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「人間として許せない!」〜韓国サンケンの整理解雇撤回を求めてデモ

動画(10分)

 3月26日。久しぶりの雨にもかかわらず、サンケン電気本社ちかくにある三軒屋公園(新座市)には200人が集まった。昨年9月に生産部門全員が解雇された韓国サンケンの労働者。3人が韓国から日本に渡り、サンケン本社前で「解雇撤回」を訴えて160日になる。厳しい闘いを頑張りぬく韓国サンケンの労働者を見守ってきた、多くの日本の労働組合、地元市民が駆けつけた。

 連帯活動をしている新座市の坂本さん(写真上)は、「韓国サンケンの人たちが、毎日志木駅前で訴えているのを、地元の人たちは見ている。頑張れという声が増えている一方で『韓国人よりも日本人の立場に立つべきでしょう』という声もある。でも私は『日本人である前に人間だ』と答えている」と力強くアピールした。


 *支援する会共同代表・中村さん

 労組の人たちも次々と「サンケンがやっていることは組合つぶしだ」「日本の大企業がアジアで労働者を首切りする。これはずっと続いてきたことだ。韓国の労働者に敬意を表し、国境を越えて連帯したい」と訴えた。

 日本遠征団を率いてきたキム・ウニョンさん(写真)がマイクを握った。
「韓国の仲間は、零下20度近いソウルで、国会前、日本大使館前で抗議し、工場前ではテントを張って24時間座り込みをしている。私たち自身は日本にやってきて本社前で抗議を続け、つらい冬を越した。仲間を信じ、支援してくれる人たちを信じたから乗り越えられた」
「ここには、いろいろな色の旗、様々な国籍の人たちがいる。しかし労働者はひとつだ。労働者がひとつになって団結して手を取り合えば、できないことはない!」
 そして遠征団の三人は、闘いの決意を表すユルトン(律動)を踊り、集まった人たちは手拍子で応えた。

 集会の後、「整理解雇撤廃!」「サンケン電気は34名を職場に戻せ!」とシュプレヒコールを上げ、サンケン本社、志木駅をデモをした。バスの運転手さんが窓から拳をあげて応じてくれたり、マンションから手を振ってくれる人も。遠征団の闘いは、サンケン本社のある町の人々の中に、少しずつ浸透しているのかもしれない。【有森あかね】


 *扉を閉ざすサンケン本社


 *志木駅前を一巡するデモ隊

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<解説・韓国サンケン争議とは>

サンケン電気は埼玉県新座市に本社があります。韓国サンケンはその100%の子会社として朴正煕軍事独裁政権時代の1974年に馬山自由貿易地域に設立されました。

会社側は「経営の悪化」を理由に、昨年2016年9月30日付で生産現場(LED電気などを生産)の全労働者を整理解雇しました。「経営悪化」の資料も提示せず、解雇回避の努力もしない一方的かつ違法・不当な解雇でした。

韓国現地ではテント籠城闘争が取り組まれ、日本には何名かづつが遠征団を組織して来日し社前行動などに取り組んでいます。

昨年12月27日、韓国の地方労働委員会は「整理解雇は不当」と判定を下し、解雇を撤回し職場復帰させること、未払い貸金を支払うことを命じました。

「既存の従業員を解雇して非正規職で空席を埋めようとする日本の資本に対抗し、最後までたたかう」「必ず工場に戻る」と 組合員34名の志気と団結はかたいです。

平日は毎朝本社前で社前行動がたたかわれます(7時に東武東上線の志木駅南口階段下集合)。毎週水曜日は正午から、池袋のメトロポリタンプラザビルにあるサンケン電気東京事務所(海外営業部)前で抗議行動が行われます。また、週に何度か川越の工場前での昼休み宣伝行動も行われています。


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