あの時代を繰り返してはならない〜緊張感の中で「反戦川柳人・鶴彬」碑前祭 | |||||||
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あの時代を繰り返してはならない〜緊張感の中で「反戦川柳人・鶴彬」碑前祭甲斐淳二(レイバーネット川柳班)「手と足をもいだ丸太にしてかえし」この川柳で治安維持法違反の容疑で特高警察に逮捕され、29歳の若さで帰らぬ人となった鶴彬(つるあきら)。日中戦争が始まった1931年、彼が23歳の頃、軍隊内で反戦活動を行ったとされ大阪城内の陸軍の衛戊(えいじゅ)監獄に1年8カ月収監された。その地に10年前この顕彰碑が建てられた。これは地元大阪の「あかつき川柳会」の並々ならぬ努力によって建てられたもの。顕彰碑には「暁を抱いて闇にいる蕾」の句が刻まれている。 9月14日、鶴彬の獄死80年、顕彰碑建立10周年記念の碑前祭が鶴彬顕彰碑の前で行われた。晴れ渡った青空のもと9月半とは思えぬ強い日差しの下での碑前祭。東京からレイバーネット川柳班はじめ十数人、鶴彬の生誕地金沢からも多数参加し、全体で80人を超える碑前祭となった。
秘密保護法、戦争法、共謀罪成立後の現在、そして米朝の緊張関係を利用して戦争モードが煽られている時だけに、主催者や関係者のあいさつにも緊張感が漂っていた。戦争に反対した鶴彬や小林多喜二が殺された、あの時代を繰り返してはならない、スピーチで語られるこの言葉も、以前にもまして現実感がある。 たかが17文字、されど17文字。川柳で軍国主義と闘った鶴彬。その川柳をおそれ治安維持法で殺した軍国主義の時代、それは過去の事ではない。会場で句箋が配られ、参加者の献句が行われた。 第二部は会場を「道頓堀ホテル」に移し、『小説 鶴彬〜暁を抱いて』の作者である吉橋通夫氏による講演会(写真下)。鶴彬の恋についての話などは会場からの笑いを誘い楽しい講演会だった。 同ホテルの第三部懇親会では、スピーチのなかで全国各地の取り組みが紹介されるなど、にぎやかな宴だった。午前中の献句の一部も紹介された。東京から参加した先輩たちの優れた句も紹介された。そこに私が無理やりひねり出した粗末な句もまぎれていた。 「青空はどこまで続く獄の窓」 第一部の碑前祭から第三部の懇親会まで実に充実した一日だった。 Created by staff01. Last modified on 2017-09-17 12:45:14 Copyright: Default |