
 スリランカからはウィシュマさんのお友達だった女性もやってきた。彼女によれば、ウィシュマさんは好奇心旺盛で、何にでもチャレンジする頼もしいタイプだったようだ。だからこそ、子どもたちに英語を教えるという夢を実現しようと、日本へやってきたのだ。

 以下、挨拶をまとめて紹介する(すべて要約)。

・被収容者と仮放免者の支援活動を行っているナイジェリア人女性、エリザベスさん
「ウィシュマさん、会いたい。なぜあなたが亡くなる? ウィシュマさん、心からありがとう。ありがとう、みんな。ウィシュマさんのために。これが最後、みんな助けて」

・移住連代表理事・鳥井一平氏
「取り残されている人の声を聞くのが民主主義。ウィシュマさん、入管法改悪反対の抗議行動では、間違いなく一緒にいました。真剣に、誰一人として取り残されない社会を目指し、移民難民と一緒に社会を作っていきます。私たちもビデオの開示、真相解明を求めていきます」

・指宿昭一弁護士
「ウィシュマさんは入管に命を奪われた。日本人の一人として責任を感じている。必ず真相解明する。たくさんの人がいらして献花してくださって、ありがとうございます。二度とこのようなことを繰り返さない、これが日本の市民の声。その取り組みを皆さんと共に進めたい」

関係者によると約400人が参列

 入管法の根底にあるのは外国人を管理の対象としかみなさない、差別と排除の発想である。数年前から、ヘイトスピーチのカウンターの一部が入管問題にも取り組みはじめ、入管法改悪に対する抗議行動、「偲ぶ会」にも姿を見せた。また、今回改悪入管法が廃案になったことで、関心を寄せる人が増えたと感じる。外国人の人権感覚ゼロの状態からプラスへと進めるために、様々な分野の人たちとつながっていけたらと思う。闘いはこれからだ!


Created by staff01. Last modified on 2021-05-30 14:41:38 Copyright: Default

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