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重要問題に答えない安倍首相、会見は時間制限の撤廃を

2020年03月01日 | 安倍政権とメディア

      

 安倍首相が2月29日午後6時から記者会見しました。新型コロナウイルス対策で、突然「全国一斉休校」を打ち出した(27日)ことに、混乱と批判が広がっていることについて釈明するのが主な趣旨でしたが、まったく拍子抜け。安倍氏の無責任・無能だけが改めて露呈した会見でした。

 安倍氏は肝心なことには何も答えませんでした。次の3点です。

  1. 突然「全国一斉休校」を要請(事実上強制)したのはなぜか。その説明を当日まったく行わなかったのはなぜか(「この1、2週間が瀬戸際」と言うだけ)。

  2. クルーズ船の感染対策も含め、この間の政府の対応の反省点をどうとらえているか。今後に生かす教訓は何だと考えるか(「必要なことは躊躇なく行う」と繰り返すだけ)。

  3. 間近に迫った東京オリ・パラの開催をどうするのか(「アスリート、観客が安全で安心できる大会にする」と言うだけで、「安全・安心」とはどういうことか、どうやってそれを保証するのかについては一切述べず)。

 この3点に答えない会見に何の意味があるでしょうか。

 安倍会見がまったく無意味なものに終わった大きな理由の1つは、「時間制限」です。

 安倍氏が会見会場に現れたのが午後6時。終了(打ち切り)が6時36分。正味35分間。しかもこの間、安倍氏の独演(冒頭発言)が20分に及びましたから、記者の質問時間はたった15分でした。

 記者の質問は、幹事社(朝日新聞、テレビ朝日)から2問、その他の記者から3問、計5問でした。質問に答えない首相に対する再質問もありません(できません)でした。
 これで司会者(官邸広報)は、「予定の時間を過ぎたので」と言って打ち切りました。まだ質問したいという声が記者席から上がっていたにもかかわらず、押さえつけました。おそらく「予定時間」は30分だったのでしょう。

 あまりにも短すぎます。この重大な局面で、このテーマで、首相会見が30分、質問時間が15分とは! 少なくとも1時間は必要です。いいえ、そもそも「時間制限」を設けることが問題です。記者から質問希望がある限り会見は続けるべきです。

 今回だけではありません。首相会見はだいたい「30分」と決めているようです。だから首相の会見はいつも一方的でつまらない。この「時間設定」は官邸記者クラブと相談して決めているはずです。百歩譲って記者クラブの存在を当面認めるとして、クラブは時間制限に反対すべきです。また、会見は官邸主導ではなくクラブ主導で行うべきです。司会はクラブの幹事社が行うべきです。

 首相会見を形式的・一方的なプロパガンダの場にしてはいけません。まずは時間制限を撤廃すべきです。メディアの存在意義が問われています。


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