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本気の労働運動の映画『ストライキ前夜』〜レイバー映画祭で初公開

    安田幸弘

8月3日に開催される「レイバー映画祭2019」。まあ、いろいろ上映しますけど、朝イチで上映する名画『ストライキ前夜』は観ておいて損はない。

韓国の民主化、労働者大闘争の後、雨後の筍のように労働組合が作られていた頃の映画で、当時の労働運動がどんなものだったのかがよくわかる。

昨年話題になった『1987、ある闘いの真実』は当時の民主化運動を描いた作品だが、民主化闘争の一方ではこの『ストライキ前夜』が描き出す労働運動の高揚があった。

また、この映画が最近の『1987』や『タクシー運転手』のような娯楽映画と決定的に違うのは、本気の労働運動の映画だということ。プロパガンダ映画かもしれない。また、教育映画でもある。韓国という国で、ほとんどの人が労働運動、労働組合についてよく知らなかった頃、この映画は「本当の労働組合」をスクリーンに描き出した。

映画の完成度という意味では不足もある。ストーリーの展開も古めかしさを感じさせる。俳優の演技もあまりうまくない。画質が悪いのは原版が16mmだから。

だけど、そんなことが気にならなほど熱気に満ちている。当時の現場の熱気が伝わってくる。労組を作ろう、そして人間らしい生活をしよう、われわれには労働組合が必要なんだという、当時の活動家たちの叫びがひしひしと伝わってくる。

この映画は日本でも90年代に何度か上映されたことがあるらしいのだが、まあ、事実上初公開。

特に今回上映するデジタル・リマスター版は日本で初めての上映になる。デジタル・リマスターといっても元のフィルムが16mmだから、そんなに鮮明ではないけれど、それでも古い映像と比べれば、はるかによくなってる。

日本語字幕も新しく付け直したけれど、昔、上映された日本語字幕がどんなものか知らないので、良くなってるんだか悪くなってるのかはわからない。良くなっていると信じたい。

レイバー映画祭詳細


Created by staff01. Last modified on 2019-08-01 11:03:53 Copyright: Default

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