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「私たちにゴールデンウィークはありません」〜非正規問題・オートバックス新小岩店前でアピール行動



動画(9分半)

 4月27日昼、東京・スーパーオートバックス新小岩店前で、「非正規差別是正」の訴訟を起こした田島才史さん(元加平インター店勤務)と首都圏青年ユニオンがキャンペーンアピールをおこなった。途中、雨が降り冷たい風が吹いたが、みんなが協力し合いがんばった。



 首都圏青年ユニオン委員長の原田仁希さん(写真上)は「この新小岩店と同じオートバックス加盟企業ファナスの加平インター店で、働く労働者が解雇されました。 解雇撤回と非正規差別是正を求めて3月19日に東京地裁に提訴しました。今日はその裁判の宣伝にきました。みなさん、スタッフの方たちがチラシを配っているので、受け取って帰っていただけたらと思います」ときりだした。「普通の企業なら13年もの期間、雇っていたわけですから、休職規定を認めるということで、解雇という取りあつかいはしません。しかし株式会社ファナスでは、田島さんの復職を認めず、解雇を言い渡す。そういった非常に理不尽なあつかいをしました。ファナスがおこなっていることは、労働契約法20条違反であり、ハラスメントによって休職を余儀なくされたということで、労働災害でもあります」と訴えた。



 次に田島さん(写真上)がマイクを握った。「体調がよくなくてプラカードをもっているだけでも、結構動悸がひどくなってきている状態ですが、せっかくの機会なので」と勇気をふりしぼって語った。「家族のことも考えて一時期はすべてあきらめようと思いました。でも娘からパパは何も悪くない! あきらめたら後悔する、後悔したままの人生でいいのかと言われました」。そして「ここで泣き寝入りをしてしまうと未来をになう子供にも悪影響をあたえてしまう。この環境を変えなければ、また同じことがくりかえされると思いました」と、店舗の人たちに向かって提訴の思いを訴えた。

 パートナーの奥さんはこごえる手でマイクをとった。「ゴールデンウイークがはじまりました。この10日間、家族でどこに行こうか。わたしたち家族にはそんな会話はありません。夫が不安障害で出かけることはできません。家族で公園にも遊園地にも旅行にも行けません。なんの変哲もない家族の日常は、4年前から失われたままです。そしてこれは、夫だけにかぎった問題ではありません。職場いじめやパワハラは、加害者側がパワハラをしているという自覚もなく、嫌がらせは毎日のようにくりかえされています。そのような環境に連日さらされれば、いずれは退職、精神疾患、ひいては家庭崩壊など不幸な結果をまねいてしまいます。わたしの夫がそうでした。企業側は、その事を決して軽視してはいけません。誰にでも大切な家族がいるでしょう。フランチャイズ契約だろうと、オートバックスという立派な看板をかかげているでしょう。皆、その責任を負って働いています。非正規差別なんてやめてください。誰もが安心して働きつづけられるように、きちんとした労働環境を用意してください。よろしくお願いします」。





 社前行動を終え新小岩駅にもどった田島さんは「お店の前で中にむかって話すということを自分がしていることに不思議でならない。途中でお店の入り口のところに、中にいる幹部社員の方をみた瞬間に、やっぱりいろんなことを思い出してしまい、途中で具合が悪くなってしゃべられなくなる感じがしました。でも、こうやってビデオで撮っていただいたり、組合のみなさんの頑張っている姿をみて励まされて、最後までやりきることができました。私一人ではアリと象のようなたたかいで、 踏みつぶされておわりだったところでした。でもこうして皆さんの力によって、アリの一穴というかたちになればいいと思い、今後もがんばっていきたいと思います」と語った。

 オートバックス新小岩店前では「非正規差別是正訴訟」の横断幕を見て、通りがかる車が減速してみてくれるということもあった。 また新小岩駅前のビラ配布も、すごくはけがよかった。非正規差別で苦しんでいる方は多く、関心は広がっている。(見雪恵美)


Created by emi. Last modified on 2019-04-28 22:11:28 Copyright: Default

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