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フィリピンのバナナ農園労働者を殺すな!〜スミフル本社前で連帯行動

 

 10月31日、住友系「スミフル・フィリピン」の関係農園の労働者が銃で殺される事件が起きた。この事件を受けて11月8日、PARC(アジア太平洋資料センター)が中心となって、東京・新宿のスミフルジャパン本社前でスミフル農園労働者との連帯行動を行った。

 事件の被害者はダニー・ボーイ・バウティスタ、31歳。バウティスタさんはスパヤ農園労働組合(NAMASUFA)に所属し、職の確保と正規職を求めて精神的に組合活動を行ってきた。バナナの梱包工場で働く1日の賃金はわずか396ペソ(790円)だ。非正規の不安定な働き方ではなく、安定した職を求めていた。

 NAMASUFAは、労働者の正規職員としての雇用を求めて12年間闘いを続けてきた。スミフル・フィリピンに対しては団体交渉を求めてきたが、返答がなく、今年10月1日にストを決行した。11日には、フィリピン国軍、警察が雇われ暴力団とともにストライキ・キャンプを襲撃し大勢の負傷者を出した。バウティスタさんの殺害もこの一連の流れのなかで起きたと考えられる。

 今回の暴力の背景には、ドゥテルテ政権による新自由主義政策下の外国資本への便宜があるのではないか。フィリピンでは労働運動が外国資本を遠ざけるとして、労働運動への弾圧が続いている。

 

 「スミフル」とは住友商事が展開するバナナブランドで、そのサプライヤーがスミフルジャパン。スミフル・フィリピンは現地法人である。以前から農薬の空中散布による健康被害や不平等な契約によるバナナ農家への搾取が問題になっている(詳しくはDVD「甘いバナナの苦い現実」PARC)。

 連帯行動では、スミフルジャパンに対し、暴力の現状を知ってほしいこと、雇用についてスミフルジャパンとしての責任、HPなど宣伝の美辞麗句に見合ったバナナの生産をしてほしいなど、日本とフィリピンの人たちからのアピールがあった。

 今やバナナは5本で99円という安さで売られている。ちょっと高いブランドバナナでも298円だ。現地の労働者にわたる賃金の相場がいくらか、想像はつく。そのバナナのほとんどがフィリピン・ミンダナオ産のダベンディッシュ種。巨大なバナナプランテ―ションが島を覆う。それらから生み出される利益は、概ね4つの巨大な資本に流れていく。スミフルはその一つだ。

 今年7月にエシカルバナナキャンペーンが立ち上げられ、労働者と環境にやさしい安全なバナナを食べようという運動が始まった。私たち消費者はバナナをめぐるフィリピンに蔓延する暴力や不正に声をあげることが出来るのではないか。どのバナナを選ぶかは、私たちだからである。〔根岸恵子〕


Created by staff01. Last modified on 2018-11-09 13:15:43 Copyright: Default

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