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超監視社会にしてはならない!〜「デジタル庁構想の狙いは何か」院内集会

全動画(2時間)

 背筋が寒くなるような話だった。11月6日に行われた院内集会「デジタル庁構想の狙いは何か」で宮崎俊郎さん(共通番号いらないネット/写真)が話した内容だ。「デジタル化」それはFaxやハンコをやめるとか、アナログからデジタルに変えるという単純な話ではない。いま政府は来年通常国会の「デジタル改革関連法」に向けて、着々と準備をすすめている。宮崎さんはその政府内の討議資料を入手し、警鐘を鳴らした。ワーキンググループの慶応大学教授・宮田裕章氏が「デジタル庁に必要とされるイニシアチブ」として語ったのはこういう一節だ。「単なるアナログのデジタル化ではなく、デジタルという選択肢を含め、あるべき本質から問いをたてて、国家をデザインすべき重要な時期」と。デジタル庁は「国家をデザイン」する、つまり日本国家のあり方を根本から変えようとする試みなのだ。

 宮崎さんがこう解説した。「これまでは個人情報は各所管別に管理保管されてきたが、それをデジタル庁を頂点とする中央集権的支配管理体制に一元化する。省庁縦割りの打破とはそういう意味だ。そのために使うのが、デジタル社会の国内パスポートたる”マイナンバーカード”であり、その普及が最大の狙いである」。現在、マイナンバーカードの普及は進まず、交付枚数は9月1日時点で2469万枚である。運転免許証保持者は8200万人であり、マイナンバーカードの低迷を目を覆うものがある。

 しかし、政府はコロナ禍を奇貨として「医療・教育・行政・労働」など、あらゆる多様な分野でのデジタル化を一気に図ろうとしている。マイナンバーカードには「税・行政サービス」に加え、健康保険証や運転免許証を一体化することが計画されている。そして、医療・教育・口座情報を含め個人情報がマイナンバーカード一枚に集積され、それを管理するのがデジタル庁という構図だ。システムが統合されると地方自治体の存在意義もなくなってしまう。また「データ共同利用権」(仮称)という考え方が示され、相当な公益性がある場合は本人の同意なくデータを利用できるということが検討されている。個人情報漏洩や悪用の危険性は高まるばかりだ。

 具体的にどんなことが想定されるのだろうか。宮崎さんは「マイナンバーカードと運転免許証が一体化されると、免許証書き換えのたびに警察でカードを更新をすることになるが、運転免許以外の情報に警察がアクセスする心配はないのだろうか。とても嫌な感じがする」と危惧を語った。そして「デジタル化の推進は、必ずコンビニの無人化のように”キャッシュレス決済・顔認証システム”につながっていく」と。便利だと思っているうちに、個人情報がすべて丸裸にされ、国家が管理する社会「超監視社会」の誕生である。

 今、新型コロナ感染の不安を背景に、デジタル化による「超監視社会」が受け入れやすい雰囲気が作られている。宮崎さんは最後に「私たちに残されている時間は少ない。来年の通常国会に法案が提出される前に問題性を広くアピールしなければならない。マイナンバー制度の拡大を許さず、デジタル化を強制させない、アナログ手続きを残す取り組みが必要だ」と強調した。

 また、9月にアメリカ・オレゴン州のポートランド市議会は「市内の民間企業と市当局による顔認証の使用を禁止する条例を満場一致で可決した」という話を紹介した。「顔認証は人種差別や性差別につながり個人のプライバシーを危険にさらす」というその理由だ。声を上げて、プライバシーを守ることは可能なのである。
 宮崎さんのお話はとても刺激的だった。「全収録動画」を観て一緒に考えてほしい。(M)
*11.6院内集会の主催は、共謀罪NO!実行委・「秘密保護法」廃止へ!実行委。

〔動画を見た感想・FBから〕
 冒頭からしてゾッとする内容でした。デジタルって要は0か1だけで、その間に無数にあるものを考慮しない。それがすべてにおいてまかり通る社会になったら本当に怖い。(H)


Created by staff01. Last modified on 2020-11-07 11:18:36 Copyright: Default

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