北穂さゆりの出演後記 : 映画三昧だったレイバーネットTV年末スペシャル | |||||||
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●北穂さゆりの出演後記 映画三昧だったレイバーネットTV年末スペシャルレイバーネットTV155号は年末のスペシャル企画として、いつもとは編成を変えて配信しました。冒頭企画は「共通番号いらないネット」の宮崎俊郎さん(写真)をゲストに迎えた「デジタル庁構想のねらいはなにか」。 コロナ以前は、国民総背番号制とも呼ばれるマイナンバー制度について、否定的な反応が多かったとおもいます。わたし北穂のその一人でしたが、コロナ禍での給付金支給のひと騒動を経て、社会保障や救済給付を簡便にするための統一的な国民ナンバー制度は必要なのではないか?という気持ちに傾いていたところです。かといって、ただでさえ行政や民間による個人情報漏洩問題や詐欺事件は跡を絶たず、データ戦略といえば聞こえはいいのですが、目に見えないサイバー空間に実生活の管理をずべてゆだねることには、漠然とした不安を感じていました。
今回は、そんな大多数の国民の疑問をスパッと整理する、良い企画でした。結論から言うとコロナ給付のころにメディアが絶賛していた、海外の個人ナンバーを利用したスピーディな給付は、納税に関するいわば縦割りに集積した情報番号を「上手に」利用したもので、日本が実現しようとしているマイナンバーのようなトップダウンで統括的な背番号による給付ではないということです。公共データと民間データ、マイナンバーシステムそのものの問題と悪意在るものが悪用する心配など、宮崎さんの適格な解説のおかげで、マイナンバーのグレーゾーンを短い時間で整理してお伝えできました。この企画を通して、わたし自身はマイナンバーを国内パスポートのように、万能な統括ナンバーとすることには、やはり疑問を持ち続けなければならないとおもい ました。 いつもの休憩コーナーではレイバーネット写真部として、わたしが昨今話題の「養鶏業者献金疑惑」にちなんだ実際の「バタリ―ケージ」を、自分で撮影した写真をお見せしました。大手メディアがこの問題について、中心に報道されるべき養鶏の現場について触れないのは、いかなる忖度かわかりませんが、その不自然さは、後のコーナーに出演された永田浩三さんもご指摘のとおりです。 楽しみのジョニーさんの歌は2曲でした。ひとつはよく知る童謡をベースにしていて思わず笑ってしまいます。乱鬼龍さんの川柳は、この日写真で出演していたわたしたちの仲間で大先輩の、木下昌明さんを偲んだ句でした。ご存じの方は多いとおもいますが、レイバーネットでおなじみの映画評論家、木下昌明さんは先日お亡くなりになりました。 さて、メインの特集「映画で振りかえる2020年」はその木下さんの写真と魂に見守られながら、やはりレイバーネットTVではおなじみのジャーナリスト永田浩三さんを迎え、レイバーネットTVの堀切さとみさんと笠原眞弓さんの三人で、和やかな雰囲気のなか進行しました。 これはぜひ実際に見て、映画が好きでたまらない人たちが語りつくす、集中した濃密な時間を味わってほしいとおもいます。視聴者アンケートによる2020年を代表する映画たちは、一つひとつがなるほどと思わせるタイトルばかりでした。コロナ禍で家にいて映画を見る機会も増えましたし、この年末年始にぜひ見たい作品が揃っています。われらがレイバーネットTVの仲間、土屋トカチ監督の『アリ地獄天国』のほか、ゲストの永田浩三さんが監督した『命かじり』も紹介されました。映画のレイバーネットの醍醐味をじっくりお楽しみください。 *写真撮影=小林未来 Created by staff01. Last modified on 2020-12-18 14:56:02 Copyright: Default |