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皆倉さん!いい映画を遺してくれてありがとう〜『フツーの仕事がしたい』追悼上映会開かれる

動画(8分半)

 ドキュメンタリー映画『フツーの仕事がしたい』(2008年劇場公開・土屋トカチ監督)の主人公である皆倉信和さんは、10月19日セメント出荷基地内で仕事中に心筋梗塞で倒れ、49歳で亡くなった。かれを追悼する同作品の上映会が、12月18日、全日建連帯労組の主催で連合会館で開かれた。約50人が映画を鑑賞し皆倉さんを偲んだ。月552時間にも及ぶ労働時間、低賃金に限界を感じて労働組合に加入したセメント輸送運転手の皆倉さん(当時36歳)。映し出されるスクリーンで「ハッキリ言ってどん底でした。 労働組合と出会うまでは」と語っている。そして仲間とつかんだ勝利解決で「有休や社会保険がある安心した仕事」を獲得することができた。上映後、3人からスピーチがあった。

 大学の授業で『フツーの仕事がしたい』を上映してきた竹信三恵子さん(写真上)。「学生はこんなことが実際にあることに驚くとともに、組合をつくって勝利したことにも驚く。労働運動でハッピーエンドは珍しく、貴重なたたかいだ」。そして「いい労働条件を獲得した皆倉さんのたたかいと関西生コン弾圧事件は地続きであることを忘れてはならない。成果を上げているまともな労働組合が潰されようとしているからだ」と強調した。

 毎日新聞編集委員の東海林智さん(写真上)は「いつもニコニコしている皆倉さんはたたかいの現場にいるだけで、他の労働者を励ましていた」と語ると涙が止まらなくなった。そして「いまこそこの映画は重要。皆倉さんが置かれた状況はいまのウーバーイーツと同じ。分断されている若い労働者にこそこの映画を観てほしい」と呼びかけた。

 映画評論家の木下昌明さん(写真上)はケン・ローチの新作『家族を想うとき』が描いた「救いのない現実」とつなげて語った。「ボロボロの状況の中で、皆倉さんは一人でも会社とわたりあい意志を貫いたことが立派だった。これがこの映画の命だ。皆倉さん!いい映画を遺してくれてありがとう」と結んだ。

 監督の土屋トカチさん(写真上)が最後に登壇し「いい相棒に会えた」と壇上に置かれた皆倉さんの写真に声をかけた。二人は同年齢のコンビだった。なお、会には福島みずほ参院議員も駆けつけ冒頭に挨拶した。(M)

『フツーの仕事がしたい』ブログ


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