『労働情報』の終わりとはじまり/「女性・外国人・非正規」に届く労働運動を! | |||||||
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『労働情報』の終わりとはじまり〜「女性・外国人・非正規」に届く労働運動を!たたかう労働運動の情報誌『労働情報』が12月1日の1000号をもって休刊した。創刊からじつに43年が経っていた。国鉄分割民営化による1047名の解雇・国労つぶしの攻撃(1987年〜2010年)のときには、国労闘争団支援の論陣を張って勝利に貢献した。しかし、その後労働運動の後退が続いたこと、運動世代がリタイアに入ったことなどが相まって、『労働情報』購読者は減るいっぽうで厳しい経営が続いた。そして1000号の発行をもって発行主体の「協同センター・労働情報」は解散することになった。12月6日、東京・全水道会館で「労働情報1000号・アンフィルター発足記念シンポジウム」が開かれ、『労働情報』に縁のある人たち約40人が集まった。会場内には『労働情報』が取り上げたたたかいの写真パネル(今井明撮影)がたくさん並べられていて、43年の歴史の重みを感じさせた。 集会の第一部では「今、声を上げる」をテーマに3人のユニオン活動家が登壇した。佐藤久美子さん(市川保育労)、神部紅さん(ユニオン三重・ズーム参加)、浅川喜義さん(郵政ユニオン)である。佐藤さんは「女性労働」、神部さんは「外国人労働者」、浅川さんは「非正規問題」に取り組んでおり、それぞれ実践的報告が続いた。「女性・外国人・非正規」はまさに今後の労働運動のかなめであり、それを大いに意識したシンポジウムだった。リレートークでは、何人かの人が語ったが、全国一般なんぶ労組委員長の中島由美子さんの発言が注目を浴びた。中島さんはこう語った。「24歳で労働運動に関わるようになった。当時ストライキもあったが、男性は麻雀をやっていて女性はお茶だしの世話係だった。これだから運動がだめになるし、女性が辞めてしまう。それから何十年経ち、私も言いたいことが言える立場になった。でも、現状はあまり変わっていない。おっさん政治を終わらせよう!」と。 『労働情報』は事実上、終わった。しかし同時に発足したのがジャーナリストの協同組合による新メディア「Unfiltered(アンフィルター)」である。『労働情報』編集人の松元千枝さん(写真左)が中心になって呼びかけたもので、13人のジャーナリストメンバーでスタートする。集会二部で、松元さん、エミ・ドウさん、吉永磨美さん(新聞労連委員長)がマイクを握った。松元さんは「大手メディアは一過性が多いが、私たちは労働者・女性・外国人などフィルターアウトされる課題をしっかり取り上げていきたい。また日本の労働運動の情報を知りたがっている海外の活動家は多いので、それに応えていきたい」と抱負を語った。「アンフィルター」の加入受付もこの日から始まり、申込みが相次いだ。なお「アンフィルター」についての詳細は、ホームページを見てほしい。→https://www.unfiltered.coop/(M) *『労働情報』について:『労働情報』は、戦後労働運動の基盤を創った高野実(元総評事務局長)主宰の『労働情報通信』(1960〜63年 第1期)、『労働周報』 (67〜69年 第2期)を引き継いで第3期として77年に創刊された。77年1月の大阪集会で発行を決め、日本資本主義と対決する労働運動の構築をめざし、2回の準備号を経て正式にスタート。95年に、協同組合運動の発想から学び、発行主体を「協同センター・労働情報」に変更。「労働を 生活を 社会を変える『労働情報』」をキャッチフレーズに発行を続けている。『労働情報』HP Created by staff01. Last modified on 2020-12-07 09:27:23 Copyright: Default |