「柳井正、あなたの富のために働いた労働者に支払いを」/ユニクロ解雇労働者が訴え | |||||||
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「柳井正、あなたの富のために働いた労働者に支払いを」〜ユニクロ解雇労働者が訴え「子どもの学費が払えない。生活が苦しい。柳井社長、あなたに会いにはるばるインドネシアから来た!」。ユニクロ委託工場で23年働いて突然倒産解雇で放り出されたワーニさん(46歳/写真)は、10月9日午後、東京・ユニクロ本部前で涙を流しながら必死の訴えをした。「あなたたちは富を得たかもしれないが、その背景には私たちの血のにじむような酷い労働環境があったんです!」。手にもっているバナーには「柳井正、あなたの富のために働いた労働者に支払いをしてください。」と書かれてあった。この日、代表が会社幹部との面会を求めたが拒否された。
ユニクロがインドネシアに進出し、ジャバ・ガーミンド社の縫製工場に生産委託したのは2012年だった。その時ユニクロは、「人員増員・設備投資」などの厳しい条件を付けてきた。9割が女性という縫製工場だったが、それまでインドネシアの労働法で適用されていた産休・生理休暇を認めなかった。また一人一日「ピース400着分」など生産目標を持たせて過酷な労働を強いた。定時は7時から16時までだったが、目標に達成しなければ、達成するまで働かされ一日の労働時間が14〜17時間に及んだという。もちろん残業代は出ない。
こうした中、ついに労働者は2013年10月に産別労働組合(FSPMI支部)を結成したが、会社は組合に対して嫌がらせの配転や解雇を行ってきた。ユニクロは2014年に入ると発注量を減らし、10月には注文をストップしたため、2015年4月ジャバ・ガーミンド社は倒産に追い込まれてしまった。この時、従業員は2工場で4000人いたが、全員解雇された。 倒産後、労働者の未払い賃金と補償金の一部は管財人より支払われたが、半分以上にあたる550万USドル(約6億円)が未払いのままだ。失業した女性労働者の多くは40歳をすぎていることもあり、再就職先が見つからず、住むところを失い、子どもの学費を払えず借金を重ねている現状がある。夫が病死したシングルマザーのワーニさんもまさにその一人だ。
ユニクロは「取引停止後の倒産なので責任はない」と主張している。しかし、厚労省の記者会見で、サプライチェーン問題に取り組んでいる香港のNGOメンバーは「実質上ジャバ・ガーミンド社をコントロールしていて、倒産前から工場の経営を過剰に圧迫した挙句、突然取引を停止して倒産に追い込んだ。これはサプライチェーンの国際基準からしても大問題であり責任はある」と強調した。 また、移住連事務局長・全統一労組の鳥井一平さんは「商品をつくるときには厳しい品質管理を求めて労働者が協力してきたのに、撤退のときはさっさと撤退して労働者の生活を顧みない。こんなことでいいのか」とユニクロの入っている「六本木ミッドタウン」前で通行人に訴えた。 今回来日したのは、タンゲラン市にあるチクパ工場(2000人)のFSPMI支部テディ委員長と縫製部門の責任者だったワーニさんで、全統一労組など日本の労働組合が受け入れを引き受けた。 問題発生からすでに3年が経過しているが、国際NGO「クリーン・クローズ・キャンペーン」が全面的にジャバ・ガーミンドの労働者を支援している。今回はジャバ・ガーミンド労働者2名をはじめ「クリーン・クローズ・キャンペーン」のメンバーも多数来日して、今週末まで、東京を中心にユニクロ要請行動やイベントを展開する。13日(土)には11時からビックロ・ユニクロ新宿東口店前でアピール行動があり、午後2時からは明治大学駿河台キャンパスで公開講座「サプライチェーンの労働問題を考える」が開催される。〔M〕 *サプライ・チェーン・マネジメント(供給連鎖管理)とは、物流システムをある1つの企業の内部に限定することなく、複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメント手法である。
写真提供=shinya(下の4枚) Created by staff01. Last modified on 2018-10-13 16:31:38 Copyright: Default |