牧子嘉丸のショート・ワールド(42) : 「生前廃憲」―ある内閣府官僚のつぶやき | |||||||
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「生前廃憲」―ある内閣府官僚のつぶやきA―連休中はどうだった。どこか出かけたかい。 B―それどころじゃないよ。家でのんびりしてたら、コレ(親指を立てて)の演説聞いてびっくりしたよ。 A―ああ、あの改憲派に寄せたビデオ・メッセージね。発表前に「読み切り」新聞に出てたけど、常ナベのお墨付きを得てたんだろうね。世間じゃ、もう「生前改憲」なんて言ってるよ。 B―天皇の真似してどうするんだよ。おまけに中味もすごいね。顔がなんだかえらく紅潮していて、酒でも飲んで冗談言ってるのかと思ったぐらいだよ。 A―9条の1項と2項は残して、「自衛隊の存在は明記する」ってやつね。 B―これって昔、民主党の連中なんかが言ってなかった? そのときはさんざん馬鹿にしてたくせに、今度は自分が言い出してる。 A―「自衛隊は違憲かもしれないなどという」議論の余地をなくすために、明文で書き込むって言うんだろう。 B―それって、今まで「自衛隊は違憲」でしたと認めたことじゃない。こりゃ、イケンよ。つまらないか。 A―さっそく、石歯センセイが「自民党の今までの議論の積み重ねの中ではなかった考え方ですね」なんて、例の上目づかいでまわりくどいこと言ってるね。 B―そりゃそうだろう。1項と2項をそのままにして、交戦権の否定と軍隊の不保持を守りながら、どう自衛隊の存在を明記するんだよ。 A―そんなのお手のものだよ。「私人のようで私人じゃない。ベンベン。公人のようで公人じゃない。ベンベン。それを誰かとたずねれば、アッキナー、アッキナー、アッキナー」てな調子だよ。 B―じゃ、こうか。「戦力のようで、戦力じゃない。ベンベン。軍隊のようで軍隊でもない。ベンベン。それを何かとたずぬれば、ジエイタイ、ジエイタイ」てなことかな。 A―あの云々(デンデン)がベンベン言ってりゃ世話ないや。 B―9条の1項と2項の精神を遵守して、自衛隊は軍隊ではなく、また戦力でもないが、アメリカ様の要請があるときは、突如軍隊になり、交戦もする非戦力外超軍事組織である。書くとすればこんな感じかな。 A―なんか、ようわからんな。こんなことなら、いっそ2項は廃して「自衛隊は自衛のための必要最小限の軍隊である」としたほうがよっぽど分かりやすいのにね。 B―いや。それじゃ、海外で武力行使できないからなんだろう。 A―なるほど。それにしても、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」なんて、それ自分の任期中でしょう。 B―もう完全に「ゴーマンかましてよかですか」状態だね。今や、あのマンガ家の小林先生が心配するぐらいだもんね。 A―でも、こんな氷炭相容れない9条改憲なんて、国民が支持するとは思えないけどね。そこまで馬鹿かね。 B―政治家の劣化、官僚の劣化、ジャーナリズムの劣化なんて、さかんに劣化劣化と騒いでいるけど、劣化の一番は国民だよ。まあ、韓国みたいに100万のデモ隊が押し寄せて大統領を倒すなんて心配はないよ。 A―おまけに北朝鮮がドンパチやったり、オリンピックが迫ってテロが怖いと煽ったら、すぐ賛成するだろうね。あとはどう文言をごまかすかだな。 B―「偽りも似つきてぞする」じゃないが、ひと昔まえなら、こんなデタラメを跳ね返すだけの気骨のある先輩もいたけどな。我ながら情けないよね。 A−青いこと言いなさんな。何事も宮仕え、宮仕え。国民のため国家のためなんて言いながら、誰も真面目に考えちゃいないよ。そうでしょ。 B―政治家が自分の利益しか考えないんだから、官僚が真似してどこが悪いってことか。 A―それになんだって、高支持率だもんね。「この数字が目に入らぬか。下郎め」てな感じできっとこのままいくんだろうね。 B―内田樹氏が今度の発言について、「これはもう、改憲じゃなくて廃憲だ」と言っていたが、相手ながらさすがにうまいこと言うね。 A―じゃ、「生前改憲」ならぬ「生前廃憲」だ。上が上なら、下も下で、まあ我々は上手に立ち回らなきゃ。でも、国会で紛糾して答弁に立たされたらどうする? B―そのときは左川君しかいないよ。「お答え申し上げます。その件に関しましては、いちいちの答弁を控えさせて頂きます」って。 A―「廃憲するのに、お答えの必要なんかありません」とでも言ってやろうか。 B―それにしても、今度の憲法には公務員の「憲法尊重の擁護義務」という99条を残すのかね。 A―「憲法尊重の擁護義務はその時々の政権で忖度すべし」って付則でもつけて貰うか。 (無断転用絶対禁止) Created by staff01. Last modified on 2017-05-06 14:16:22 Copyright: Default |