「嫁さん・主人」でない対等の関係を〜夫婦別姓訴訟で山崎精一夫妻が陳述 | |||||||
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「嫁さん・主人」でない対等の関係を〜夫婦別姓訴訟で山崎精一夫妻が陳述北穂さゆり1月24日、東京地裁立川支部(写真)「夫婦別姓国賠請求訴訟」の法廷でレイバーネット国際部で活躍している山崎精一さんが、長年連れ添う事実婚の妻ともに法廷に立ち、意見陳述しました。この日の陳述は、1984年に山崎さん夫妻が、150人の参列者を招いて「新しい旅立ち」と題した結婚式を挙げたときに参列者に配った、結婚への決意をつづった当時の栞をもとに、ご夫妻が過ごしてきた半生と現在の心境を交えて語りました。 この夫婦別姓訴訟は各地で行われており、各原告の年代やライフスタイルもさまざまです。この立川支部の法廷に立ったこれまでの原告の主張は、苗字という名前の一部を変えることへのぬぐいきれない違和感、それによる自己喪失感、あるいは、苗字を変えることで仕事やキャリアに支障がでることを訴える内容でした。 しかし山崎さん夫妻がそれまでの主張と一線を画すのは、あきらかに男女平等社会の実現へむけてのチャレンジとしての別姓結婚であるという、明確な意図が主張に見えることです。
「女は男に服従すべきものという一貫した女性観」の父親に育てられた原告妻は、家庭では、父親の言うことを聞かない問題児あつかいでした。しかし女性解放運動や労働運動を通じて彼女は自分らしく自己を形成し、山崎さんと知り合って結婚するときには、既成の社会通念を打ち破るためには、社会の最小単位である男と女の関係を見直すべきだと考えるに至ります。そして女性の自分が男性の籍には入らない別姓結婚を実践しようとおもいました。 この申し出を受けた、のちに伴侶となる山崎さんは、男性である自分の方が姓を変えようかと提案します。しかし原告妻は「自分が嫌なことを好きな人にはさせられない」と、きっぱり断ったそうです。 もともと「妻に嫁さんや奥さんになってほしくない。自分も主人や旦那になりたくない」と思っていた山崎さんは、男と女の家庭の中での地位と関係そのものを変えなければならないと考えました。そして子どものが生まれても書類上の認知せず、姓が違っても普通の父親以上の役割を果たそうと決意したのです。 夫婦別姓の事実婚をはじめた夫妻は、3人の子どもに恵まれ「子育ては大変だったけれど、今となっては楽しい思い出」という現在、子どもの一人は最近結婚し、結婚式の場では両親の前で「一風変わった両親の元で育ち、小さいころは面倒だとおもったこともあったが、わたしは性格が個性的だと人に評価される大人に成長できたのも両親のおかげ。ふたりの息子でよかった」と、感謝の言葉を述べました。 原告の山崎さんは陳述の最後に「世界各国には夫婦同姓の国も別姓の国もあるが、法律で夫婦が同姓であることを定めているのは日本だけ」だとして、「これは女性差別であると、国連女性差別撤廃委員会から是正勧告を受けている」と指摘しました。 山崎さんはあくまでも「選択的夫婦別姓が実現することではじめて、家庭の中での、妻と夫の対等で自立した関係がスタートする」と主張しています。個人の尊厳と両性の本質的平等という憲法24条の精神を、まず家庭の中で実現するするべく、原告夫妻は本訴訟に原告として参加したのでした。 なお、この裁判の次回期日は、3月14日10時30分東京地裁立川支部。 Created by staff01. Last modified on 2019-01-27 20:25:19 Copyright: Default |