米国労働運動 : GMストライキ妥結後に真相が明るみに | |||||||
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〔解説〕10月の翻訳記事でジェネラルモーターズ(GM)でのストライキをお伝えした。10月25日には40日にわたったストライキが終結して新協約が締結された。しかしその後、妥結のための批准投票の時には隠されていた妥結内容があったことが明らかになった。11月15日付けのレイバーノーツのウェブ版はその内容を暴露して全米自動車労組UAW指導部を批判している。(レイバーネット日本国際部 山崎精一) *毎月1日前後に「レイバー・ノーツ」誌の最新記事を紹介します。 GMストライキ妥結後に真相が明るみにクリス・ブルックス レイバーノーツ編集員6週間のストライキを闘ったジェネラルモーターズ(GM)労働者たちは協約案を批准して、ストライキを終え仕事に戻った。新しい協約では労働条件の多くは現状維持だったが、一番大きな前進は2007年以降に採用されたライン労働者はそれまでより低い二層賃金が適用されており、8年掛かって一層賃金に追いついていたのが、4年に短縮されたことだった。 しかし、この勝利は部分的だったことが判明した。現在二層賃金を適用されている労働者は4年間の協約期間中に一層賃金に到達するが、これから採用される労働者はこれまでどおり8年掛かるのだ。 「今年からは全員が4年で一層賃金に行けると思っていた。」とデトロイトの技術センターで働くジェシー・ケリーは言う。 全米自動車労組UAWの妥結説明文書では現在の労働者の獲得物の説明しかなく、これから採用される労働者の昇給については触れていなかった。 レイバーノーツ紙はこの問題をUAWのスタッフに確認したところ、匿名を条件にこの内容を認めた。それによると、GMが今後正規労働者を雇うことはないので、新規採用者は全員一層賃金のほぼ半分の時給16ドル67セントの臨時工である。 新しい協約はとてつもなく複雑で、組合員が混乱するのも当然である。二つの層はさらに細分化され同じ層の中にも差別が持ち込まれている。一層賃金に到達する過程は次のとおりである。 2007年以降に採用された労働者は全員二層賃金労働者であり、協約期限の2023年までに一層の最高給である32ドル32セントに到達する。しかし、既に4年働いている人でもあと4年掛かる。例えば2008年に採用された人は既に勤続11年であるが最高給に達するまで15年必要だ。 2020年段階で3年以上勤続の臨時工は正規の二層賃金労働者に転換され、2030年までに32ドル32セントに到達する。2021年からは勤続2年以上のフルタイム臨時工は正規の二層賃金労働者に転換されるが、最高給に達するのに8年かかることになる。(臨時の雇用期間も通算される) 新しい協約は臨時工を減らし、なくすのではなく、正規労働者に転換できる臨時工に頼り続けることになる。 「臨時工に採用された時に、GMに入るにはこれしか方法がない、と言われた。」とケリーは語る。UAWのスタッフによると、将来のGM労働者はまずパートの臨時工として雇われ、フルタイム臨時工を経て正規労働者になる。 GMが臨時工を雇用するにはUAWの同意がなければならない、と協約は定めている。しかし、実際にはGMは今後正規労働者は雇用しないだろう、とUAWのあるスタッフは語った。組合が新規採用を望むのなら、臨時工の雇用を認めるしかない。 過去には労働者は90日の試用期間を終えると全員が同一賃金で社会保障や身分保障も完全に得られていた。現在では臨時工は時給16ドル67セントで昇給なし、いつでも解雇され、健康保険も部分的にしか適用されない。 多くのGM労働者にとつて6週間のストライキの目的は組合員の間の賃金平等を回復することであり、臨時雇用を廃止し二層賃金の較差を減らすことであった。協約批准投票での賛成率は57パーセントに過ぎなかった。もし、臨時雇用は今までどおり維持され、新規採用者は一層賃金に追いつくのに4年ではなく8年掛かることが分かっていたら、反対票はもっと増えたのだろうか? ロバータ・ゲイナーはそう考えている。彼女はトナワンダ・エンジン工場で40年働いており、批准反対運動に参加していた。「内の工場ではこれから採用される労働者は8年掛かることは皆知っていました」と彼女は言う。「私たちはこれからの人たちのことを考えて協約批准に反対しました。」
Created by staff01. Last modified on 2019-12-01 15:52:19 Copyright: Default |